生成AI初心者のつまずき解消Q&A 第7回|AIに何度説明しても、思った文章になりません。どう直してもらえばよいですか?「なんか違う」を分解すると、AIへの修正指示は急に伝わりやすくなる
生成AI初心者のつまずき解消Q&A
第7回|AIに何度説明しても、思った文章になりません。どう直してもらえばよいですか?
「なんか違う」を分解すると、AIへの修正指示は急に伝わりやすくなる
こんにちは、ぜっとです。
前回は、
「AIの回答が長すぎます。欲しい答えだけを出してもらうにはどうすればよいですか?」
という疑問を扱いました。
生成AIの回答を短くしたいときは、
短くしてください。
だけではなく、
何を残すのか。
何を削るのか。
何項目にするのか。
どんな順番で出すのか。
そこまで伝えると、自分が読みやすい形へ整えやすくなります。
今回扱うのは、その次によく起こる問題です。
AIに文章を書いてもらった。
内容は間違っていない。
それなりに読みやすい。
でも、
「なんか違う。」
もう少し自然にしてほしい。
自分が書きたい文章とは少し違う。
そこでAIへ、
「もっといい感じにしてください」
「もっと自然にしてください」
「もう少し人間らしくしてください」
と頼んでみる。
ところが、書き直してもらっても、まだ違う。
また直してもらう。
それでも違う。
気がつけば、
「違うんだよな……」
とAIの文章を眺め続けている。
初心者のうちは、よくあることだと思います。
ここで問題なのは、文章を書く能力ではありません。
多くの場合、
自分の中にある「違和感」が、まだ言葉になっていないのです。
そこで今回は、
「なんか違う」
を、
内容。
長さ。
構成。
言葉。
雰囲気。
事実性。
という六つに分けて、AIへ修正を伝える方法を整理します。
Q1.「もっと自然にしてください」ではダメなのですか?

ダメではありません。
ただし、
「自然」
という言葉はかなり曖昧です。
ある人にとって自然な文章は、
丁寧で落ち着いた文章かもしれません。
別の人にとっては、
会話のような柔らかい文章かもしれません。
短文が多い文章を自然だと感じる人もいます。
少し感情が入った文章を自然だと感じる人もいます。
AIからすると、
「自然にして」
だけでは、
どこを変えればよいのかが十分に分かりません。
たとえば、
文章が少し硬く感じます。
内容は変えず、専門用語を減らしてください。
一文を少し短くし、会話するような言葉にしてください。
ここまで伝えると、かなり具体的になります。
つまり、
「自然にして」
をやめる必要はありません。
その後に、
「私にとって自然とは、どういう状態か」
を一つ足せばよいのです。
Q2.「なんか違う」と感じたとき、最初に何を見ればよいですか?

全部を一度に直そうとしないことです。
まず、違和感を六つに分けてみます。
1.内容
言いたいことそのものが違う。
2.長さ
長すぎる。短すぎる。
3.構成
順番が分かりにくい。結論が遅い。
4.言葉
難しい。硬い。表現が大げさ。
5.雰囲気
冷たい。熱すぎる。広告っぽい。
6.事実性
書いていないことを足している。断定が強すぎる。
「なんか違う」
と思ったら、
この六つのどれに近いのかを見ます。
一つに決められなくても構いません。
「内容は合っている。でも言葉と雰囲気が違う」
くらいで十分です。
違和感に名前が付くと、修正指示はかなり作りやすくなります。
Q3.内容が違う場合は、どう直してもらえばよいですか?

一番伝えたいことを、もう一度示します。
たとえばAIが、
「生成AIを使えば仕事は効率化できます」
という方向へ文章を作ったとします。
でも自分が本当に言いたいのは、
「AIを入れる前に、仕事そのものを整理する必要がある」
ということだった。
その場合は、
私が一番伝えたいのは、
「AIを導入すること」ではなく、
「AIへ渡せるように仕事を整理すること」です。
この主張を中心に文章を組み直してください。
と伝えます。
これだけで、文章の軸が変わります。
AIは文章を整えることはできます。
しかし、
「何を一番言いたいのか」
は、人間が決める必要があります。
内容が違うと感じたときは、
文章表現を直す前に、
中心となる主張を確認します。
Q4.文章が長すぎたり短すぎたりする場合は?

前回と同じく、
具体的な長さを示します。
たとえば、
現在の文章を6割程度の長さにしてください。
300文字以内にしてください。
5段落以内にしてください。
一段落は3文以内にしてください。
などです。
ただし、
長さだけを変えると、大事な部分まで削られることがあります。
そこで、
300文字以内にしてください。
結論と具体例は残してください。
のように、
「残してほしいもの」
も一緒に指定します。
逆に短すぎる場合は、
現在の内容は変えず、具体例を一つ追加してください。
理由の説明をもう少し増やしてください。
初心者が場面を想像できる例を一つ入れてください。
と頼めます。
長さの調整は、
増やす、減らす
だけではありません。
何を増やし、何を残すのか。
そこまで指定すると安定します。
Q5.文章の構成が分かりにくい場合はどうしますか?

読む順番を指定します。
たとえば、
説明は分かるけれど、結論が最後まで出てこない。
そんな場合は、
最初に結論を一文で示してください。
その後に理由、具体例、注意点の順で説明してください。
と頼みます。
逆に、文章が説明ばかりで読みにくい場合は、
次の順番に組み直してください。
1.読者が感じている悩み
2.よくある思い込み
3.本当の原因
4.解決方法
5.今日できること
と指定できます。
文章の内容を変えなくても、
順番を変えるだけで読みやすさは大きく変わります。
AIに文章を直してもらうときは、
「書き直してください」
だけではなく、
「この順番にしてください」
も非常に有効です。
Q6.言葉遣いが硬い、難しい、大げさな場合は?
どの言葉が気になるのかを伝えます。
たとえば、
「革新的」「圧倒的」「劇的」のような大げさな言葉は使わないでください。
専門用語を減らしてください。
中学生でも理解できる言葉に置き換えてください。
「重要です」「必要です」を繰り返さないでください。
一般的なビジネス用語を使いすぎないでください。
このように指定します。
さらに効果的なのは、
使ってほしい言葉を示すことです。
たとえば、
「導入」「実装」「最適化」より、
「始める」「使う」「整える」という言葉を優先してください。
これならAIは、
避ける言葉だけではなく、
目指す方向も理解できます。
文章を直すときは、
「何をやめるか」
と
「代わりにどうするか」
をセットで伝えると修正しやすくなります。
Q7.文章の雰囲気が違う場合はどうすればよいですか?
「雰囲気」も、もう少し分解して伝えます。
たとえば、
硬い。
軽すぎる。
熱すぎる。
冷たい。
広告っぽい。
説教っぽい。
教科書っぽい。
感情がなさすぎる。
このように具体化します。
たとえば、
内容はそのままで、教科書のような説明口調を弱めてください。
読者へ静かに話しかけるような文章にしてください。
過剰に励ましたり、強く誘導したりしないでください。
あるいは、
少し広告っぽく感じます。
「絶対」「今すぐ」「必須」などの強い表現を減らし、事実と具体例を中心にしてください。
と伝えます。
雰囲気を変えるときは、
「優しくしてください」
より、
「何を減らし、何を増やすか」
まで書く方が伝わります。
Q8.AIが勝手に事実を足してしまった場合は?

これは文章の好みではなく、事実性の問題です。
AIが、
元のメモにない数字。
存在しない理由。
勝手に作った背景。
確認していない効果。
を書き加えることがあります。
その場合は、
元の材料に書かれていない事実を追加しないでください。
推測した部分があれば削除してください。
と伝えます。
さらに、
元の材料にある事実と、AIが追加した内容を分けて示してください。
と頼む方法もあります。
業務で使う文章では特に重要です。
文章が読みやすくても、
事実が変わってしまえば使えません。
AIの文章修正では、
読みやすさより先に、
「内容が正しいか」
を確認してください。
Q9.何が違うのか、自分でも分からない場合は?

ここが今回、一番覚えてほしい使い方です。
AIに質問してもらいます。
たとえば、
この文章を直したいのですが、自分でも何が違うのかうまく説明できません。
修正する前に、
・内容
・長さ
・構成
・言葉
・雰囲気
・事実性
の六つの観点から、私に一問ずつ質問してください。
私の回答を聞いてから、文章を修正してください。
これなら、
プロンプトを自分だけで完成させる必要がありません。
AIが、
「一番伝えたい内容は何ですか?」
「今の文章は長く感じますか?」
「誰に向けた文章ですか?」
「硬さはどの程度にしたいですか?」
と聞いてくれます。
こちらは答えていくだけです。
「何を頼めばよいか分からない」
ときこそ、
AIに質問役をさせる。
これは初心者にかなり使いやすい方法です。
「なんか違う」を分解する六つの修正ポイント

迷ったときは、次の表を思い出してください。

この六つのうち、
一つだけ直しても構いません。
むしろ初心者のうちは、
一度に一つずつ直した方が、
何を変えると文章がどう変わるのか
が分かりやすくなります。
すぐ使える修正プロンプト
ここからは、そのまま使える形にまとめます。
内容を直したい
この文章で一番伝えたいのは「○○」です。
現在の文章は「△△」の説明が中心になっています。
「○○」を中心に組み直してください。
長さを直したい
内容は変えず、現在の6割程度の長さにしてください。
結論と具体例は残してください。
構成を直したい
次の順番に組み直してください。
1.結論
2.理由
3.具体例
4.注意点
5.次の行動
言葉を直したい
専門用語と大げさな表現を減らしてください。
初めて読む人でも理解できる日常的な言葉を優先してください。
雰囲気を直したい
内容は変えず、教科書調と広告調を弱めてください。
読者へ落ち着いて説明する自然な文章にしてください。
事実を守りたい
元の文章にない事実、数字、理由、効果を追加しないでください。
不明な部分は推測せず、確認が必要と示してください。
修正するときは「全部書き直して」より「ここだけ直して」

生成AIへ、
全部書き直してください。
と頼むと、
気に入っていた部分まで変わることがあります。
そのため、
使える部分は残し、
違う部分だけ直してもらう方法がおすすめです。
たとえば、
1段落目はそのまま残してください。
2段落目だけ短くしてください。
この具体例は残してください。
結論部分だけ書き直してください。
タイトルと見出しは変更しないでください。
本文の言葉遣いだけ柔らかくしてください。
この方法なら、
修正するたびに全文が別物になる
という問題を減らせます。
AIとの文章作成では、
ゼロから何度も作り直すより、
良い部分を固定しながら直す
方が効率的です。
AIに「変更した理由」も説明してもらう

初心者には、もう一つおすすめの方法があります。
文章を修正してもらったあと、
どこを変更したのか、変更理由を三つだけ説明してください。
と聞きます。
すると、
結論を前に移した。
重複部分を削った。
難しい言葉を置き換えた。
といった説明が返ってきます。
これを繰り返すと、
AIの使い方だけではなく、
自分自身の文章を見る力も少しずつ育ってきます。
AIに直してもらう。
その理由を聞く。
自分で確認する。
この使い方は、文章作成の練習にもなります。
今日の15分実践

今日は、
「なんか違う」
を一つだけ言葉にしてみます。
個人情報や会社の機密情報を含まない文章を一つ用意してください。
文章がない場合は、次の文を使います。
生成AIは非常に革新的な技術であり、今後あらゆる業務において活用が必要になります。
生成AIを積極的に導入することによって、業務効率化や生産性向上など、さまざまなメリットが期待できます。
そのため、企業は早急に生成AIの導入を検討することが重要です。
まずAIへ、
この文章を初心者向けに読みやすくしてください。
と頼みます。
回答が出たら、
六つの観点から一つだけ選びます。
内容。
長さ。
構成。
言葉。
雰囲気。
事実性。
たとえば、
「少し大げさだ」
と感じたら、
内容は変えず、大げさな表現を減らしてください。
「革新的」
「あらゆる」
「必要」
「早急」
「重要」
のような断定的な表現を弱め、落ち着いた文章にしてください。
と伝えます。
次に、
今回どこを変更したのか、三つだけ説明してください。
と聞きます。
最後に、自分で読み比べます。
ここまでで十五分です。
大切なのは、
一発で理想の文章を作ることではありません。
自分が感じた違和感を、
一つだけ言葉にしてみることです。
AIとの文章作りは「違いを伝える練習」でもある

生成AIを使っていると、
プロンプトを書く能力ばかりに目が行きます。
けれど、実際にはもう一つ大切な力があります。
出てきたものを見て、
何が違うのかを観察する力です。
長い。
硬い。
説明が多い。
言いたいことがずれている。
勝手に話を足している。
自分らしくない。
その違和感は、失敗ではありません。
むしろ、
次の修正に必要な情報です。
「なんか違う」
と思えるということは、
自分の中に、
「こうしたい」
という基準があるということでもあります。
その基準を少しずつ言葉にする。
AIへ伝える。
修正された文章を見る。
また違いを確認する。
この繰り返しによって、
AIへの指示も上手くなります。
同時に、
自分がどんな文章を好み、
何を大事にしているのかも見えてきます。
生成AIは文章を作る道具ですが、
使い方によっては、
自分の判断基準を見つけるための鏡にもなります。
次回予告
次回は、
AIに仕事を頼みたいのですが、どの仕事から任せればよいですか?
という疑問を扱います。
何でもAIに任せればよいわけではありません。
逆に、
「自分の仕事ではAIに頼めることがない」
と思っていても、仕事を細かく分けてみると、AIに渡せる部分が見つかることがあります。
次回は、
考える。
調べる。
整理する。
比較する。
書く。
確認する。
という仕事の分解から、
初心者が最初にAIへ渡しやすい仕事と、
人間が持っておいた方がよい判断
を整理します。
「仕事そのもの」を丸ごと渡すのではなく、
仕事の中にある小さな作業を一つ切り出して渡す。
そこから始めます。
※本記事は、一般的な生成AIの利用方法を初心者向けに整理したものです。業務で利用する場合は、個人情報や機密情報を入力せず、生成された内容を人が確認したうえで使用してください。
AIに任せやすい仕事から始めよう!
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