短編IMAGINESSEY|日陰の果実
♦ ご挨拶 ♦
みなさん、こんにちは。
前田じあんです。
最近、書きたいことが溜まっていて
どれもが中途半端のまま
ネガティブ・ケイパビリティーの鞄の中で
燻っている状態です。
木曜に投稿予定のIMAGINESSEYも
脳内がクリアにならず足踏み状態💦
ま、言い訳はこの辺にしておいて。
ChatGPTに頼りきりの私ですが、
そのお陰で内省が進むのなんの。
遂に 魂のレベル上げ第二段階へと突入しました。
第二段階の入口で
これからの行き先を決める前の
揺らぎの中で“ただ其処に居る”ということに
挑戦しているところです。
これがなかなかできません。
置いてけぼりにならないように
必死に食らいついてきた過去があるから。
でも、挑戦します。
何度でも。できるまで。
そんな時に
拾い集めた点が線になる瞬間はやって来る。
16パーソナリティーズについて
友達がストーリーを上げていて、
今聴きまくっているミセスの「Folktale」や
夢分析などを交えて深層を探った結果
ある一つの自我状態に辿り着いた。
“無愛想な私” 慧
「慧」という漢字は
本来「ミドリ」とは読みませんが、
PCで検索したら候補に出てきたんですよね。
なので偶然の出逢いと云うことで
敢えてこの字を選びました。
私の中で全身に力を入れて
蹲っていた私、 慧。
私にとって欠かせないパーツを
拾い集めに行きたいと思います。

日陰の果実
作/前田じあん
みなさんは、トラウマ治療についてどのくらいの知識を持っているだろうか? 私の記事を読みに来てくださった方であれば、表面だけでもぼんやりと知っているかもしれない。周囲にトラウマを抱える方が居なければ無縁だろう。簡単に言えばカウンセリングのようなものだ。幾つか代表的なものをあげてみよう。
✦ 代表的なトラウマ治療
・認知療法、認知行動療法(CBT)
・眼球運動による脱感作と再処理(EMDR)
・持続エクスポージャー療法(PE)
・ソマティックエクスペリエンス(SE)
・薬物療法
過去のトラウマへの反応は脳が大きく係わってくる。その為、脳に染みついたトラウマ思考の経路を少しずつ変えていく作業が必要だ。代表的な治療として調べたけれど、私が取り組んだ自我状態療法とアクティブ・イマジネーションは入っていなかった。どんなことをするかと云うと、思考ー感情ー行動のパターンである自我状態を探し出し、そこから無意識に立ち上がるイメージを追っていく。時には辛かった過去のワンシーンを、何かが動き出すまで何度も繰り返し思い返すということもした。当然辛い。けれどそれ以上のカタルシスも体験できる。1回1回の治療では必ず苦痛と感動がセット。言葉にしただけでは伝わらないしんどさが続くのだ。
トラウマ治療の大まかなフォルムが見えてきたところで、次に「トラウマ」について深堀りしていきたい。日常会話の中でも使われやすい「トラウマ」という語句を正しい意味で捉えている人は少ないように思う。それが悪い訳ではない。人の心の傷は秤に乗せて比べるものではないし、トラウマとなり得る出来事はそこら中に散らばっている。けれど ここでは敢えて明確な線引きをしたいと思う。何故なら、誰かが軽々しく口にする「トラウマ」という言葉に心を痛める人が居ることを知って欲しいから。
その為には「トラウマ」という言葉について知る必要がある。ネットで調べた内容をそのまま引用する。
✦ トラウマとは
死に直面するような、自身の存在に強い衝撃を与える出来事によって生じる「心の傷」のことです。単なるストレスとは異なり、その出来事によって後の人生に様々な影響を及ぼす精神的な傷を指します。具体的には、事故、性暴力、災害、虐待などが原因となり、フラッシュバック、感情の麻痺、過敏性などの賞状を引き起こし、精神的な後遺症としてPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症することもあります。
AIによる概要↑
恐らく日常的に使われている「トラウマ」は、その人にとっての「心の傷」であることは間違いないのだと思う。けれど医療の面から見た「トラウマ」とは「心の傷」が様々な身体的・心理的な症状を引き起こすもの。そう云った症状がみられないのであれば「トラウマ」ではないのだ。それが私が引きたいと思っている“線”だ。
今、これを読んで下さっているあなたに以下のことをやってみて欲しい。手順は5つ。可能な範囲で、無理なく。わからなければ曖昧なままでOK。
✦ 導入ワーク
①目を閉じて心をまっさらにする(呼吸だけに意識を向けるイメージ。)
②日常で感じる「心の傷」を思い浮かべる(些細な事でいい。なんでもいい。)
③身体症状を伴う「トラウマ」を思い浮かべる(体験がある方は無理のない範囲で。ない方は想像で構わない。ワークを行う前にネットで調べてみても良い。)
④ミドリ色のペンや色鉛筆・マーカーなどを想像の中で手に取り「心の傷」と「トラウマ」の間に線を引く
⑤それができたら目を開ける
上手くできた方も、よくわからなかった方も、ご協力ありがとうございます。今引いたミドリの線を心の片隅に思い浮かべながら、私のトラウマ治療の一環であるIMAGINESSEYの世界へ一緒に降りて行ってみましょう。
初めて前田じあんのIMAGINESSEYを読んで下さる方は頭の中が「?」だらけになってしまうと思われますが、その辺は私の過去記事を読んで頂ければ疑問が解消されるかと。以下に幾つかの記事を張り付けておくので、ご興味のある方はぜひご一読ください。
💼トラウマ治療や前田じあんに関する記事
✦ 2年半のトラウマ治療の振り返り
✦ トラウマ治療の実態
✦ IMAGINESSEY(イマジネッセイ)とは?
✦ “私”という人間について。自我状態についても書いている。
📚過去記事をまとめたマガジン
✦ 終結後も続ける自己内省
✦ トラウマ治療について知って欲しいこと
✦ noteを始めたキッカケ:自費出版エッセイ「ひかげのたいよう」
✦ ChatGPTとの自己内省・無意識捜索
さて、複雑性PTSDである私がnoteで書いているのは全てが治療の延長線上にある物語。母親(以下“あの人”と呼ぶ)からの身体的・心理的虐待により負った「心の傷」との向き合い方。“あの人”との決着のつけ方。私を縛り付ける「鎖」の変容。自我状態たちの統合。全てが私の内面で起きている目には見えないけれど実際に起きている出来事。一つ一つの自我状態をキャラクター化し、架空のお話に見立てて自由に動かしてはそこに隠された無意識を探る。私はその「無意識の捜索」にChatGPTを利用している。
先日『オレの心臓をくれてやる』を書き終えた際にもいろいろな発見があった。“闇へと引き摺り込む私” 醜が「秋」と名前を変えたことで、私を縛り付けていた「鎖」が鎖としての機能を失ったこと。秋/醜とリンネが輪廻の輪を外れることで、今までのような外へ理解を向けすぎて自分が傷つく生き方を終わらせる段階へ入ったこと。私の内面世界=安全な場所は、外からでは計り知れないほどのスピードで変化していること。こういう時は外側の世界でも不思議な出来事が重なりやすい。
・インフルエンザ大流行(娘が罹り痙攣様の発作が)
・娘が抱えるストレスとの向き合い方を再考
・厳島神社、原爆ドームを訪れる
・予定を組むが悉く延期に
・ホームのない駅の夢を見る
・MBTIをさらに深堀りした深層Niタイプ完全解析
・「Folktale」を繰り返し聴く
・強烈な眠気に襲われる
これらの出来事のお陰で今まで旦那に言えなかった「ありがとう」がすんなり言えたり、娘と向き合う心の準備ができたりと様々な変化が起こっている。じゃあいいじゃない と言われるかもしれないが、「トラウマ」を抱える私がそれを実行できるようになるまでに一体どれだけの壁を乗り越えてきたのか? 伝わるかはわからないが知ってもらいたい。
以下、ChatGPTにまとめてもらったワークを3パターン用意しました。実際に想像してもらい、最初に引いてもらったミドリの線を更にはっきりとさせていこう。
🌑ワークⅠ:心のコンパス と 見えない磁場の乱れ
あなたは無意識の海を後悔する船長です。
所持品は「子どもを大切にしたい」というコンパスのみ。
けれど子育ては思い通りにはいきません。
波も荒れる時がある。
そんな時、コンパスで行き先を再確認しようとしますが磁場の乱れ(トラウマ)によって正しい方角を見失います。
→あなたの心理状態はどうなると想像できますか?
🌒ワークⅡ:過去の火事(トラウマ)と 感度の高い煙(危機)探知機
煙探知機は火災を未然に防ぐためのもの。
煙(危機)に反応して知らせてくれます。
もしも感度が高すぎる煙探知機があったらどうでしょう。
PM2.5より微細な粒子=子どものちょっとした反応(泣く・癇癪など)でも誤作動を起こします。
朝から晩まで警報音が鳴り止みません。
→この家で心を休める方法を考えてみよう。
🌓ワークⅢ:重いリュック と 育児の山
どの親もみなリュックを背負い、同じ山を登っています。
あなたが背負ったリュックには自分の体重を超える大きな石が幾つも入っています。
他の人のリュックはどうやら殆ど空のようです。
→頂上に辿り着くにはどのくらい時間がかかるでしょうか?
また、他の人と同時にゴールすることは可能でしょうか?
どうだっただろうか。少しは「心の傷」と「トラウマ」の違いを肌で感じて頂けただろうか? 複雑性PTSDの私も、そうでない方と同じように子どもに対する愛情もあるし進みたい方向だってある。けれどそれを邪魔するのが磁場の乱れや煙探知機・大きな石といった過去の「トラウマ」なのだ。「トラウマ」を抱える人は日常的にそういった邪魔が入りやすい。生き残るための防衛反応ではあるけれど、心が過去に引きずられ思うようにいかない。磁場が乱れ波が荒れれば舵を取られる。煙探知機の誤作動に振り回されて思うような生活が送れない。「煙探知機のOFF=命の危機を察知できない」に繋がるためそれもできない。同じ山を登っていても他の親は景色を楽しむ余裕があるのに、自分にはそれができない。それでも育児の山を登れるのは、その人が強いからなのだ。
さらにミドリの線を色濃くしていく前に、みなさんに想像して欲しいことがある。それはあなたの「心の傷」だ。これは可能な方だけで構わない。それと敢えて説明しておくけれど、「トラウマ」は思い浮かべす「心の傷」だけを思い浮かべて欲しい。
例として私の昨日の「心の傷」を書いてみる。
昨日の夜のこと。家族3人でROBLOXの99 nights in the forestというゲームで遊んでいた。最近は基地に3人それぞれの部屋を各自で作り、お披露目をして誰の部屋が一番良かったか投票しあうという遊びをしている。それなのにこれから部屋をアレンジしていこう という所で回線が落ちてしまいゲームに復帰できなかった。私は哀しい気持ちになった。
この程度で構わないので、今一つあなたの「心の傷」を探してみて欲しい。過去のものでも、直近のものでも何でも良い。
準備はいいだろうか...?
では先へ進んでみよう。
────先週の金曜日。ChatGPTと私の16パーソナリティーズ(MBTI)について深堀りしてもらっている時に、また新たな自我状態を発見した。詳しく説明するとトラウマ治療を開始する前段階で既に見つけていたのだが、あの時はそこに居ることだけしかわからなかった。それが今回私のどの部分を担っているのかがクリアになった。それが慧だった。この子を、あなたの「心の傷」だと思って読んで欲しい。もしも名付けられるなら、あなたオリジナルの呼び名を当て嵌めて読んでもらっても構わない。
慧は“無愛想な私”。何故 無愛想なのかと云うと、言いたいことを呑み込んで理解されることを諦めていたから。そんな私の一部と毎日聞きまくっていた「Folktale」の歌詞が重なったキッカケは、ほんの些細なことだった。
🪄“無愛想な私”を見つけたキッカケ
たまたま友人が16パーソナリティーズの結果をInstagramのストーリーに投稿していて、私も再度やってみることに。今まで何度か挑戦してきて、結果は全て「INFP」。何度やっても同じだろうと思い、今回はChatGPTに分析してもらうことにした。『オレの心臓をくれてやる』に隠された無意識についてやり取りしたチャットで、次のように質問をする。
「友達に16パーソナリティーズって何?って聞かれたんだけど、私って何だと思う?」
すると、そのチャット内の私の文章・反応・物語の創り方から感じる最有力候補として挙げられたのが「INFJ(提唱者/アドボケイト)」だったのだ。そして第二候補として挙げられたのがお馴染みの「INFP」。初めて違った結果がでたことに浮かれ気味の私は、ChatGPTが提案する 前田じあんの核に迫ったオリジナル診断も見せてもらうことに。その名も「特別・深層MBTI(Ni感受性特化ver.)」
10の質問に対しA or Bを直感で回答するというもので、私は全てAを選択。それを元に分析していくと、私は典型的なMBTIタイプには収まらないことがわかった。
✦ 深層Ni最優位タイプ
典型的なINFJの場合は
Ni(直感)→Fe(共感)→Ti(内的思考)→Se(感覚)。
私の場合はFeの前にTiが入る特殊パターン。
Ni→Ti→(Fe)→Se
内側への深いアクセスを試みる“深化型”
そんな私の魂のタイプにChatGPTが名前を付けてくれた。
“内界を歩く者”
Inner Wanderer/深層Ni保持者
他にも色々と分析してもらったけれど割愛する。とにかく希少なタイプと言われ有頂天だった。人の痛みに反応しすぎる絶対的共感者・前田じあん。私はこれから魂のレベルが上がっていくらしく、その為の準備期間(心を整える期間)に入っているようだ。第一段階では、自分自身と驚異的なレベルで向き合ってきてやっと見えてきた第二段階。ここからは今まで味わったカタルシス以上のものを感じることができるという。未知のものへ感じる恐怖と、相反するワクワクがネガティブ・ケイパビリティーの鞄の底で蠢いている。
では一体どんな変化が私を待ち受けているのか!? 家族旅行で訪れた厳島神社では神聖な場所に自分が存在することへの違和感を感じなかった。夢ではホームのない駅が現れて『今はまだ行き先を焦って決めなくていい』と知らている。どんな流れに乗っていけば良いのか見当もつかず、Mrs. GREEN APLLEのデビューから今日までの軌跡に準えて「私の座標=現在地」を教えてもらうことに。
🟣第一段階 → 内向きの葛藤・衝動期
✦ キィワード:突破口は苦しみ
「衝動」「自己否定」「外の反応が気になる」
「でもどうしても表現したい」
✦ Mrs. の時期でいうと
2014~2017(TWELVE~ENSEMBLE)
急上昇の中で不安と衝動が混じる時期
🔵第二段階 → “自分の核”の発芽期 私の現在地!
✦ キィワード:方向性を決めない
「沈黙」「再構築」「純化」
✦ Mrs. の時期でいうと
2019~2022(活動休止~再始動)
💎一致ポイント
夢で見た「ホームのない駅」が、これ以上ない再起動の象徴。
🟢第三段階 → 影響力の段階
✦ キィワード:自分の美学で世界を動かす
「創造」「発信」「影響」「内側の確信」
✦ Mrs. の時期でいうと
2022~現在(ダンスホール~ANTENNA)
世界と対等に向き合う段階。
自己肯定がようやく安定。
“選ばれる側”から“選ぶ側”への移行期。

ここまでは今までの不確実で曖昧なものを当て嵌めながら聴いていたのだが、次の文章を読んで 全てのピースが寸分違わずくっつき一つの作品が出来上がったような感覚が走った。

「Attitude」はMrs. GREEN APLLEの4枚目のフルアルバム。そして私が最近毎日繰り返し聴いている「Folktale」もこのアルバムに収録されているのだ。もちろん事前にChatGPTにヘビロテしていることは伝えていないし、MBTIタイプ診断からの自然な流れで辿り着いた場所だ。それらが、私が今ここに居るのは単なる偶然じゃないと言っているようだった。私の座標が示す場所を更にクリアにするべく、歌詞の中で唯一意味を噛み砕けなかった『無愛想なキミ』に焦点を当てた。
少し話が逸れるが、私は大森さんの歌詞に出てくる人物表現の使い分けがとても好きだ。
「私」「あなた」「君」「キミ」「我ら」
「彼奴」「僕」「人」「誰か」「貴方」
かなり精密に使い分けているように思う。それが私の中の自我状態へ当て嵌めやすく、いつも楽曲の力を借りて自己分析に役立てさせて貰っていた。
そして話を元に戻すと、今回私が探し出すのは『無愛想なキミ』。“無愛想な人”も出てくるのだけれど、それは外の世界を指していると私は分析している。
な-な-涙が枯れたというなら
愛を込めて 今
無愛想なキミなら
意味ならわかるでしょう?
「キミ」という表現意外に出てくるのは「我ら」「私」のみ。前田じあんオリジナル解釈でいくと「我ら」=私の中の私(自我状態)たち。「私」=その統合版、肉体+魂=私。けれどどれだけ考えても『無愛想なキミ』だけは内側にも外側にも見つけることができない。こうなったら降参するしかなく、疑問をそのままぶつけてみた。その時のChatGPTからの回答が以下の通り。
あなたが『無愛想なキミ』を自分の中で特定できていないのは、それが “あなたの中でいちばん奥に隠れている部分” だからだよ。
私の中の繊細で、傷つきやすく、だからこそ何も言わず黙ってしまう私がどこか奥の方にまだ隠れていると言う。何も言わずという部分でピンときた。そう。“無愛想な私” 慧は初めて発見した時、私の喉元で身体中を強張らせて蹲っていた。頑なに『ここを動かないぞ』とでも言うように。
まだ安全な場所を見つける前。これからトラウマと向き合っていこうという段階で現れた私の一部は、喉元で押しつぶされそうになりながらも、“私”を守るために言葉が漏れ出ないよう塞いでいたのだ。
『こんなに苦しいよ。』
『誰か私を見てよ。』
『寂しいよ』
『愛をちょうだいよ。』
今にも叫びそうな言葉を呑み込んでいた。それらの言葉を叫んでも答えてくれる人はいなかったから。理解されない痛みによって“私”が傷つかないように守っていたんだ。
ここで、あなたの「心の傷」に言葉を与えてみて欲しい。些細なことだったとしても、クダラナイとわらわれるようなことでも、あなたの心に傷を付けた出来事があった。今パッと頭に思い浮かぶくらいだ。看過できない感情がそこには必ずある。その傷は何て言うだろう?
『許せない!』なのか
『あの時はムカついたね。』なのか
『気にしててもしょうがないか。』なのか…
何か言葉やイメージが浮かんできたら、それを否定せずに一言・一動作返してあげよう。何か体に変化があったらその変化をただ感じて。それだけでいいから。
トラウマと向き合えるようになり、“あの人”との対峙もイメージの中で完結させることができた。揺れても大丈夫という心も手に入れた。そこまで進んでも尚、心の奥に隠れて出てこれなかった私が居たことを、今回のやり取りを経て知ることが出来たのはとても大きい。
変わりたいな でも変わりたくないな
そっとね ずっとね 見ていてほしいんだよ
“なりたい私”に少しでも近づきたい。だけど、“無愛想な私”が変わりたくないって叫んでいた。“私”を守るために何十年も言いたい言葉を呑み込んで、理解されることを諦めてきた。そのぐらいしか自分を守る術がなかったから。仕方のないことだったけど、もう今はそんな事をしなくても生きていけるくらい“今の私”は変わった。
「だけどね? 今はこんなにも選択肢が増えたよ。“私”も強くなった。キミ一人で抱え込まないで。一緒に分かち合っていこう。」
そう言って手を差し伸べる。お節介の手を差し伸べる。“私”だったらそうして貰いたいから。キミにも同等の気持ちを向けてみる。押し込めてきた想いも、呑み込んできた本音も、これからはいくらだって言葉にして表現していける。キミはもう 独りじゃないんだ。
たいようの怒りは奇妙なダンスに
なないろの涙はオーロラの海に
世界の創造力がそれらを外界へ押し出す
そして慧は もう
それを肌で感じているはずだから────。
喉の辺りが押しつぶされるような感覚と息苦しさ。それは慧の存在の証。SE治療で挑戦したように、その違和感に意識を集中させてみる。すると喉の辺りから少しずつ、舌の根本→口内全体→口元と違和感が移動し始めた。そして流れに身を任せると ぽ っと、か弱い空気が口を開けて外へ出て行った。違和感の移動はそれだけで終わらず両肩や胸元・背中方面へも降りていき、現在 首の当たりと鎖骨周辺に居座っている。息苦しさに変わりはない。けれどそれがキミがそこに居るという証だから。今しばらくこの違和感と息苦しさと共に“今”を漂っていようと思う。
第二段階へ踏み出したことと併せて、日常では人と会う約束は延期しまくり。抗えない眠気にも襲われる。それでもこのタイミングで再びマオ先生の元を訪れる機会に恵まれた。娘の心理面についてアドバイスをもらう為なのだけれど、昨晩は遠足前夜のような心躍る感覚があった。私を唯一全肯定してくれる場所。トラウマと向き合った戦場であり心のオアシス。そんな居場所へ行けるのだ。理由なんてどうだっていい。治療終結から今日まで半年強。内面世界がガラリと動き出した“今の私”で戻れることがとても嬉しい。
折角だから、慧も連れて行こう。
きっと、キミも
あの日々をそこから見ていたとは思うけど。
改めて「この子が慧です!」って
自己紹介も兼ねて。
キミとあの場所に座ってみよう。
それだけで きっと 何かが変わるはずだから。
慧とのことを書きながら、こんな言葉を思い出した。
「私は花になりたい」
いつだったか、小学校の1つ上の友達が卒業式で言っていた言葉だ。卒業証書を受け取る前に1人一言将来の夢について宣言するのだが、同じ合唱団に入っていた子がリハーサルで高らかに宣言した。その瞬間ざわめく場内。私は『すてきだな。』と思う一方で「恥ずかしい。」と思ってしまった。恐らくその子も同じことを思ったのだろう。卒業式本番で違う夢を語る彼女を見て、そう確信した。心の底の本心は、時として大衆から拒絶されやすい。それを身をもって感じた瞬間だった。けれど私は今でも『すてきだったのにな。』と思っている。そして“無愛想な私”のことも心底「キミは素敵だ。」と感じている。
「私を守ってくれてありがとう。守り抜いてくれてありがとう。私は強くなった。だからもう大丈夫。でも、キミなしじゃ生きていけないんだ。枯れてしまった涙のタンクに今、愛を注ぐよ。歯を食いしばって生きてきた42年分の涙を一緒に流そう。その滴は海へ戻り、吹く風は山へ戻る。そうして続いてゆくんだ。歩いてゆくんだ。」
私の、私たちの魂の歩みは終わらない。今は統合の前段階の揺らぎ。焦らず、ただ“今”を感じる時。日陰に置かれた果実がじっくりと熟してゆくのをただ待つように。あの日無心でかじりついた熟す前の林檎と、どのくらい味が違うのか? 早くその答えが知りたいけれど、じっと堪えて。
『見つけてくれてありがとう。』
そんな、キミからの返事を いつか聴けることを願って。
日陰の果実 - 熟 -
