#11|がんばらないと不安になるとき
― 力を抜くのが怖い理由 ―
「少し休もうかな」
そう思った瞬間に、なぜか胸の奥がざわつく。
何か大事なものを落としてしまいそうな感覚。
このまま緩んだら、立て直せなくなる気がする。
がんばるのをやめたら、全部が崩れてしまうような不安。
この感覚を持っている人は、決して少なくありません。
むしろ、これまでちゃんとやってきた人ほど
「がんばらない状態」に強い怖さを感じやすい。
なぜなら――
がんばることで、じぶんを支えてきた時間が長いから。
・がんばっていれば、役に立てる
・がんばっていれば、迷惑をかけない
・がんばっていれば、ここにいていい
そんな無意識の前提が、心の奥に積み重なっていくと
がんばるのをやめることは
「怠ける」でも「休む」でもなく
存在そのものが揺らぐ行為のように感じられてしまいます。
だから、力を抜くのが怖い。
でも、ここで一度立ち止まって
この思い込みを、そっとほどいてみたいのです。
「休む=崩れる」
「緩む=ダメになる」
本当に、そうでしょうか。
本当は――
人はずっと張りつめたままでは、保てません。
がんばり続けている状態は
強さではなく、緊張です。
緊張は、長く続くほど
感覚を鈍らせ、心の声を聞こえなくします。
緩むことは、壊れることではありません。
むしろ、元に戻るための動きです。
深呼吸をしたとき、
力を抜いた肩がストンと落ちたとき、
何かが崩れましたか?
いいえ。
ただ、じぶんの重さが、じぶんに戻っただけ。
休むことは、放棄ではありません。
緩むことは、後退ではありません。
それは
「これ以上、無理を重ねない」という
とても静かで、誠実な選択です。
もし今
がんばらないと不安になる自分がいたら
その不安を、消そうとしなくて大丈夫。
ただ、こう問いかけてみてください。
「私は、何を守るために力を抜けないんだろう?」
その答えの奥に
あなたが大切にしてきたものが、きっとあります。
がんばらなくても、壊れない。
緩んでも、失われない。
その感覚を、少しずつ思い出していく回です。
この回を象徴するようなカードを「寄り添うカード」から選びました
22. BALANCE
バランス
調整する
扉があらわれる

このカードは
「がんばる/がんばらない」の二択ではなく、
今のじぶんに合った“力加減”に戻る
「力を抜いたら崩れる気がする」
その感覚は、怠けではなく
長いあいだ“片側に重心をかけ続けてきた”サイン。
BALANCEは
無理に止まれとも、もっと進めとも言いません。
ただ
・張りすぎていないか
・固めすぎていないか
・本来の位置からズレていないか
を、静かに問いかけます。
休む=崩れる
緩む=ダメになる
という思い込みの奥には、
「崩れないように、必死で支えてきた時間」があります。
このカードは、その努力を否定せず
少し重心を戻すだけで、世界はひらく
ということを教えてくれる一枚。
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