Decktetですら遊ばない【Decktetで遊ばない番外編】(8)〜Tarot StenbergerとCego
前回の記事はこちら。
そして、前々回の記事
Unicodeに採用されているタロットカードが、ブルジョア・タロットだった話でした。
さて、こんな記事を書いてしまうと物欲がでてしまうもので、ブルジョア・タロットが欲しくなってきました。
Tarot Steinberger(タロット・スタインバーガー)
で、検索して探してみるとこんなのが見つかりました。
イタリアのLo Scarabeo(ロ・スカラベオ)社から出版している『Tarot Steinberger(タロット・スタインバーガー)』です。

【引用】
From the German Tarot tradition, a 78 cards deck illustrated with mythology themed scenes. The deck was printed using the technique of metal engraving and then colored with mask painting: a masterpiece of the XIX century.
【翻訳】
ドイツの伝統を受け継ぐ、神話をテーマにした場面が描かれた78枚のタロットカード。金属彫刻の技法を用いて印刷され、その後仮面絵で彩色された、19世紀の傑作です。
箱の蓋をみると「FRANKFURT 1820 CA」とあるので、1820年頃にドイツのフランクフルトで製造されたものを復刻した、らしいです。
本当かどうかは、付属のリーフレットを読んでも……よくわからない。
ともかくここは信用します。
日本でも輸入して、テンヨーなどが販売しています。
この記事のUP時点での価格が9240円。
本体価格が40ユーロですし、輸送や関税を考慮するとこれくらいはしますね。
しかし、もう少し前に入荷した代物であれば安く入手できるかも知れません。
おなじくテンヨーがAmazonで出品したものは6600円だったりします(珍ぬは他のルート先からもうちょっと安く購入ができました)。
購入した決め手は、大アルカナ(切り札)がダブル・フィギュア(上下どちらでも正しい向きの絵がある)だったからです。

左下から、切り札の8、切り札の11、切り札の16、切り札の21
引用:https://pentacle.jp/?pid=170132466

左下から、ハートのジャック、ダイヤのナイト、クラブのクィーン、スペードのキング
引用:https://pentacle.jp/?pid=170132466
小アルカナのスートは、トランプでおなじみのフランス式(♤♢♡♧)です。
ところで、タロット・スタインバーガーのデッキは1組78枚ではなく、54枚です。
大アルカナ(切り札)と絵札は、22枚、16枚と通常のタロットと同じく欠けはありません。
欠けているのは小アルカナです。
ハートとダイヤはA、2、3、4、
クラブとスペードは7、8、9、10しかありません(合計16枚)。
なぜこんなデッキ構成なのか。
調べてみると、タロット・スタインバーガーはドイツ発祥のゲームCego(セゴ)を楽しむためのカードのようです。
Cego(セゴ)
Cego(セゴ)はツェゴともよばれます。
ゲームファームでは、日本語で詳しいルールが書かれています。
日本語のWikipediaには項目はありませんが、英語とドイツ語版にはあります(リンクは英語版)。
かなりの情報量がありますが、そこら辺はおいおい記事にしようと考えてます。
Cegoは19世紀前半のドイツで遊ばれて、後に廃れていきましたが、現在は一部の地域でがっちり遊ばれています(青森のゴニンカンや熊本のうんすんかるたのような感じですな)。
で、その証左と言えるCegoのサイトがあります。
もちろん、ドイツ語。
このサイトの「Kartenblätter」には、収集したCegoのカードデッキを紹介しています。
その中に、珍ぬの購入したタロット・スタインバーガーもありました。

【引用】
Es wurde ursprünglich wahrscheinlich in der ersten Hälfte des 19. Jahrhunderts in Frankfurt gedruckt. Der österreichische Steuerstempel (1877-81) und die Kartenzahl von 54 lassen vermuten, dass dieses Blatt damals nach Österreich verkauft wurde. Ich bin mir aber ziemlich sicher, dass aufgrund der guten Handelsbeziehungen nach Süddeutschland das Blatt auch von Cegospielern im Schwarzwald genutzt wurde.
【翻訳】
おそらく19世紀前半にフランクフルトで印刷されたと思われます。オーストリアの税印(1877~1881年)と54枚のカード枚数から、このデッキは当時オーストリアに売却されたと考えられます。しかし、 南ドイツとの良好な貿易関係から、シュヴァルツヴァルトのCegoプレイヤーにも使用されていたことはほぼ確実です。
ということで、1820年頃はそんなにずれていないようです。
ちなみに、このサイトのコレクションで1820年頃に製造されたカードデッキをみると「動物タロット」がありました。

このデッキの大アルカナ(切り札)もダブル・フィギュアで描かれています。
どうやら、ダブル・フィギュアのデザインは1920年頃もしくはそれ以前に創出されたではないか、と推測します。
締め
ということで、実際にブルジョア・タロットに酷似したデッキを購入した話でした。
次回は、後回しにしてしまったCegoのあれこれについて書いてみます。
では。
