ぶるたろ。1770~仏蘭西骨牌虚実交々~(1.210001)Bourgeois Tarotを観て愛でる:その3
前回の記事はこちら。
今回は大アルカナで鑑賞していない残り3枚です。
愚者(0番)

愚者です。
コートカード(宮廷カード・絵札)と同じく胸から上を描いています。

で、こちらがコートカード。
スートはフランス式です。
左からRoi(王)Dame(女王)Cavalier(騎士)Valet(従者)です。
愚者とコートカードの右上には「FRANCE」左下にはカードの作者「BPGRIMAUD」と書かれています。
Folly(1番、21番)

さて、トリをつとめる2枚です。
他のセットとは異なるテーマとなります。
あえて英語でFollyと書きましたが、意味は
愚行(あるいは狂気)
です。
フランス語だとFolieで同様の意味です。
それぞれのカードの呼び方は、
1番:個人
21番:集団
とこれまた他のカードと趣きが異なります。
ま、ともかくカードを拡大します。

これら4枚の絵には、道化師がいます。
左上の絵は左にいる人物ではなく、右側の袖にいる彼です。

右上の絵は大人数ですが、どこかにいます。
まさに
「Follyをさがせ!」
ウォーリーよりも100年以上前に存在しておりました。
ちなみに、第0回でとりあげたヘロンゲームタロー。
こちらのカードデザインはBourgeois Tarotに準じているので、1番21番にはちゃんと道化師がいます。
Bourgeois TarotとFrench Tarot
ところで、Bourgeois Tarotの1番と21番がほかの大アルカナとは趣向の異なるものになっているのか。
手がかりとなるのが、一体どのようなゲームルールで遊ばれているのか、です。
それが、スマホのアプリにもなっているFrench Tarot(フレンチ・タロット、フランス式タロット)です。
サムネイルやスクリーンショットを見ると使用しているカードはまさにBourgeois Tarotです。

French Tarotの日本語で書かれたルールは、ゲームファームなどにあります。
French Tarotはトリックテイキングゲームというジャンルのゲームで、トランプなどのカードゲームではスタンダードなゲームです。
大雑把に言うと、各プレイヤーがカードを取り合い、取ったカードの合計得点をもとに勝ち負けアレコレをします。
で、このカードの点数がどうなっているかというと、

こんな感じです。
……フランス語で書かれているので、まあわからん人はわからないよね(そんな方は日本語ルールで確認々々)。
何度か登場している注目単語はOudlers(アウドラー)です。
Oudlersに当たるカードは3枚あり、大アルカナの
0番、1番、21番
です。
で、Bourgeois TarotだとこれらのカードはFool(愚者)だったりFollyな道化師が描かれています。
つまり、Oudlersであることを示唆するためと推測します。
Bourgeois Tarotと花札
で、このOudlersを示すデザインと似ているのが実は花札だったりします。
花札の札に短冊が描かれていると5点だったり、動物や道具などが描かれていると10点や20点だったりします。
要は、点数を数字で表すのではなくシンボルで表しているとみると、Bourgeois TarotのOudlersと同様の方法なのです。
いやはや、まったく距離の離れた2つの事象に共通点があるとは面白いものです。
さらに意外なのは、Bourgeois TarotにおけるOudlersのカードデザインについてあまり取り上げられていないことです。
というかほとんど語られていないんですが(汗)。
なんか、もったいない。
締め
ということで、これでBourgeois Tarotの大アルカナ22枚すべて鑑賞しました。
単に遊びやすいようにしたデザインだけではなく、特定のゲームFrench Tarotのルールに合わせたデザインもひそませる、なんとも小憎らしいBourgeois Tarotですな。
Oudlersのような発見はまだまだあると思うので、Bourgeois Tarot以外もいろいろ探っていこうと思います。
次回は小休止の番外編の予定です。
では。
