ぶるたろ。1770~伊太利亜骨牌虚実交々〜(3.2)ミンキアーテのカードを愛でる
前回の記事はこちら。
Minchiate(ミンキアーテ)についていくつか情報を書きました。
今回は、実際にカードを愛でてみます。
引用について
今回の引用は、おなじみになったGallica(ガリカ:フランス国立図書館(BnF)内のデジタル図書館)の画像になります。
Wikipediaでも引用されています。
愚者からはじめて、弱い切り札(1番)から順にあげていきます。
※カードの名称は複数ありますが、Williamさんの『ミンキアーテ・タロット』から引用します。
それぞれのカードは「カードに書かれた数字:イタリア語の名称(読み方)、英語の名称、日本語の名称」になります。
その他の名称は都度取り上げます。
愚者

(番号なし):Il Matto(イル・マット)、The Fool、愚者
通常のタロットの愚者と同様です。
5人の教皇

Ⅰ(1):Il Bagatto(イル・バガット)、The Magician、魔術師
Ⅱ(2):Il Granduca(イル・グランデュカ)、The Grand Duke、大公
Ⅲ(3):Il Imperatore Dell'Ovest(リンペラトーレ・オヴェスト)、The Western Emperor、西の皇帝
Ⅳ(4):Il Imperatore Dell'Est(リンペラトーレ・エスト)、The Eastern Emperor、東の皇帝
Ⅴ(5):L'Amore(ラモーレ)、Love、愛
5枚のカードは「5人の教皇」として、それぞれPapa Uno(パパ・ウノ:教皇一世)、Papa Due(パパ・デュエ:教皇二世)、Papa Tre(パパ・トレ:教皇三世)、Papa Quattro(パパ・クアトロ:教皇四世)、Papa Chinque(パパ・チンケ:教皇五世)と呼んだりもします。
Ⅱの大公は男性ですが、女帝(L'Imperatrice:インペラトリス)として呼ばれることもあります。
3つの枢要徳

Ⅵ(6):La Temperanza(ラ・テンペランサ)、Temperance、節制
Ⅶ(7):La Forza(ラ・フォルツァ)、Strength、力
Ⅷ(8):La Giustizia(ラ・ジュスティツィア)、Justice、正義
通常のタロットだとそれぞれ14番、8(もしくは11)番、11(もしくは8)番なので、一応一致しているのは正義だけです。
枢要徳って何?とお思いでしょうが、のちほど触れます。
中央部

Ⅸ(9):La Ruota della Fortuna(ラ・ルオータ・デッラ・フォルトゥーナ)、The Wheel of Fortune、運命の輪
Ⅹ(10):Il Carro(イル・カッロ)、The Chariot、戦車
Ⅺ(11):Il Tempo(イル・テンポ)、Time、時間
Ⅻ(12):L'Impiccato(リンピッカータ)、The Hanged Man、吊るされた男
ⅩⅢ(13):La Morte(ラ・モルテ)、Death、死
ⅩⅣ(14):Il Diavolo(イル・ディアヴォロ)、The Devil、悪魔
ⅩⅤ(15):Il Torre(イル・トーレ)、The Tower、塔
Ⅺのカードは通常のタロットだと隠者(The Hermit)に相当します。
絵柄も近いです。
ⅩⅤのカードは通常のタロットの塔からだいぶん絵柄が異なります。
絵柄に即すとLa Casa del Diavolo(カーサ・デル・ディアボロ:悪魔の家)と呼ばれます。
欠けている4つの美徳

ⅩⅥ(16):La Speranza(ラ・スペランサ)、Hope、希望
ⅩⅦ(17):La Prudenza(ラ・プルデンツァ)、Prudence、賢慮
ⅩⅧ(18):La Fede(ラ・フェデ)、Faith、信仰
ⅩⅨ(19):La Carità(ラ・カリタ)、Charity、慈愛
実は枢要徳は4つありまして、その一つがⅩⅦの賢慮になります。
枢要徳はアリストテレス『ニコマコス倫理学』で言及しています。
残り3つ、希望、信仰、慈愛はキリスト教の伝統由来になります。
合わせて七徳です。
4つの古典的元素

ⅩⅩ(20):Il Fuoco(イル・フオコ)、Fire、火
ⅩⅪ(21):L'Acqua(アクア)、Water、水
ⅩⅫ(22):La Terra(ラ・テラ)、Earth、地
ⅩⅩⅢ(23):L'Aria(ラリア)、Air、風
Bourgeois TarotやPoillyさんの作成したカードだと、必ず人間が登場しているのですが、ⅩⅪで乗船しているくらいです。
これくらいがわかりやすい……んじゃないですかね。
黄道十二星座

ⅩⅩⅣ(24):La Bilancia(ラ・ビランシア)、Libra、天秤座
ⅩⅩⅤ(25):La Vergine(ラ・ヴェルジーヌ)、Virgo、乙女座
ⅩⅩⅥ(26):Lo Scorpione(ロ・スコルピオーネ)、Scorpio、蠍座
ⅩⅩⅦ(27):L'Ariete(ラリエテ)、Aries、牡羊座
ⅩⅩⅧ(28):Il Capricorno(イル・カプリコルノ)、Capricorn、山羊座
ⅩⅩⅨ(29):Il Sagittario(イル・サジッタリオ)、Sagittarius、射手座
ⅩⅩⅩ(30):Il Cancro(イル・カンクロ)、Cancer、蟹座
ⅩⅩⅪ(31):I Pesci(イ・ペッシ)、Pisces、魚座
8つ並べてみましたが、順番がバラバラです。
順番の理由を探った仮説は、香月ひかるさんの『ミンキアーテ・タロット』に書かれているので興味ある方はご一読を。
では、続き。

ⅩⅩⅫ(32):L'Acquario(ラクアリオ)、Aquarius、水瓶座
ⅩⅩⅩⅢ(33):Il Leone(イル・レオーネ)、Leo、獅子座
ⅩⅩⅩⅣ(34):Il Toro(イル・トロ)、Taurus、牡牛座
ⅩⅩⅩⅤ(35):I Gemelli(イ・ジェメッリ)、Jemini、双子座
父Poillyさんの作ったタロットと同じく、ⅩⅩⅩⅢ以降背景が赤地になります。
なぜなのか……ねえ?
最後の5つのアリエ

(番号なし):La Stella(ラ・ステラ)、The Star、星
(番号なし):La Luna(ラ・ルナ)、The Moon、月
(番号なし):Il Sole(イル・ソーレ)、The Sun、太陽
(番号なし):Il Mondo(イル・モンド)、The World、世界
(番号なし):La Fama(ラ・ファーマ)、Fame、名声
星座よりも強いカードは、通常のタロットでもおなじみの5枚です。
強さは左から右へと強くなりますが、数字が書かれていません。
そして、父Poillyさんの作ったタロットと同じく最強が世界ではありません。
最強のカード、名声ですがLe Trombe(レ・トロンベ)とも呼ばれます。

名声のカードの下には「FAMA VOLAT」と書かれています。
ラテン語で「名声は飛ぶ」格言的表現だと「うわさは一瞬の間に広がる」という意味です。
締め
ということで、Minchiateのカード41枚を愛でていきました。
一方、Minchiateのあれこれが気になっていると思いますので、次回はそのへん調べつつ書きます。
では。
