作品
バス停で学ぶ構造主義:中学生と寅さんが紐解く見えない型の物語
《構造ってヤツの向こうにいる猫》 ある中学生とフーテンの寅さんの、ちぃとばかしコムズカシイ話
中学二年生の田村光は、帰宅途中のバス停でひょんなことから風来坊の寅さんと出会い、構造主義の世界へと誘われる。 第一章では言葉の意味が他の言葉との関係で成り立つことを、「犬」と「猫」の例で学ぶ。 第二章以降は、神話や物語の型、家族やジェンダー、脱構造といった社会的「型」の正体を、寅さんの江戸っ子口調と常体のナレーションでわかりやすく解説する。 物語にはソシュール、レヴィ=ストロース、デリダらの専門家注釈も挿入され、学術的背景がほどよく補足されている。 光はクラスメイトの佐藤美樹と図書室で議論を重ねるうちに、自ら「哲学部」を設立し、日常の中に潜む無意識の構造に気づき、自由な視点を養っていく。 各章末には振り返りの問いかけが設けられ、読者自身の経験や価値観を問い直す仕掛けが施されている。 寅さんの軽妙な江戸弁とナレーションの常体が交互に現れる文体は、哲学初心者にも親しみやすく、物語を楽しみながら学びの扉を開く。 終章では再びバス停に佇む二人が、猫を通して構造の向こう側へと一歩を踏み出す姿を描き、読後には世界の見え方が少しだけ変わっていることに気づかせてくれる。 かもしれない。 【目次】 バス停にて 言葉という海 物語の型 家族という構造 揺らぐ境界線 猫が現れる場所 雨上がりの虹 構造の向こう側へ
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