A380が「空の旅」を変える 超大型機にこだわるエミレーツ航空の大胆戦略

近未来の航空需要について、エアバスは超大型機による「ハブ・アンド・スポーク」形、ボーイングは中型機による「ダイレクト便」と異なる見解を示しています。はたしてどちらに軍配が上がるのでしょうか。効率や利便性など様々な観点がありますが、エアバスのスタイルはそれとは別に、「エアライン業界」自体の底上げに繋がる可能性があります。

フライトはただの移動手段なのか?

 エアバスは近未来の航空需要について、ライバルのボーイングとは異なる見解を打ち出してきました。

 大空港を拠点に、周辺の都市へ車輪のスポークのように放射線状にネットワークを広げる──そんな「ハブ・アンド・スポーク」型で航空市場は発展を続けるというのがエアバスの考え方でした。各国の主要都市間はオール2階建て超大型機A380で一度に大量の乗客を運び、ハブ空港からそれぞれの目的地へはそこで小型機に乗り継いで移動させるというスタイルです。

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2007年10月にシンガポール航空のシンガポール~シドニー線でデビューしたA380(2010年5月、秋本俊二撮影)

 これに対して、都市間を直接結ぶダイレクト便の需要が高まると予測するのがボーイングです。都市と都市の間を何便も飛ばすには、当然運航コストが安い、高効率の機材でなければなりません。そこで同社が開発を進めてきたのが、燃費のよい次世代中型機787でした。

 このように、両社の見解は真っ向から対立しています。今後はたして、どちらに軍配があがるのでしょうか。

 目的地までダイレクトに飛べるほうが絶対にいい。普通はそう考えるかも知れません。乗り継ぎは面倒だし、その分、余計に時間もかかるから、と。しかし私(秋本俊二)は、一概にそうはいえないと思っています。直行便の需要が多いのは、主にビジネス旅客でしょう。彼らの多くにとって、フライトは目的地への移動手段でしかありません。けれど一般の旅行者にとっては、フライトは決して単なる移動の手段ではないからです。

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