(左)MISATOさん/(みさと)生まれつき右頬に赤あざがあり(単純性血管腫)、長年見た目に対する悩みと向き合ってきた
資生堂は、肌に深い悩みを持つ人々を「化粧のちから」で支援する社会活動「資生堂 ライフクオリティー メイクアップ(以下、SLQM)」を展開している。同活動は今年で70周年を迎え、これまでの歩みをまとめた特別サイト「70 years JOURNEY」を開設した。同サイトで公開された、メイクによる“心の解放(Uncover)”を象徴する対談動画に出演したMISATOさんと、SLQMを支える資生堂ヘアメイクアップアーティストの廣瀬友理子氏が特別対談した。
——動画では肌に深い悩みを抱えてきた2人が初対面し、メイクをしながら言葉を交わしました。その時間はどのような体験でしたか。
MISATO:普段は一人で黙々とメイクをしているので、誰かと向き合いながらカバーメイクをするのは初めての経験でした。目の前に「カバーメイクをしている誰か」がいるだけで、自分だけじゃないんだと感じられて、気持ちの支えになりました。
廣瀬友理子 資生堂ヘアメイクアップアーティスト(以下、廣瀬):“自分だけじゃない”という言葉、印象的です。交わされる一つ一つの言葉に、これまでのさまざまな経験や思いが感じられました。
——ご自身の経験を語ることには、勇気も必要だったのでは。
MISATO:正直に言うと、ありました。あざのことは、自分の中では“隠しておきたいこと”の一つでもあって。公に話す機会はこれまでほとんどありませんでした。でも今回話してみて、自分の人生を振り返るきっかけにもなりました。共感してくれる人や受け止めてくれる人がいると知れたことが、何より心強かったです。
廣瀬:その「話す」ということ自体が、きっと誰かの背中をそっと押すのだと思います。同じように悩んできた人がいると知るだけで、心が少し軽くなることもありますよね。今回の体験も踏まえて、MISATOさんにとってカバーメイクはどんな存在でしょうか。
MISATO:カバーメイクをしていない自分も、している自分も、どちらも自分だと思っています。カバーメイクは、ファッションやアートに近い感覚で、“隠すため”だけのものではなく、自分を表現する一つの手段でもあると感じています。「選べる」というだけで気持ちは少し変わるものですよね。カバーする日もしない日も、自分で決められるだけで、自由になれる気がします。
廣瀬:“自分を表現”という言葉、すごく共感します。だからこそ私たちは、“カバーする・しない”、どちらの選択肢も大切だと思っています。一方で、人の目が気になる瞬間もありますか?
MISATO:それはやはりあります。きっと生きている限り、付き合っていくものですよね。でも、これは生まれ持った自分の一部。だからこそ、大切にして、誇りを持って生きていきたいです。動画の対談では、一人じゃないと実感できた時間でした。同じように悩みながら生きている人の存在が、これからの自分を少し強くしてくれる気がします。SLQMが、当事者だけでなく、ご家族や周りの人にも広がっていくといいなと思います。
——肌に深い悩みを持つ人にとって、「資生堂 ライフクオリティー メイクアップ」はどのような役割を担っているとお考えですか。
廣瀬:メイクによって「なりたい自分」を無理なく表現できたとき、外見だけでなく心にも変化が生まれます。私たちは、単に手段を伝えるだけではなく「選択肢を提供すること」を大切にしています。カバーしたいと思ったときに、その手段があること。それが、その人らしさや心地よさにつながると考えています。「パーフェクトカバー」も、そのための一つの選択肢です。メイクがもたらす小さな変化の積み重ねが、自分を肯定し、人生の質を高めていく。それが、私たちの目指していることです。今年70周年を迎えるこの社会活動を、肌に深いお悩みを抱える人のみならず、あらゆる人に知っていただきたいです。