ビューティ
連載 ファッション業界人も知るべき今週のビューティ展望 第8回

目の付け所の独自性に感じる、Jビューティ復活の兆し

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ビューティ賢者が最新の業界ニュースを斬る

ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN.com」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。
今週は、Jビューティの課題と可能性の話。
(この記事は「WWDJAPAN」2026年5月25日号からの抜粋です)

木津由美子/ビューティ・ジャーナリスト プロフィール

(きづ・ゆみこ)早稲田大学卒業後、外資系航空会社、化粧品会社のAD/PRを経て編集者に転身。「VOGUE」「marie claire」「Harper's BAZAAR」でビューティを専門に担当し、グローバルトレンドやウェルネス企画などを展開。2023年独立。早稲田大学大学院商学研究科ビジネス専攻修了、経営管理修士(MBA)。FASHIONSNAPにて香水連載を展開中

【賢者が選んだ注目ニュース】

前年度の焼き直しとしか思えないような製品展開が続く中、今年の上半期は久々に「面白い!」と思わせるコスメが数多く登場している。
 
始まりは花王グループの「角栓崩壊」洗顔料だ。「角栓崩壊」という言葉自体が強烈なパワーワードだが、その従来技術をさらに進化させ「隠れ角栓まで自己崩壊させる」というもの。その鍵を握るのがトロメタミンという洗浄成分で、プレス発表会ではその成分が角栓をどう崩壊させるのかを実演。さらに「ビオレ(BIORE)」と「エスト(EST)」では配合成分を変え、それぞれのターゲットに合わせたアプローチを採用。1980年からずっと洗顔料を研究し続けている花王ならではの説得力だ。

続いて、日焼け止め。もはや“日焼け止め”という呼称では収まりきらないほど高機能化している。ハイスペックなうえに大気汚染物質のブロック、エイジングケア、ビーチフレンドリー、敏感肌対応などち密な設計が当たり前。特に今季の国産ブランドは独自性が際立っている。紫外線に反応することで塗膜が厚みを増してディフェンス力を強化する「オルビス(ORBIS)」、湿度応答剤を含んだ塗膜が蒸し暑い外では汗を吸収、ドライな室内では水分を放出して乾燥を防ぐ「ビオレ」、水溶性と油溶性の紫外線防御剤を組み合わせることで紫外線の抜け道をミクロレベルでブロックする「エスト」、沖縄産タマヌオイルとクロヨナ種子オイルの紫外線吸収特性で紫外線吸収剤&散乱剤不使用でもUVカット効果を実現した「琉白」。ファッションブランド「ソージュ(SOEJU)」を運営するモデラートが展開するコスメブランド「トーリ(TOERI)」の初UVクリームでは、“食品の風味を舌の上に長く残す”ためのハウス食品グループの特許技術を応用することで、塗り直しの手間を軽減。ハイテクからナチュラルまで、どんなニーズをも取りこぼさない徹底ぶりが見事だ。

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