美容室専売品メーカーの三口産業はこのほど、ヘアケアブランド「ノヴェルノ(NOVELLNO)」を立ち上げた。ラインアップは、サロンケア4種とホームケア8種の計12SKUで、ホームケア製品の価格帯は3300〜3960円。初期導入は全国約2000店を想定し、将来的に1万店規模を目指し、5年後には売上高約10億円を計画する。
サロンとホームケアを一体設計
「ノヴェルノ」は、サロントリートメント直後の仕上がりだけでなく、次回来店までの持続性と再現性を重視したヘアケアブランドだ。サロンケアとホームケアを一体で設計し、自宅でのケアを通じて髪の状態を維持、更新していく体験を提案する。キャッチコピーは「一瞬の感動を日常の標準にする」。
髪質改善というワードの浸透など、生活者のヘアケア意識は高まりを見せている。一方で同社は、サロントリートメントについて「効果が長続きしない」「期待した変化を感じにくい」といった声があることに着目。施術直後の仕上がりだけでなく、日常のケアを通じて髪の状態を積み上げていく設計とした。診断、施術、継続、再来までをつなげることで、サロンと顧客の関係性を高める狙いだ。新規顧客の獲得だけでは売り上げを伸ばしにくくなっているサロン側の課題にも対応する。
ラインアップは、サロンケア製品4品に加え、ホームケアのシャンプー3品(各300mL、各3980円/580mLリフィル、各5720円)、インバストリートメント3品(各300mL、各3980円/580mLリフィル、各5720円)、アウトバスのヘアミルク“ブースト エマルジョン”(150g、3300円)、ヘアオイル“プロテクション オイル”(50mL、3300円)の全12SKU。 72通りのパーソナライズ提案ができる設計にした。主な対象は、ブリーチやアイロン、縮毛矯正などを繰り返したハイダメージ毛だ。毛髪内部のラメラ構造に着目し、脂質環境を補いながら髪内部の水分バランスを整えることで、しなやかさやまとまりの持続を目指す。
同社は「ノヴェルノ」をヘアケア領域の中核ブランドに位置づける。現在は毛髪補修を軸にしたラインアップだが、今後はスカルプケアや質感違いの製品など、横展開も視野に入れる。
主力ブランドへ集中投資
同社は1955年設立で、美容室専売品の開発・製造・販売を主力とするプロフェッショナル向け美容メーカー。ヘアケアやヘアカラー、パーマ、スタイリング剤などを展開してきた。約6年前の2020年頃には、同社のプロ向け事業ブランドを「フォードヘアコスメティックス」から「ミアンビューティー」に刷新した。「ミアン」は“三口のアンサー”を意味し、サロンや生活者の課題に対する同社ならではの答えを発信する思いを込めた。
今後は多くのブランドを抱える体制を見直し、主力ブランドに投資を集中する意向だ。「ノヴェルノ」もその一つ。ヘアケア、ヘアカラー、パーマ、スタイリング、スキンケアの5カテゴリーのうち、特にヘアケアやヘアカラーに注力する方針で、重点領域で売上構成比の約7割を占める計画だ。
三口雅司社長は、従来の製品について「良い意味でも悪い意味でも“三口さんらしい”と言われることがあった」と振り返る。中身へのこだわりを重視する一方で、容器デザインや発信の仕方は後回しになる面もあったという。企業全体として今後は、製品開発だけでなく、見せ方や伝え方も考慮してブランド価値を高める考えだ。「製品だけではなく、セミナーやイベントも含め、“三口のアンサー”を美容師の方やエンドユーザーに実感し、共鳴してもらえるようにしたい」(三口社長)。