エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES以下、ELC)」は、同社が所有・運営する英国ハンプシャー州の製造拠点「ウィットマン・ラボラトリーズ(WHITMAN LABORATORIES)」工場の機能を拡充し、ホームフレグランス事業の強化を進める。主要サプライヤーの1つであるコントラクト・キャンドルズ(CONTRACT CANDLES)が保有する技術やノウハウを取り込み、キャンドルおよびホームフレグランスの製造体制を内製化する。同社は、コントラクト・キャンドルズが英国で運営する2施設のうち1施設の賃貸契約を引き継ぐほか、約50人の従業員を段階的に採用する予定だ。取引金額は公表していない。なお、コントラクト・キャンドルズは独立企業として事業を継続する。
ELCのウィリアム・P・ローダー(William P. Lauder)会長は今回の投資について、「プレステージフレグランス分野における英国の職人技とイノベーションへの長年のコミットメントをさらに強化する戦略的な投資」と説明。「研究開発と品質管理能力の向上に加え、重要カテゴリーにおけるオペレーション管理の強化と長期的なレジリエンス向上につながる」とコメントした。
英国の製造基盤を強化
同社によると、2020年度以降、ウィットマン工場には総額7200万ドル(約114億円)の投資を実施。自動化設備、品質管理システム、サステナビリティ施策、先進的な製造技術への投資に加え、地域の大学と連携した職業訓練プログラムやSTEM(科学・技術・工学・数学)教育支援にも取り組んできた。今回の統合により、英国は「ジョー マローン ロンドン(JO MALONE LONDON)」「トム フォード ビューティ(TOM FORD BEAUTY)」「エアリン(AERIN)」を含む同社プレステージブランドのキャンドル製造における世界的な中核拠点となる。
1966年設立のウィットマン工場は今年で60周年を迎える。同施設は「ジョー マローン ロンドン(JO MALONE LONDON)」「エスティ ローダー」「クリニーク(CLINIQUE)」「ラ・メール(LA MER)」などのスキンケアおよびフレグランス製品を生産するグローバル製造ネットワークの主要拠点の一つだ。年間生産量は9000万個超に達し、英国や欧州をはじめ世界各地へ出荷している。
ローダー会長は、「ウィットマン工場は、祖父母が創業して以来、当社が大切にしてきた職人技や品質、イノベーションを受け継いできた拠点だ」と述べた。また、「1966年に英国へ製造拠点を設立した当時から、この国の優れた職人技の層の厚さを高く評価していた。現在もその伝統への投資を続けられることを誇りに思う」と語った。
ロベルト・カネバリ(Roberto Canevari)=チーフ・バリューチェーン・オフィサーは、「英国は当社のグローバル製造ネットワークにおいて重要な役割を担っている。今回のキャンドルおよびホームフレグランス製造への投資は、英国の職人技とイノベーションへの継続的なコミットメントを示すものだ」とコメントした。
成長が続くホームフレグランス市場
同社はホームフレグランス市場について、「上質な香りの体験や洗練された住空間への関心の高まりを背景に、大きな成長機会が続いている」と強調。また、「ジョー マローン ロンドン(JO MALONE LONDON)」は英国市場において、ホームフレグランスおよび関連フレグランス製品カテゴリーの売り上げ首位ブランドだとしている。