2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。

A 8508-5:2008

ページ

序文 ··································································································································· 1

1 適用範囲 ························································································································· 1

2 引用規格 ························································································································· 1

3 用語及び定義 ··················································································································· 2

4 コンクリートカッタ特有の重大な危険源のリスト ··································································· 3

5 安全要求事項及び/又は安全方策 ························································································ 3

5.1 安定性 ························································································································· 3

5.2 鋭端部 ························································································································· 3

5.3 操縦装置 ······················································································································ 3

5.4 始動 ···························································································································· 3

5.5 走行及び停止 ················································································································ 4

5.6 防護 ···························································································································· 4

5.7 ブレード ······················································································································ 5

5.8 動力源の故障 ················································································································ 5

5.9 排気ガス ······················································································································ 5

5.10 油圧システム ··············································································································· 6

5.11 液体容器 ····················································································································· 6

5.12 水の供給及び集じん(塵) ····························································································· 6

5.13 電気及び電子装置 ········································································································· 6

5.14 騒音及び振動 ··············································································································· 6

5.15 輸送及び取扱い ············································································································ 7

5.16 保全 ··························································································································· 7

6 使用上の情報 ··················································································································· 7

6.1 取扱説明書 ··················································································································· 7

6.2 予備品リスト ················································································································ 7

6.3 機械への表示 ················································································································ 7

附属書A(参考)図解 ··········································································································· 9

附属書B(規定)コンクリートカッタ特有の重大な危険源のリスト ··············································· 11

附属書C(規定)ブレードガードの強度 ·················································································· 13

附属書D(規定)ブレードのフランジ寸法 ··············································································· 16

附属書E(規定)騒音値の測定方法························································································· 17

参考文献 ···························································································································· 19

(1)

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A 8508-5:2008

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大

臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,

このような特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認に

ついて,責任はもたない。

JIS A 8508の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS A 8508-1 第1部:一般要求事項

JIS A 8508-2 第2部:路面切削機の要求事項

JIS A 8508-3 第3部:ロードスタビライザの要求事項

JIS A 8508-4 第4部:締固め機械の要求事項

JIS A 8508-5 第5部:コンクリートカッタの要求事項

(2)

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日本工業規格

JIS

A 8508-5:2008

道路工事機械−安全−

第5部:コンクリートカッタの要求事項

Mobile road construction machinery−Safety−

Part 5: Specific requirements for floor cutting machines

序文

この規格は,JIS B 9700-1,機械類の安全性−設計のための基本概念,一般原則−第1部:基礎用語,方

法論のまえがきに示すタイプC規格(個別機械安全規格)である。

1

適用範囲

この規格は,コンクリート,アスファルトなどで作られた路面などを切込み,溝掘り及び刻みを付ける

ハンドガイド式のコンクリートカッタの安全に係る要求事項について規定する。

附属書Aに,この規格の対象となる代表的な機種を参考として示す。

この規格は,道路工事機械に対する一般安全要求事項を規定したJIS A 8508-1と併せて用いる。

この規格は,コンクリートカッタを製造業者が意図し,かつ,予見した条件の下に使用するときに,直

接係るコンクリートカッタ特有の重大な危険源のすべて(附属書B及びJIS A 8508-1の附属書1参照)を

考慮しており,それらから起こるおそれのある危険を除去し,又は低減するための方策を具体的に示して

いる。

この規格は,次のものには適用しない。

− 搭乗形コンクリートカッタ

− 軌条走行形コンクリートカッタ

− 建築材料の床切削として用いる移動台車に取り付けた手持ち形コンクリートカッタ

− 遠隔操縦式コンクリートカッタ

注記 この規格は,コンクリートカッタの安全に係る要求事項について規定するものであるが,この

規格単独では,適合性評価を行うことは,意図していない。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。

JIS A 8315 土工機械−運転員の身体寸法及び運転員周囲の最小空間

JIS A 8317-2 音響−土工機械の発生する騒音の運転席における測定−動的試験条件

JIS A 8508-1 道路工事機械−安全−第1部:一般要求事項

JIS B 4141 ダイヤモンド/CBN工具−ダイヤモンド又はCBNホイール及びセグメントソー−寸法

記号及び形状記号

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2

A 8508-5:2008

JIS B 8361 油圧システム通則

JIS B 9700-1 機械類の安全性−設計のための基本概念,一般原則−第1部:基本用語,方法論

JIS B 9700-2 機械類の安全性−設計のための基本概念,一般原則−第2部:技術原則

JIS B 9705-1 機械類の安全性−制御システムの安全関連部−第1部:設計のための一般原則

JIS B 9707 機械類の安全性−危険区域に上肢が到達することを防止するための安全距離

JIS B 9716 機械類の安全性−ガード−固定式及び可動式ガードの設計及び製作のための一般要求事

JIS B 9960-1 機械類の安全性−機械の電気装置−第1部:一般要求事項

JIS C 0920 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)

JIS C 9029-1 可搬形電動工具の安全性−第1部:一般要求事項

JIS C 9335-1 家庭用及びこれに類する電気機器の安全性−第1部:一般要求事項

JIS C 9335-2-41 家庭用及びこれに類する電気機器の安全性−第2-41部:ポンプの個別要求事項

JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材

JIS R 6242 結合研削材といし−一般的要求事項

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS A 8508-1によるほか,次による。

3.1

コンクリートカッタ

コンクリート,アスファルト及び類似の材料で作られた路面などを切込み,溝掘り及び刻みを付けるた

めに設計されたハンドガイド式機械。

3.1.1

手押し式コンクリートカッタ

機械の移送動作を運転員の押す動作によって行うコンクリートカッタ(図A.1参照)。

3.1.2

手動走行式コンクリートカッタ

機械の移送動作をクランク又はホイールの手動操作によって行うコンクリートカッタ(図A.2参照)。

3.1.3

自走式コンクリートカッタ

機械の移送動作を機械又は油圧の動力伝達機構を介した動力源によって行うコンクリートカッタ(図

A.3参照)。

3.2

切削部

動力によって駆動される回転ブレード及びそれらを固定する附属品からなる組立品。

3.3

定格軸速度

無負荷で製造業者が指定する定格状態におけるブレードを装着しない駆動軸の回転速度(min-1)。

3.4

ブレード

円周上にダイヤモンド製のカッタを備えた円盤で,高速回転することによってコンクリート,アスファ

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3

A 8508-5:2008

ルトなどを切削する工具(附属書A参照)。ブレードは,JIS B 4141及びJIS R 6242によるタイプ41の切

削具である。

注記 他の形式のブレードが,単独又は数枚組み合わせて装着されることがある。

3.5

ブレードのフランジ

駆動軸(ブレードシャフト)上で回転するブレードを確実に保持し,かつ,位置決めする数個の部品を

含む固定装置。

3.6

ブレードガード

回転するブレードの非切削部分を覆う防護装置。

3.7

公称質量

ブレード及びブレード冷却水を除く,取外し可能なすべての部品及び10 %の燃料,規定量の潤滑油及

びエンジン冷却水を装備した機械の質量。

3.8

最大運転質量

製造業者が指定する作業に必要なすべての部品を装備し,規定量の燃料,ブレード冷却水及び油類を入

れた本体の質量に,装着可能な最大のブレード及びガードの質量を加えた質量。

4

コンクリートカッタ特有の重大な危険源のリスト

コンクリートカッタ特有の重大な危険源のリストは,附属書Bによる。

5

安全要求事項及び/又は安全方策

5.1

安定性

コンクリートカッタは,意図する運転条件,すなわち,現場での移動,切削及び駐車において,十分に

安定するよう設計・製造しなければならない。

安定性は,コンクリートカッタを水平に対し10°傾斜した斜面上に設置し,動力を切り,製造業者によ

って特定された最も不安定な状態で検証しなければならない。試験中,静止保持装置があればそれを使用

し,静止保持装置がない機械においては,車輪を固定する。これらの試験条件において,コンクリートカ

ッタは転倒してはならない。

5.2

鋭端部

鋭端部は,JIS A 8508-1の5.3.2.2及び次による。

− 手で取り扱う部品及び構成品並びにすべての接近し得る部位(ブレードを除く。)には,機械の組立て,

使用,取扱い及び保全時に危険源となり得る鋭利な端部,又は鋭い角部及び鋭い隅部があってはなら

ない。

5.3

操縦装置

操縦装置は,JIS A 8508-1の5.5.2及び次による。

− 電気システムの操縦機能については,JIS B 9960-1の7.,9.,11. 及び13. による。安全関連部品につ

いては,JIS B 9705-1による。

5.4

始動

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4

A 8508-5:2008

送りモードが選択されているときには,エンジンが始動するのを防ぐ装置を備えなければならない(中

立始動機能)。

5.5

走行及び停止

走行及び停止は,JIS A 8508-1の5.8及び次による。

5.5.1

停止操縦装置

コンクリートカッタの運転位置には,ブレードの回転を停止できる操縦装置を備えなければならない。

5.5.2

ブレーキ装置

ブレーキ装置は,JIS A 8508-1の5.8.2及び次による。

− コンクリートカッタには,JIS A 8508-1の5.8.2の二次ブレーキは,適用しない。

− 公称質量が100 kgを超えるコンクリートカッタには,燃料及び水は規定量,ブレードは最大の状態,

すなわち,ブレーキをかけた車輪上に最大負荷を与える構成において,傾斜10°の路面上で静止・保

持できる装置(例えば,機械的駐車ブレーキ又は自己支持装置)を備えなければならない。

5.5.3

ホールド・ツー・ラン制御装置

自走式コンクリートカッタで後進時の走行速度が25 m/min(1.5 km/h)を超える機械には,ホールド・

ツー・ラン制御装置を備えなければならない。

5.6

防護

防護は,JIS A 8508-1の5.11及び次による。

5.6.1

高温部

意図せずに接触する可能性のある高温部は,ハンドルなどの握り部から120 mm以上離れた位置に配置

するか,又はガードで防護しなければならない(JIS A 8307参照)。

5.6.2

動力伝達部

ブレードシャフト以外のカップリング,ベルト駆動など,回転する動力伝達部は,接触を防ぐ固定式ガ

ードを備えなければならない。これらのガードは,JIS B 9716,特に箇条5,箇条6及び箇条7に適合しな

ければならない。

ブレードシャフトに巻き込まれるおそれがある場合は,固定式又は可動式ガードを設けなければならな

い。

可動式ガード(JIS B 9700-2の5.3.2.3参照)の保持装置は,例えば,錠,掛け金,ワイヤ又はばね式で

もよい。

5.6.3

ブレード

5.6.3.1

一般

コンクリートカッタは,ブレードの少なくとも上半分及びその固定装置を覆うガード(図C.1参照)を

備えなければならない。

ガードは,ブレードの交換に際し,安全,かつ,容易にアクセスできるよう設計しなければならない。

ブレード交換時は,ブレードシャフトが回転できないように設計(例えば,工具を利用するなど)しな

ければならない。

また,安全標識(JIS A 8340-1の附属書5参照)をガードにはり付けなければならない。

5.6.3.2

ガードの開閉部

切削線に対し回転ブレードの位置を目で確認するため,又は垂直表面に接して切削を可能にするため,

ガード前部の一部を開けられるように設計する場合は,次による。

− 開口部は,ガード本体に取り付いて残らなければならない。

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。

5

A 8508-5:2008

− 回転するブレードの固定装置は,覆われていなければならない。

5.6.3.3

ガードの最小限の強度

ブレードのガードは,回転しているブレードの一部が事故による飛出しの結果生じる衝撃に耐えるよう

附属書Cに基づき設計しなければならない。

衝撃によって生じる永久塑性変形は,そのガードが防護機能を満たし,かつ,正常に組立て及び分解す

ることができる限り,ガードとして許容される。

ガードは,ブレードの破片が飛び出した場合においても,フレームに取り付いたまま残らなければなら

ない。

5.6.3.4

切削区域外でのブレードとの接触防止

切削区域外で機械を移動する間,次の方法によってブレードとの接触を防がなければならない。

− 機械を移動のために設置し直すとき,回転しているブレード(特に下部)のすべての部分をガードす

る,

又は,

− ブレードが完全にガードされていない場合には,機械は,例えば,クラッチなどの手段によってブレ

ードの回転を止めて移動できるよう設計し,ガードには,次の内容の安全標識をはり付ける。

“切削区域外で機械を移動するときは,ブレードの回転を止めて行わなければならない。”

5.6.4

切削部とフレームとの連結

切削部の昇降が動力駆動のとき,切削部とフレームとの連結は,JIS B 9707に従った安全距離を保たな

ければならない。

5.7

5.7.1

ブレード

ブレードの装着・固定装置

ブレードを装着・固定する装置は,意図した手動動作によってだけ緩められるよう設計しなければなら

ない。すなわち,ブレードは駆動軸上にナットで保持され,切削作業中にナットが緩むことがあってはな

らない。

5.7.2

フランジ

ブレードを装着するためのフランジは,附属書Dの要求事項に適合しなければならない。

5.7.3

スペーサディスク

同一駆動軸に数枚のブレードを装着して溝掘り及び刻みを付ける作業を行うように設計されたコンクリ

ートカッタでは,製造業者は,必要とする溝幅を作るために切削幅を変えることができるスペーサディス

クを,次の要求事項を満足するよう設計しければならない。

− ブレードが回転中,スペーサディスクがブレード及び軸に対して相対的に動かないよう,フランジの

締付けだけでなく,他の確実な装置によってスペーサディスクを固定できる。

− 既存のガードを改造する又は交換しなくても,ブレード数枚を装着して使用できる。

− 数枚のブレードを駆動軸上に確実に,かつ,安全に固定できる。

5.8

動力源の故障

動力の供給が中断し,その後に復帰したとき,次の危険な状況を引き起こしてはならない。

− 機械は,自動的に再起動してはならず,意図した動作だけで始動しなければならない。

− 機械は,停止指令が与えられたにもかかわらず,停止が妨げられてはならない。

5.9

排気ガス

内燃機関の排気は,製造業者が指定する運転位置にいる運転員に向けて排出してはならない。 すなわち,

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6

A 8508-5:2008

排気口の軸と機械の進行方向の軸との角度は,運転員の位置から測って60°以上となるよう設計しなけれ

ばならない。

5.10 油圧システム

油圧システムは,JIS B 8361及びJIS B 9700-2の4.10の安全要求に適合しなければならない。

組立て及びもち上げ(例えば,切削していないブレードをもち上げるなど)を意図した油圧シリンダに

は,チェックバルブを装備しなければならない。

油圧ホース及び配管は,電気動力ワイヤと分離し,かつ,高温表面及び鋭角部から防護しなければなら

ない。

運転中に切り離す場合がある配管及びホースは,セルフシールカップリングを備えなければならない。

5.11 液体容器

冷却水タンクを除き,規定量を充てんした液体容器,バッテリ,燃料システム及び作動油タンクは,機

械が5.1で規定した傾斜まで傾けても漏れが生じないように製造しなければならない。

5.12 水の供給及び集じん(塵)

湿式切削を意図した機械は,水の供給装置を備えなければならない。ブレードへの水の供給は,ブレー

ドに適切な散水をし,かつ,粉じん(塵)の飛散を抑制するのに十分な量がなければならない。

乾式切削を意図した機械には,適切な場所に適切な形状及び大きさの集じん(塵)装置を備えなければ

ならない。その装置は,粉じん(塵)吸入装置に接続できる容量がなければならない。

運転中に切り離す場合がある配管及びホースは,セルフシールカップリングを備えなければならない。

5.13 電気及び電子装置

5.13.1 一般

電動モータの軸出力が4 kW以上の機械は,JIS C 9029-1の電気安全要求事項を満足しなければならない。

他の電動モータ付き機械は,JIS B 9960-1の4.〜6. 及び14.〜16. を満足しなければならない。

電気制御装置の囲いは,少なくともJIS C 0920に規定するIP54の防護等級を備えなければならない。

5.13.2 水ポンプ

電動ポンプによってブレードに散水する場合,そのポンプはJIS C 9335-1及びJIS C 9335-2-41の関連す

る要求事項を満足しなければならない。

5.14 騒音及び振動

騒音及び振動は,JIS A 8508-1の5.17及び次による。

5.14.1 騒音低減

内燃機関付きコンクリートカッタには,最低限排気消音器(マフラ)を組み込まなければならない。

5.14.2 外部放射音響パワーレベル

定格出力11 kW以上のコンクリートカッタにおいては,空中に放射される音響パワーレベルは,建設省

告示第1537号“建設機械の騒音及び振動の測定値の測定方法”に従って測定する。

作業環境によって要求される低騒音形コンクリートカッタの外部放射音響パワーレベルの測定値は,

106 dB(A) 以下でなければならない。

超低騒音形コンクリートカッタの判定基準値(音響パワーレベル)は,低騒音形のそれより6 dB(A)を

超えて低くなければならない。

5.14.3 運転位置における騒音レベル

定格出力11 kW以上のコンクリートカッタにおいては,運転位置における騒音レベルは,附属書Eの方

法に従って測定する。

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A 8508-5:2008

5.15 輸送及び取扱い

輸送及び取扱いは,JIS A 8508-1の5.19.3及び次による。

− コンクリートカッタの可動部分は,取扱い又は運搬中,いかなるせん断又は切断のリスクをも避ける

よう固定できるか又は取外しできなければならない。

注記 コンクリートカッタの輸送及びつり上げに関する技術的要求事項については,JIS B 9700-2

の5.5.5及び6.5.1a)を参照。

5.16 保全

定期的な保全を要するコンクリートカッタの各部は,容易にアクセスできるよう設計及び配置しなけれ

ばならない。

特に,内燃機関付きコンクリートカッタでは,

− オイルドレンは,使用済みオイルを容易に回収できるよう設計しなければならない。

− 水抜きプラグは,すぐ分かるようでなければならない。

6

使用上の情報

6.1

取扱説明書

コンクリートカッタの取扱説明書は,JIS A 8508-1の7.2及び次による。

− 使用すべき特定のブレードのリスト及びそれらの公称寸法,及びこのリストにない他のブレード(例

えば,丸のこブレード)の使用は許容できないことの忠告

− 新ブレードの最大直径及び機械に取り付け得るブレードの穴の径

− 切削可能な材料のリスト

− 使用可能な追加アタッチメントのリスト及びそれらの特性

− 附属書Eの方法に従って測定した騒音値の情報

− 必要に応じて,現場での機械の積込み,積降し及び運搬のときに,ブレードを取り外せという指示

− ブレードの保管及び取扱いについてのブレード製造業者の要求に関する情報

− 意図した運転員の位置を含む作業場の安全管理体制に関する情報

− 機械本来の特性(回転速度,ブレードの径など)を変えることになるいかなる改造も行ってはならな

いことの警告

− 残留リスクに関する情報

− ブレードの正常な回転をチェックすることの忠告

− ブレード製造業者(供給者)が提供した要領書(取扱説明書)を考慮すべきことの忠告

− ブレードの最大運転速度が,機械の定格軸速度以上で用いてはならないことの警告

− 禁止したい予想される用途についての情報

− 現場では,作業動作及び機械の移動を妨げるおそれのあるすべてのものをきれいに片付けるべきこと

の忠告

− ガードが正しく取り付けられているか検証すべきことの忠告

− 安全のために,きずついた(クラックの入った)ブレードは,交換すべきことの忠告

6.2

予備品リスト

予備品リストには,すべての安全関連予備品(関連あれば油圧ホースも含む。)が,容易に識別できる情

報及びそれが組み込まれる場所の情報とともに表示されていなければならない。

6.3

機械への表示

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8

A 8508-5:2008

機械には,次の事項を表示する。

a) 製造年

b) 定格回転における設定馬力(kW又はワット)

c) 最大運転質量(3.8参照)

d) 次の標識

− ブレードの回転方向(ブレードガード上に矢印で表示)

− 移動の形態でブレードが完全に囲われない機械には,“切削作業中のすべての機械移動は,ブレード

を止めて行わなければならない。”ことを記述した安全標識。

− 必要であれば,現場での機械の積込み,積降し及び運搬の前にブレードを取り外せという要求。

− “取扱説明書を読め”という安全標識。

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A 8508-5:2008

附属書A

(参考)

図解

序文

この附属書は,代表的なコンクリートカッタを参考として示すものであって,規定の一部ではない。

1 フレーム

2 内燃機関又は電動モータ

3 ブレード

4 操作ハンドル

5 ブレードガード

6 ブレード冷却水タンク

7 切削用ガイド

図A.1−手押し式コンクリートカッタ

1 フレーム

2 内燃機関又は電動モータ

3 ブレード

4 操作ハンドル

5 ブレードガード

6 ブレード冷却水タンク

7 切削用ガイド

8 走行用クランク

図A.2−手動走行式コンクリートカッタ

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A 8508-5:2008

1 フレーム

2 内燃機関

3 ブレード

4 走行用クランク(微調整用)

5 ブレードガード

6 油圧昇降レバー

7 切削用ガイド

8 走行速度調整レバー

図A.3−自走式コンクリートカッタ

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附属書B

(規定)

コンクリートカッタ特有の重大な危険源のリスト

序文

この附属書は,コンクリートカッタ特有の重大な危険源のリストについて規定する。

コンクリートカッタに直接係る重大な危険源のリストは,JIS A 8508-1の附属書1及び表B.1による。

表B.1−コンクリートカッタ特有の危険源のリスト

番号a)

危険源

危険源,危険状態及び危険事象

次の事項から起こる機械的危険源

−機械部品及び加工対象物の

例えば,形状,相対位置,質量及び安定性,質

量及び速度,機械的強度

−機械内部の蓄積エネルギー

例えば,弾力性構成要素(ばね),加圧下の液

体及び気体,真空の影響

押しつぶしの危険源

せん断の危険源

切傷又は切断の危険源

引き込み又は捕そく(捉)の危険源

衝撃の危険源

高圧流体の注入又は噴出の危険源

次による電気的危険源

充電部に人の接触(直接接触)

熱放射,短絡,過負荷などから起こる溶融物の放

出,化学的影響などその他の現象

次の結果を招く熱的危険源

極度の高温若しくは低温の物体,材料に人が接触

し得ることによる火災又は爆発,及び熱源からの

放射によるやけど,熱傷,その他の傷害

次の結果を招く騒音から起こる危険源

聴力喪失(聞こえない),その他の生理的不調(平

衡感覚の喪失,意識の喪失など)

機械類によって処理又は使用される材料及び物質から起こる危険源

有害な液体,気体,ミスト,煙霧及び粉じん(塵)

との接触又はそれらの吸入による危険源

火災又は爆発の危険源

附属書C,

附属書D,

附属書E

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A 8508-5:2008

表B.1−コンクリートカッタ特有の危険源のリスト(続き)

番号a)

危険源

例えば次の項目から起こる危険源のように,機械類の設計時に人間工学原則の無視から起こる危険源

ヒューマンエラー及び人間挙動

安全の組込み原則の無視

不適切なガード及び防護装置

調整,補修及び保守整備場所並びにそれらへの接

近の不適切な設計

危険源の組合せ

次の事項から起こる予期しない始動,予期しない超過走行/超過速度(又は何らかの類似不調)

制御システムの故障/混乱

動力源の故障

留め具のエラー

移動性による追加の危険源,危険状態及び危険事象

走行機能に関連したもの

エンジン起動時の移動

走行機能

減速,停止及び固定するための機械能力が不十分

制御システムによるもの

エネルギー及び制御回路の不適切な設計

手動制御器の不適切な配置

手動制御器及びその運転モードの不適切な設計

機械の取扱いから起こるもの(安定性の欠如)

動力源及び動力伝達装置によるもの

エンジン及びバッテリから起こる危険源

救出,輸送,つり上げ及びけん引から起こる危険

第三者から起こる又は第三者に及ぼす危険源

停止位置からのずれ動き

視覚又は聴覚警告手段が欠如又は不適切

運転者/オペレータに対する指示が不十分(取扱

説明書,標識,警告及び表示)

注a) 番号はJIS A 8508-1の附属書1参照。

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A 8508-5:2008

附属書C

(規定)

ブレードガードの強度

序文

この附属書は,ブレードガードの強度について規定する。

C.1 一般

ガードの強度は,製造に使用する材料の種類及び厚さによる。

ガードの周縁部及び側面部(図C.1参照)の最小厚さは,事故が起きて飛び出してくるブレードの破片

の運動エネルギー及び遭遇する最悪の状態を考慮して,C.2.1に示す式に基づいて決めなければならない。

記号

1 周縁部

2 側面部

3 ブレード

図C.1−ブレードガード

C.2 ガードの仕様

C.2.1 ブレードの破片の典型的な値

事故による破損の場合は,一般的に二つの溝間の切削される材料の干渉[同様に鋼製基板の破片,部分

(図C.2参照)]によって起こることが経験的に分かっている。

記号

D1 ブレードスロット底部の径

D2 ブレード外径

図C.2−ブレードの典型的な破断の例

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A 8508-5:2008

ブレードの破片の典型的な値は,次による(図C.3の数値を用いた計算)。

− 周縁部の密度 : 10 g/cm3

− 鋼製基板の密度 : 7.8 g/cm3

− ダイヤモンドセグメントの体積: 4.9×1×0.5=2.45 cm3

− ダイヤモンドセグメントの質量: 2.45×10=24.5 g

− 鋼部分の体積 : 5.0×1.4×0.28=1.96 cm3

− 鋼部分の質量 : 1.96×7.8=15.288 g

− 破片の総質量 : 24.5+15.288=39.788 g

− 力

: 0.39 N

単位 mm

図C.3−ブレードの典型的な破断による破片の例

C.2.2 ブレードの破片の運動エネルギーの計算は,式(C.1)による。

(

)

×

V

··········································· (C.1)

(

1

Q

)

E

trans(max)

.1

051

×

k

×

m

×

ここに,

2

2

2

k: 0.75,切削する材料と破片との干渉による破断効果を考慮した

係数

m: 破片の重力(図C.3参照)(N)

Q: D1/D2(図C.2参照)

V : ブレードの周速 (m/s)

C.2.3 材料ごとのガード周縁部の最小厚さ (tp) を決める計算は,式(C.2)〜(C.6)による。

鋼板 :

tp =0.4 Etrans(max)0.37

(mm) ·················································· (C.2)

鋳造板:

tp =0.57 Etrans(max)0.37 (mm) ·················································· (C.3)

鋳鉄板:

tp =0.92 Etrans(max)0.37 (mm) ·················································· (C.4)

精錬アルミ合金板:

tp =0.7 Etrans(max)0.37

(mm) ·················································· (C.5)

鋳造アルミ合金板:

tp =1.8 Etrans(max)0.37

(mm) ·················································· (C.6)

他の材料については,経験則を用いてもよい。

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A 8508-5:2008

C.2.4 ガード側面部の最小厚さ (tL) を決める計算は,式(C.7)による。

t

L

/P

t

.0

75 ············································································ (C.7)

注記 計算で得られた厚さの値は,整数又は0.5 mm単位で丸めるのがよい。

C.2.5 鋼板(JIS G 3101のSS400)で製作したガードの最小厚さの例

表C.1の値を,鋼板(JIS G 3101のSS400),又は強度及び弾性の両方ともより高い特性をもつ鋼板で製

作するガードに適用する。

表C.1

単位 mm

D2 :ブレードの公称径

tP :ガード周縁部の最小厚さ

tL :ガード側面部の最小厚さ

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A 8508-5:2008

附属書D

(規定)

ブレードのフランジ寸法

序文

この附属書は,ブレードのフランジ寸法について規定する。

D.1 一般

フランジは,それによって効率のよい駆動及びブレードの保守ができるよう,次に示す寸法仕様を満足

しなければならない。

記号

D1

ブレードの外径

D2

ブレードの穴径

S

フランジの外径

R

接触面の幅

T

フランジのすき間深さ

図D.1−ブレード用フランジの寸法

D.2 ブレードの直径の比率

この附属書で示すフランジ外径の最小寸法は,ブレードの外径D1と穴径D2との比率が次の条件を満足

するときに適用される。

D2≧0.012D1

D.3 フランジ外径の最小値S

S≧0.1D1

D.4 ブレードとの接触面の幅R

R=10〜16 mm

D.5 フランジのすき間深さT

S≦100 mm のとき T=0.5 mm

S>100 mm のとき T=1 mm

5.00+mm

5.00+mm

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A 8508-5:2008

附属書E

(規定)

騒音値の測定方法

序文

この附属書は,コンクリートカッタの動的運転状態における運転位置での騒音レベルの測定方法につい

て規定する。

E.1

測定環境及び測定機器

測定環境及び測定に使用する機器は,建設省告示第1537号“建設機械の騒音及び振動の測定値の測定方

法”による。

E.2

運転員

運転員の身長は,JIS A 8315に規定する小柄運転員 (1 550mm) 及び大柄運転員 (1 880 mm) の範囲内と

する。

E.3

マイクロホン

マイクロホンの位置,取付け,振動・反射音に対する配慮などは,JIS A 8317-2の6.4による。

E.4

機械の仕様及び運転

機械の仕様及び運転は,建設省告示第1537号“建設機械の騒音及び振動の測定値の測定方法”による。

E.5

音響測定及び測定結果の算出

音響の測定及び測定結果の算出は,正常な運転状態(少なくとも起動後10分間待つ。)になったときに,

JIS A 8317-2の8. 及び9. によって行う。

1回の測定時間は,30秒以上とする。

E.6

記録すべき情報

試験報告書は,最小限次の情報を含まなければならない。

− 供試機械の製造業者名,形式名,製造番号及び製造年

− 測定場所,地表面の種類,機械の配置,気温,気圧,湿度及び風速

− 使用した測定機器の名称,形式名,製造番号,製造業者名及び測定システムの校正方法,校正日

− 機械の仕様,ブレードサイズ,ブレードの最大運転速度,移送速度,切削物の種類など

− マイクロホンの位置,ヘルメットなどの在否,計測した各等価騒音レベル,マイクロホン位置での暗

騒音レベル,JIS A 8317-2の9. による等価騒音レベル(四捨五入して整数に丸めた値)

この騒音測定方法及び/又は参照した規格のすべての要求事項を満たしたこと,及び,あれば,満たせ

なかった要求事項を明確にし,その要求事項からの変更及び技術的検証を記述しなければならない。

E.7

情報の開示

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。

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A 8508-5:2008

製造業者は,その測定方法とともに,次の騒音放射値を取扱説明書などに開示しなければならない。

− 運転位置における運転員耳元騒音レベルが,70 dB(A)より大きい場合のA特性放射音圧レベル。その

レベルが70 dB(A)より低い場合は,その事実を示さなければならない。

− 運転位置におけるA特性放射音圧レベルが85 dB(A)以上の場合,機械のA特性音響パワーレベル

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。

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A 8508-5:2008

参考文献

JCMAS H 014 建設機械−安全標識

建設省告示第1537号 建設機械の騒音及び振動の測定値の測定方法