2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
H 8200:2006
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本溶射協会(JTSS)
/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日
本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS H 8200:1998は改正され,この規格に置き換えられる。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
H 8200:2006
目次
ページ
1. 適用範囲 ····················································································································· 1
2. 分類 ··························································································································· 1
3. 定義 ··························································································································· 1
a) 一般 ··························································································································· 1
b) 材料及び設備 ·············································································································· 5
c) 前処理 ························································································································ 9
d) 施工 ························································································································· 10
e) 後処理 ······················································································································· 12
f) 検査及び試験 ·············································································································· 12
g) 安全衛生 ···················································································································· 17
(2)
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日本工業規格
JIS
H 8200:2006
溶射用語
Thermal spraying terms
1. 適用範囲 この規格は,溶射に関する主な用語及び定義について規定する。
2. 分類 溶射用語は,次の7部門に分類する。
a) 一般
b) 材料及び設備
c) 前処理
d) 施工
e) 後処理
f)
検査及び試験
g) 安全衛生
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
なお,参考のために対応英語を示す。
備考1. 用語の一部に丸括弧“( )“を付けてある場合は,丸括弧の中の用字を含める用語と,丸括
弧の中の用字を省略した用語の二通りあることを示す。
2. 用語の読みが紛らわしいものについては,用語の下に括弧で読みを示す。
a) 一般
番号
用語
定義
対応英語(参考)
溶射
燃焼又は電気エネルギーを用いて溶射材料を溶融
又はそれに近い状態にした粒子を基材に吹き付け
て皮膜を形成すること。
ガス式溶射
酸素と可燃性ガスとの燃焼炎又は爆発のエネルギ
ーを用いて行う溶射の総称。ガス式溶射には,フ
レーム溶射及び爆発溶射がある。
フレーム溶射
酸素と可燃性ガスとの燃焼炎を用いて線状,棒状
又は粉末状の溶射材料を加熱し,溶融又はそれに
近い状態にして基材に吹き付けて皮膜を形成する
溶射。溶射粒子の加速に圧縮空気のジェットを用
いる場合がある。フレーム溶射には,溶線式フレ
ーム溶射,溶棒式フレーム溶射,粉末式フレーム
溶射及び高速フレーム溶射がある。
溶線式フレーム溶射
溶棒式フレーム溶射
粉末式フレーム溶射
線状の溶射材料を用いて行うフレーム溶射。
棒状の溶射材料を用いて行うフレーム溶射。
粉末状の溶射材料を用いて行うフレーム溶射。
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2
H 8200:2006
番号
用語
定義
対応英語(参考)
高速フレーム溶射
燃焼炎を熱源とするフレーム溶射法の一種。燃焼
室の圧力を高めることによって,連続燃焼炎であ
りながら爆発炎に匹敵する高速火炎を発生させ
る。
爆発溶射
電気式溶射
溶射ガンの中で酸素と可燃性ガス(アセチレンな
ど)との混合ガスの爆発エネルギーを用い,高速
で溶射材料を基材に吹き付けて皮膜を形成する溶
射。
電気エネルギーを用いて行う溶射の総称。
電気式溶射には,アーク溶射,プラズマ溶射及び
線爆溶射,レーザ溶射がある。
アーク溶射
2本の金属ワイヤ(溶射材料)の間にアーク放電
を発生させ,この放電エネルギーで金属ワイヤを
溶融し、圧縮空気によって微粒化した溶射材料を
基材に吹き付けて皮膜を形成する溶射。
プラズマ溶射
不活性ガスを通電し、発生させたプラズマジェッ
トを用いて溶射材料を基材に吹き付けて皮膜を形
成する溶射。溶射材料は,主として粉末状である。
プラズマ溶射には,作動ガスにアルゴン,ヘリウ
ム,窒素,水素などを用いる方式と,水の熱分解
によって生じる酸素イオン及び水素イオンを用い
る水プラズマ溶射とがある。
水プラズマ溶射
プラズマ溶射ガンの中に供給した水がアークによ
る熱分解によって生じる酸素イオンと水素イオン
を作動ガス体とするプラズマ溶射。
線爆溶射
線状の金属の溶射材料を瞬間的通電によって爆発
的に溶融,飛散させ,その微粒子を基材に吹き付
けて皮膜を形成する溶射。
レーザ溶射
減圧溶射
レーザを熱源とする,ロッド,ワイヤ形状の材料
を用いた溶射。
大気圧より低い圧力の雰囲気中で行う溶射。
亜鉛溶射
アルミニウム溶射
溶射材料に亜鉛を用いて行う溶射。主として,鉄
鋼構造物の防食の目的で用いる (JIS H 8300参
照) 。
溶射材料にアルミニウムを用いて行う溶射(JIS H
8300参照)。主として,鉄鋼構造物の防食の目的
で用いる。
亜鉛−アルミニウム合
金溶射
溶射材料に亜鉛−アルミニウム合金を用いて行う
溶射(JIS H 8300参照)。主として,鉄鋼構造物の
防食の目的で用いる。
アルミニウム−マグネ
シウム合金溶射
溶射材料にアルミニウム−マグネシウム合金を用
いて行う溶射(JIS H 8300参照)。主として,鉄鋼
構造物の防食の目的で用いる。
肉盛溶射
基材の摩耗した部分及び寸法不足の部分に寸法回
復を目的として盛り上げる溶射(JIS H 8302参
照)。
自溶合金溶射
溶射材料に自溶合金を用いて行う溶射(JIS H 8303 self-fluxing alloy spraying
参照)。主として鉄鋼材料に対し耐摩耗性,耐食性,
耐熱性などを付与する目的で用いる。
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3
H 8200:2006
番号
用語
定義
セラミック溶射
サーメット溶射
プラスチック溶射
酸化アルミニウム溶射
酸化アルミニウム・酸化
チタン溶射
溶射材料にアルミニウムの酸化物(アルミナ)と
チタンの酸化物(チタニア)との混合物及びアル
ミニウムとチタニウムとの化合物の酸化物並びに
これらの複合物を用いて皮膜を形成する溶射。
酸化チタン溶射
溶射材料にチタンの酸化物(チタニア)を用いて
皮膜を形成する溶射。
酸化クロム溶射
スピネル溶射
酸化ジルコニウム溶射
金属溶射
防食溶射
防せい溶射
内面溶射
複合溶射
耐摩耗溶射
耐食溶射
補修溶射
耐熱溶射
損傷した物(部品)などに溶射皮膜を形成するこ
とで復元する溶射。
耐熱性のある皮膜を形成する目的で行う溶射。
高温酸化防止溶射
高温酸化を防止する目的で行う溶射。
耐熱衝撃溶射
耐熱衝撃性に優れる皮膜を形成する溶射。
断熱溶射
ガス透過溶射
断熱性のある皮膜を形成する目的で行う溶射。
絶縁溶射
電気絶縁性に優れる皮膜を形成する目的で行う溶
射。
対応英語(参考)
溶射材料にセラミックスを用いて行う溶射(JIS H ceramic spraying
8304参照)。主として,機械部品に対し耐摩耗性,
耐熱性,断熱性,耐食性などを付与する目的で用
いる。
溶射材料に金属とセラミックスとを成分とする材
料を用いて行う溶射(JIS H 8306参照)。
溶射材料にプラスチックを用いて行う溶射(JIS K plastic spraying
6766参照)。
溶射材料にアルミニウムの酸化物(アルミナ)を
用いて皮膜を形成する溶射。
溶射材料にクロムの酸化物(クロミア)を用いて
皮膜を形成する溶射。
溶射材料にスピネル構造(アルミナ+マグネシア)
をもつ材料を用いて皮膜を形成する溶射(JIS H
8304参照)。
溶射材料にジルコニウムの酸化物(ジルコニア)
の溶射材料を用いて皮膜を形成する溶射。
溶射材料に金属を用いて皮膜を形成する溶射。
基材金属が腐食されるのを防止する目的で行う溶
射。
基材金属にさびが発生するのを防止する目的で行
う溶射。
パイプ,シリンダなどの内面などに施工する溶射。 Inside spraying,
2種類以上の溶射材料を同時に溶射して,皮膜を
形成する溶射。
耐摩耗性のある皮膜を形成する目的で行う溶射。
腐食に対して耐久性のある皮膜を形成する目的で
行う溶射。
ガス透過性に優れる多孔性皮膜を形成する目的で
行う溶射。
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4
H 8200:2006
番号
用語
定義
対応英語(参考)
熱伝導溶射
熱伝導性に優れる皮膜を形成する目的で行う溶
射。
電気伝導溶射
電気伝導性に優れる皮膜を形成する目的で行う溶
射。
熱遮へい溶射
基材への熱移行を極小にするための高熱放射率を
もつ皮膜を形成する目的で行う溶射。
傾斜組成溶射
皮膜の応力緩和を図るために熱膨張係数の異なる
溶射材料の組織を傾斜的に配分させた構造の溶
射。漸変溶射ともいう。
溶射成形
離型剤を塗布した型の上に形成した溶射皮膜を型
から分離し成形物にする溶射。
プラズマジェット
気体放電で生じたプラズマをノズルから噴出させ
て作る高温・高速のガス気流。
素地
(そじ)
溶射にあっては,基材の溶射被覆を施す面。被溶
射面ともいう。
溶射粒子
未溶融粒子
粒度
溶融又はそれに近い状態で吹き付けられる溶射材
料の粒子。
溶射熱源中で,完全に溶融していない粒子。
溶射皮膜
塗装用下地溶射皮膜
鉄鋼基材の長期間の防せい・防食効果を維持する
ために塗装の下地として施す溶射皮膜。
酸化皮膜
金属,合金表面の酸化現象によって形成される皮
膜。
ボンドコート
溶射皮膜の密着性の向上を目的として形成する皮
膜。アンダコートの一種。
アンダコート
粒子間結合度
投びょう効果
合金層
2層以上の溶射皮膜を形成する場合,その最下層 undercoat
の皮膜。皮膜の密着性の向上,皮膜の厚さの確保,
基材の保護などの目的で施す。下地溶射皮膜とも
いう。
溶射皮膜を構成している粒子が結合している度合
い。
溶射粒子が基材の粗面に機械的にかみ合うことに
よって,皮膜と基材との密着度を向上させる働き。
溶射又はその後の熱処理などによって,溶射皮膜
と基材との境界に生成された合金の層。
付着量
付着力
単位面積当たりに形成された溶射皮膜の質量。
溶射皮膜が基材と結合している力。
密着性
溶射皮膜が基材と結合する性質。
密着度
中間層
溶射皮膜が基材と結合している度合い。
トップコート
試験用ふるい又は他の適切な方法で測定したグリ
ットなどの粉体材料の粒の大きさ(JIS Z 2500参
照)。
溶射によって形成された皮膜。
アンダコートとトップコートとの間に形成する皮
膜。
2層以上の溶射皮膜を形成する場合,その最上層
の皮膜。
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5
H 8200:2006
番号
用語
定義
対応英語(参考)
溶着金属
拡散浸透層
溶射によって基材に溶着した金属皮膜
アブレイダブル皮膜
被削性に優れた溶射皮膜の総称。部品間の間隔調
整の目的で用いる。
溶射溶着
溶射した後,溶射皮膜を再溶融し基材と溶着させ
ること。
溶さい(滓)の付着
自溶合金溶射皮膜の溶融処理後,無水けい(硅)
素,けい(硅)素その他からなる酸化物(のろ)
の付着。
溶射有効面
溶射加工品
溶射皮膜において用途上重要な面。
溶射皮膜を形成する品物又は部品。
溶射加工品仕様書
溶射した品物を加工する手段,方法,品質などを
定めた仕様。
溶射加工品規格
溶射した品物及び部品の形状,材質,方法などを
定めた規格。
マスキング
溶射加工時,加工指定部以外に溶射粒子の付着防
止及びブラストによる基材の損傷を保護するため
に,覆いをすること。
気孔
溶射皮膜に含まれる空げき(隙)。開口気孔と密閉
気孔とがある。
開口気孔
溶射皮膜に含まれる気孔で,外部に通じているも
の。
密閉気孔
気孔率
腐食生成物
溶射皮膜に含まれる気孔で,皮膜内に閉ざされて
いるもの。
溶射皮膜に含まれる気孔の容積百分率。
腐食剤
腐食応力
耐食性
溶射皮膜の各種腐食環境下における耐久性。種々
の試験方法がある。
テルミット反応による
スパーキング
断熱皮膜
皮膜表面で急激に酸化反応が生じることによる発
熱現象。
断熱の目的で形成する皮膜。
溶射した後の熱処理によって溶射皮膜の成分元素
を基材に拡散させた層。
腐食によって生成された物質。通常は固体を指し,
皮膜に付着するか又は環境中に分散する。
亜鉛溶射皮膜に生じる白さびがこの例である。
金属及び合金の構成相を識別するための特殊な化
学試薬。
腐食反応によって生じる応力。
b) 材料及び設備
番号
用語
定義
対応英語(参考)
溶射装置
各種溶射法によって溶射皮膜を形成するための装
置。
溶射ガン
溶射装置の主要部分で,溶射材料を溶融し,噴射
する機構をもつ装置。溶射トーチともいう。
コンタクトチューブ
二本の金属ワイヤ及び圧縮空気を噴射する管を組
み込んだ管。アーク式溶射ガン先端部のノズルに
接続する。
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6
H 8200:2006
番号
用語
定義
対応英語(参考)
ワイヤ供給装置
粉末供給装置
溶射用線材を連続的に安定して溶射ガンに供給す
る装置。
粉末状の溶射材料を溶射ガンに供給する装置。
粉末噴射口
粉末状の溶射材料を供給ガス,又は圧縮空気によ
り,燃焼炎,又はプラズマ炎に向けて噴射する出
口。
溶射材料
溶射に用いる材料。金属,セラミックス,サーメ
ット,プラスチックなどがある。形状には,線,
棒,粉末などがある。
有機溶射材料
エチレン・ハイドロエチレン共重合体,ポリエス
テル又はナイロンの溶射材料。
自溶合金
ニッケル基,クローム基又はコバルト基の合金に
ほう素,けい(硅)素を添加した合金。溶射溶融
によってピンホールのない溶着金属が容易に得ら
れる。この合金は,溶射のままでも用いられる。
酸化物系サーメット
酸化物セラミックスと金属とをち密に組み合わせ
た溶射材料。耐酸化性・耐摩耗性に優れる。
炭化タングステンサー
メット
炭化タングステンにコバルト,ニッケル,クロム
又はイットリアを添加し,粉末とした溶射材料。
耐食性,耐熱衝撃性,耐摩耗性に優れる。熱障壁
目的に用いる材料。
炭化クロムサーメット
炭化クロムに,ニッケル,クロム,アルミニウム
又はイットリウムを添加した溶射材料。耐摩耗性,
耐熱性に優れる。
不可逆変態
複合溶射材料
複合粉末
原子の無拡散変態を行う現象。代表例としてマル
テンサイト変態がある。
2種類以上の材料を組み合わせた溶射材料。
2種類以上の材料を混合した粉末。
焼結粉末
噴霧乾燥粉末
溶融粉砕粉末
コーテッド粉末
単一又は混合粉末を溶融,粉砕分級した粉末。
ゾル・ゲル粉末
ゾル又はゲルの状態から化学合成によって作成さ
れた単一,また,複雑な組成をもつ微粉末。
メカニカル・アロイ粉末 異種の粉末混合物と高硬度球とを入れた密閉容器
を回転,振動させることによって得られる複合粉
末。
ブラスト装置
素地調整を行う装置。加圧式ブラスト装置,吸引
式ブラスト装置及び遠心式ブラスト装置がある
(JIS Z 0310参照)。
遠心式ブラスト装置
ケーシング中の回転翼車にブラスト材料を供給
し,遠心力によって投射し,素地調整を行う装置。
粉体を融点以下,又は一部液相を生じる温度に加
熱し,焼結処理によって結合度を良好にした粉末。
均一に混合した原料粉末を遠心力,また,加圧ガ
スを用いて,加熱室に霧状に噴霧,微粒子化後乾
燥した粉末。
無電解めっきなどを用いて金属を表面にコートし
た粉末。
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7
H 8200:2006
定義
対応英語(参考)
番号
吸引式ブラスト装置
用語
圧縮空気を用いてブラスト材料を吸引して素地調
整を行う装置(JIS Z 0310参照)。
加圧式ブラスト装置
加圧槽のブラスト材料を圧縮空気を用いて素地調
整を行う装置(JIS Z 0310参照)。
バキュームブラスト装
置
加圧槽のブラスト材料を圧縮空気を用いて素地調
整を行う装置に,飛散するブラスト材料を吸引回
収する機能を備えた装置。
ブラスト材料
グリット
ブラストで素地調整を行うための,金属又は非金
属の粒。金属系ブラスト材料には鋳鉄,鋳鋼及び
カットワイヤ,スチルワイヤがある。非金属系に
は天然,人造鉱物がある(JIS Z 0310参照)。
せん鋭なりょう角をもつ粒。
鋳鉄グリット
鋳鋼グリット
カットワイヤ
硬鋼線を寸断して作られたせん鋭な角をもつ粒。
ブラスト材料として用いる。
アルミナグリット
天然又は人造のアルミナ粒。ブラスト材料に用い
る(JIS R 6111参照)(人造アルミナの粒度につい
ては,JIS R 6001参照。)。
炭化けい素グリット
炭化けい素(SiC)を主成分とするブラスト材料(JIS
R 6111参照)(粒度については,JIS R 6001参
照。)。
スラググリット
スラグ(鉱さい(滓))を破砕して作られたグリッ
ト。ブラスト材料に用いる。
銅製錬スラググリット
銅鉱石を製錬する際に生成されるスラグ(鉱さい
(滓))を粉砕した粒(JIS Z 0312参照)。ブラス
ト材料に用いる。
ニッケル製錬スラググ
リット
ニッケル含有鉱石を製錬する際に生成されるスラ
グ(鉱さい(滓))を粉砕した粒(JIS Z 0312参照)。
ブラスト材料に用いる。
白銑鋳鉄を破砕して作られたグリット。ブラスト
材料に用いる(粒度については,JIS Z 0311参照。)。
鋳鋼を破砕して作られたグリット。ブラスト材料
に用いる(粒度については,JIS G 5903参照。)。
スチールグリットともいう。
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8
H 8200:2006
番号
用語
鉄製錬スラググリット
アルマンダイト・ガーネ
ットグリット
溶融物
定義
対応英語(参考)
鉄鉱石を製錬する際に生成するスラグ(鉱さい
(滓))を粉砕した粒(JIS Z 0312参照)。ブラスト
材料に用いる。
ざくろ石種の鉱石を粉砕した粒(JIS Z 0312参
照)。ブラスト材料に用いる。
原料となる鉱石を所定の配合比に混合し,アーク
炉,電気炉で溶融,凝固,粉砕及び粒度調整した
もの。成分組成が均一である。
造粒物
原粒鉱石粉末を所定の配合比に混練し,湿式の状
態で回転粒造したもの。使用に際しガス・水分の
放出がある。
混合物
スピネル
肉盛材料(鋼)
原粒鉱石粉末又は溶融若しくは燒結した後に,粉
砕した粉末を機械的に混合し造粒したもの。
マグネシウムとアルミニウムの複合酸化鉱物。
鋳造ショット
鋳造グリット
鋳造ショットを破砕して作られたグリット。切削
性に優れ,0.2〜3.0 mmの粒度をもつ。
封孔剤
溶射皮膜の開口気孔を充てんする材料。例えば,
エポキシ系樹脂,フェノール系樹脂,シリコン系
樹脂,ワックスなどがある。
試験用ふるい
粉粒体の粒度又は粒度分布を調べるために用いる
ふるい(JIS Z 8801-1参照)。
炭化物
金属と炭素の化合物。高融点,高硬度を示す。炭
化タングステンなど。
非炭化物
金属と窒素,けい素,ほう素などの化合物。高硬
度を示す。
ニッケル−クロム−鉄
合金
ニッケル,クロム,鉄を主成分とするニッケル合
金。耐酸化性・耐食性に優れた特性をもつ合金。
ニッケル−アルミニウ
ム−鉄合金
ニッケル,アルミニウム,鉄を主成分とするニッ
ケル合金。高温度での時効硬化によって高強度を
示す合金。
コバルト−クロム合金
銅−アルミニウム合金
アルミニウム合金
コバルト,クロムを主成分とするコバルト合金。
耐食性,耐酸化性に優れ,肉盛材料として,また,
インプラント材,原子力の蒸気管,バルブ,化学,
食品工業などの目的に使用される合金。
銅,アルミニウムを主成分とする銅合金。表面に
酸化アルミニウム皮膜を生成させることによっ
て,耐酸化性,耐食性に優れ,ボルト,ナット,
熱交換器パーツ肉盛りなどに用いられる合金。
アルミニウムを主成分とする合金。数百種の合金
が報告されているが,添加される元素の種類によ
って,優れた物理的性質,機械的性質,又は電気
化学的性質を示す合金。
c) 前処理
基材に耐摩耗性,耐食性,補修などの目的で溶射
する炭素鋼,低合金鋼,ステンレス鋼,その他の
合金鋼などの材料(JIS H 8302参照)。
粒度1.5〜4.0 mmの溶融鋳鋼を噴霧してえられる
ショット。高炭素鋳鋼ショット及び低炭素鋳鋼シ
ョットがある。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
9
H 8200:2006
番号
用語
定義
対応英語(参考)
前処理
溶射を行う場合,あらかじめ基材の表面に付着し
ている酸化物,油脂などを除去する操作。マスキ
ングの処理も含む(JIS Z 0310参照)。
素地調整
基材の表面に目的とする溶射皮膜が良好に付着す
るよう,基材表面のミルスケール,さびなど付着
に有害な物質を除去し,また,表面に適切な粗さ
を与える処理のこと(JIS Z 0310参照)。溶射作業
の前工程の一つ。
油除去
脱脂と同義。焼結金属など含油性の材質を基材と
した場合は通常の脱脂法では油除去が不可能なた
め火炎処理,蒸気脱脂などが用いられる。
脱脂
基材に付着している油脂性の汚れを除去して清浄
にする操作。
粗面処理
溶射皮膜の密着性を向上させるために,基材に不
規則な凹凸を付ける前処理。ねじ切り法,溝切り
法,ローレット法,スロット法,ブラスト法など
がある(JIS Z 0313参照)。
清浄度
グリットを用いたブラスト処理による表面の標準
的前処理の等級付け。
ブラスト処理
圧縮空気流,遠心力などを用いてブラスト材を基
材の表面に吹き付けて黒皮,酸化物などを除去し
て清浄化すると同時に粗面化する操作(JIS Z 0310
参照)。
グリットブラスト
ブラスト角度
ショットブラスト
ショットピーニング
アンダカット
鋳鉄グリット,鋳鋼グリット,アルミナグリット,
炭化けい素グリットなどの研削剤を圧縮空気,遠
心力などで基材に吹き付けて研削し,表面の清浄
化と同時に粗面化を行うブラスト処理(JIS Z 0310
参照)。
基材に対するブラストノズルの角度。ブラスト角
度は加工能力に影響し,基材の硬さ,研削材の種
類によって相違がある。
鋳鉄ショット,鋳鋼ショットなどの鋼球を遠心力
又はその他の方法で吹き付けて基材表面のスケー
ル,さび,塗膜などを除去し,清浄にするブラス
ト処理。
鋳鉄ショット,鋳鋼ショットなどの鋼球を遠心力,
圧縮空気などで基材表面に吹き付ける方法。ショ
ットブラストと同様な方法。この目的は,基材表
面にショットを打ち付ける冷間加工によって表面
の硬さを高め,疲労強度を増加させる。
溶射作業では,基材の一部を切削すること。密着
性を向上させるために行う。
ねじ切り法
基材に機械的に粗ねじを切り,表面積を拡大する
とともに皮膜の収縮応力を局部的に分断させ,投
びょう効果を増大させる方法。皮膜の密着性を高
める目的で行う粗面処理法。
溝切り法
基材に機械的に溝を切り,表面積を拡大するとと
もに皮膜の収縮応力を局部的に分断させ,投びよ
う効果を増大させる方法。溶射皮膜の密着性を高
める目的で行う粗面処理法。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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H 8200:2006
番号
用語
ローレット法
定義
基材に格子状のギザギザの凹凸を入れる加工を施
して表面積を拡大し,投びょう効果を増大させる
方法。ねじ切り,溝切り加工を併用する場合もあ
る。溶射皮膜の密着性を高める目的で行う粗面処
理法。
対応英語(参考)
スロット法
軸類の端部に軸に対し平行にあり溝加工を施し,
投びょう効果を増大させる方法。溶射皮膜の密着
性を高める目的で行う粗面処理法。
反復移行アーク・表面
清浄化処理
アーク(+)(−)の極性を反復変換させることを
材料表面に加えることによって溶射皮膜の密着性
を高めるための処理。
マスク
ブラスト効果及び皮膜の付着を防止するため基材
の部分に施す覆い。マスク材には再度使用可能な
ものと一回限りのものがある。
d) 施工
番号
用語
定義
対応英語(参考)
溶射条件
溶射距離
溶射速度
単位時間当たりの溶射量。線(棒)送り速度,粉
末供給速度などによる。
線(棒)送り速度
単位時間当たりに溶射ガンに送給される溶射材料
の線(棒)の速度。通常m/minで表す。
粉末供給量
移動速度
単位時間当たり溶射ガンに送給される溶射材料の
粉末の量。通常g/minで表す。
溶射中に溶射ガンが基材に対し通過する速度。
はん送ガス
粉末の溶射材料を粉末供給装置又はホッパから溶
射ガンノズルまで搬送するガス。
爆発ガス
溶射角度
溶射粒子を加熱しながら溶滴を皮膜形成基材に高
速で輸送する目的のガス。
溶射ガンのノズルの軸線と基材とのなす角度。
予熱
密着性を向上させるために溶射に先立ってあらか
じめ基材を加熱する操作。
応力除去
基材を加熱又は冷却処理したとき若しくは機械加
工をしたときに発生した応力を除去すること。
露点
有効面
測定面積
空気中で水蒸気が冷却して,露を結びはじめる時
の温度
溶射皮膜が必要とされる面。
皮膜厚さ試験が必要とされる面積。
加工法
溶射皮膜表面を加工する方法。各種の加工方法が
ある。
滞留時間
溶射粒子が,フレーム又はプラズマジェットの高
温領域を通過する時間。
溶射パターン
溶射帯
溶射粒子が吹き付けられてできた吹き付け模様
(形状,広がりなど)。
1回のパスによって形成された溶射皮膜の広がり。 spray zone
溶射を行う条件。溶射ガン種類,作動条件,溶射
距離,溶射角度などが含まれる。
溶射ガンのノズル先端から基材までの距離。
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H 8200:2006
番号
用語
定義
対応英語(参考)
パス
溶射ガン又は基材の運行方向に沿って行う1回の
溶射操作。
死角
基材の構造又は形状によって,溶射粒子が到達し
得ず溶射ができない範囲。
過熱
基材及び溶射皮膜に対してはく離,クラック,酸
化などの悪影響を及ぼす温度以上に加熱させるこ
と。過熱を避けるには,通常,基材へのエアジェ
ットの吹き付け, 溶射ガンの移動速度又は溶射ガ
ンと基材との距離を調節することで基材温度を制
御する。
炭化水素系ガス
溶射フレーム
ガス式溶射の熱源として用いられる可燃性ガスの
うち,炭化水素を主成分とするもの。アセチレン,
プロパンなどが代表的である。
溶融された溶射粒子(溶滴)が微細化,加速され,
溶射ガン先端から,連続的に噴射されている形態
のフレーム。通常の溶射フレームは高速で,でき
るだけ中心に収束,集中された正規分布の円すい
形状態であることが望ましい。
e) 後処理
番号
用語
定義
対応英語(参考)
後処理
溶射の後工程として使用目的に適するように溶射
皮膜に施す処理。封孔処理,加熱拡散処理,自溶
合金皮膜に対するフユージングなどがある。
封孔処理
溶射皮膜の開口気孔に封孔剤を浸透させて気孔を
充てんし,皮膜の化学的性質及び物理的性質を改
善する処理。
耐熱封孔処理
溶射皮膜の開口気孔に耐熱性のある封孔剤を浸透
させて気孔を充てんし,皮膜の耐熱性を改善する
処理。
加熱拡散処理
熱処理によって溶射皮膜と基材との境界部に拡散
層を形成させる処理。拡散層の形成によって皮膜
のち密性,密着性が向上し,耐食性,耐熱性など
が高められる。
りん酸塩処理
リン酸及び可溶性リン酸塩を主体とする水溶液で
溶射皮膜表面に不溶性のりん酸塩皮膜を作る処
理。
フュージング
溶射において皮膜を溶融し基材と溶着させる処
理。
オーバーフューズ
電磁誘導加熱法
デブリス
レーザビーム加熱法
自溶合金溶射皮膜のフュージングの際,所定温度
以上に加熱すること。結果として,収縮孔の発生,
硬さの低下など皮膜の品質を低下させる。
誘導加熱コイルに電流が流すと磁力線が発生し、
この磁力線の変化によって引き起こされる渦電流
によって加熱する方法。
機械加工の際に生じる屑,及び溶射中に発生する
微小粉じん。
レーザ照射による溶射皮膜などの加熱溶融法。
f)
検査及び試験
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H 8200:2006
番号
用語
定義
対応英語(参考)
外観検査
溶射皮膜の欠陥の有無を目視によって調べる検
査。
きめ
溶射皮膜の表面の目視,手ざわりなどによる感覚
的な粗さ状態。
焼け
溶射皮膜の表面の色調が,熱によって著しく変化
している状態。
膨れ
割れ
スパッタ
溶射皮膜が基材又はアンダコートから若しくは皮
膜内で局部的に浮いている状態。
溶射皮膜に生じるき裂。
浮き上がり
溶射皮膜が基材又はアンダコートから若しくは皮
膜内で浮いている状態。
気泡
自溶合金溶射皮膜のフュージングの後,皮膜内に
残留する穴。
ピンホール
有孔度
密着強さ
溶射皮膜を貫いて基材まで達する微細孔。
溶射皮膜のピンホールの数,大きさなどの度合い。 degree of porosity
溶射皮膜が基材と結合している強さ(JIS H 8402 adhesion strength,
参照)。
溶射加工品検査
溶射加工品規格,溶射加工品仕様書に基づいて行
う検査。
外観限度見本
外観試験
溶射皮膜の表面状態を判定するための比較用見
本。
溶射面の欠陥の有無を調べる試験。
層間はく離
未溶融組織
色合い
溶射材料の一部が微粒子化されないまま皮膜表面
に付着した粒。
層状に形成された溶射皮膜が層間ではく離する現
象(JIS H 8402参照)。
未溶融の粒子が存在している皮膜の組織。
溶射皮膜の表面の色調。
溶さい(滓)
自溶合金溶射の溶着において,Si,Bがほうけい
酸ガス質を形成して酸化物をスラグ化し,皮膜面
に浮上し付着したもの。
皮膜引張強さ
溶射皮膜そのものの引張強さ。基材に平行方向及
び垂直方向の皮膜引張り強さがある(JIS H 8402
参照)。
皮膜内破断
溶射皮膜の内部において生じる破断(JIS H 8402
参照)。
最小皮膜厚さ
基材の断面曲線の山頂と溶射皮膜表面の断面曲線
の谷底との高さの差(JIS H 8401参照)。
平均厚さ
中心線間皮膜厚さ
数点で得られた測定値の算術平均値。
凸部間皮膜厚さ
基材の断面曲線山頂と溶射皮膜表面の断面曲線の
山頂との高さの差(JIS H 8401参照)。
皮膜硬さ
表面硬さ
断面硬さ
溶射皮膜の硬さ。表面硬さ[(6026)参照]及び
断面硬さ[(6027)参照]がある。
溶射皮膜の表面の硬さ。
溶射皮膜の断面の硬さ。
表面粗さ
基材又は溶射皮膜の表面の凹凸の状態(JIS B
0601,JIS Z 0313参照)。
基材の断面曲線の中心線と溶射皮膜表面の断面曲
線の中心線との距離(JIS H 8401参照)。
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H 8200:2006
番号
用語
皮膜厚さ試験
定義
対応英語(参考)
測微器試験
マイクロメータ測定法
顕微鏡断面測定法
膜厚計試験
磁力式膜厚計測定法
渦電流式膜厚計
測定法
触針走査式膜厚測定法
基材の断面曲線と溶射皮膜表面の断面曲線とから
皮膜厚さを測定する方法(JIS H 8401参照)。
耐食性試験
溶射皮膜の耐食性を調べる試験。浸せき試験,耐
食塩水性試験,塩水噴霧試験,暴露試験などがあ
る。
耐薬品性試験
溶射皮膜の耐薬品性を調べる試験(JIS H 8664参
照)。
浸せき試験
溶射された試料を試験液中に浸して皮膜のさび,
膨れ,はく離などの状態を調べる試験
(JIS H 8664参照)。
塩水噴霧試験
溶射された試料を食塩水の噴霧中に暴露して,さ
び,膨れ,はく離などの状態を調べる試験
(JIS Z 2371参照)。
耐食塩水性試験
溶射された試料を食塩水中に浸して皮膜のさび,
膨れ,はく離などの状態を調べる試験。
有孔度試験
溶射皮膜の貫通気孔の有無を調べる試験。耐食性,
電気絶縁性などの評価に用いる。フェロキシル試
験及び高圧放電試験がある(JIS H 8666参照)。
溶射皮膜の厚さを測定する試験。測微器試験,膜
厚計試験,顕微鏡断面測定法,触針走査式測定法,
磁力式試験及び過電流式試験がある(JIS H 8401
参照)。
測微器(マイクロメータ,ノギスなど)を用いて
皮膜厚さを測定する方法(JIS H 8401参照)。
マイクロメータを用いて皮膜厚さを測定する測微
器試験方法。
皮膜の垂直断面を顕微鏡を用いて観察し皮膜厚さ
を測定する方法(JIS H 8401参照)。
膜厚計を用いて皮膜厚さを測定する方法。
磁力式膜厚計測定法及び過電流式膜厚計測定法が
ある。
磁力式膜厚計を用いて皮膜厚さを測定する方法。
電磁膜厚計測定法及び磁気膜厚計測定法がある。
基材が磁性材料で皮膜が非磁性材料である場合に
適用する(JIS H 8401参照)。
渦電流式膜厚計を用いて皮膜厚さを測定する方法
(JIS H 8401参照)。
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H 8200:2006
番号
用語
定義
対応英語(参考)
フェロキシル試験
ヘキサシアノ鉄(Ⅱ)酸化カリウム,ヘキサシア
ノ鉄(Ⅲ)酸化カリウム及び塩化ナトリウムの混
合溶液に浸した試験紙を溶射皮膜の表面にはり付
けて,皮膜の有孔度を調べる試験( JIS H 8666参
照)。
高圧放電試験
溶射皮膜(主としてセラミックス及びプラスチッ
ク)の表面と基材との間に高電圧を加え,火花放
電発生の有無によってピンホ−ルの存在を調べる
試験(JIS H 8666参照)。
耐熱性試験
加熱試験
熱衝撃試験
密着性試験
密着強さ試験
加熱はく離試験
グリッド試験
顕微鏡断面試験
溶射皮膜の耐熱性を調べる試験。加熱試験がある。
(JIS H 8664参照)。
溶射された試料を加熱して,さび,スケール,
割れ,はく離などの発生状態を調べる試験。溶射
皮膜の耐熱性を調べる試験(JIS H 8664参照)。
溶射された試料を急熱・急冷して皮膜の割れ,は
く離などの状態を調べる試験(JIS H 8666参照)。
溶射皮膜の密着性を調べる試験。加熱はく離試験,
けい線試験,曲げ試験,打撃試験,グリッド試験
及び顕微鏡断面試験がある。
溶射皮膜の密着強さを調べる試験(JIS H 8666参 adhesion strength test,
照)。
溶射された試料を加熱後空冷し,皮膜と基材との界 heat cycle test for peeling
面に生じる膨れ,はく離などを調べる試験。セラ
ミック溶射皮膜の密着性を調べるときに用いる
(JIS H 8666参照)。
溶射された試料の皮膜を鋭利な刃物で,基材に達
するように一定の格子状に切断し,その表面に粘
着テープをつめで強く押し付けた後,テープの端
を素早く垂直に引き離して,皮膜の密着性を調べ
る試験(JIS H 8300参照)。
顕微鏡を用いて溶射皮膜の断面を観察し,皮膜の
厚さ,組織,欠陥,密着状態などを調べる試験。
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H 8200:2006
番号
用語
定義
対応英語(参考)
粒子間結合度試験
溶射皮膜を構成している粒子と粒子とが結合して
いる度合いを試験する方法。ブラスト衝撃試験方
法で求めたブラスト衝撃値で判定する(JIS H 8664
参照)。
かさ比重試験
溶射皮膜のかさ比重を調べる試験(JIS H 8664参
照)。
飽水試験片
かさ比重試験を行うための試験片。製品又は製品
を代表できるものから,はく離した皮膜を試験片
とする。
表面温度計
加熱された基材,溶射皮膜表面などの表面温度を
測定できる温度計。
加熱用試験片受皿
セラミック溶射皮膜試験方法で加熱はく離試験及
び熱衝撃試験で用いる試験片を置くステンレス鋼
製金網又はステンレス鋼製枠で作った受け皿。
引張用ジグ
溶射皮膜の密着強さ試験を行う引張試験機の試料
つかみ具(JIS H 8402参照)。
破断面
溶射皮膜の密着強さ試験を行ったときの皮膜のは
く離した素地側の面。
皮膜断面の組織
溶射皮膜の断面組織。断面を調べることによって
皮膜厚さ,溶射粒子の均等性,未溶融粒子,欠陥
の有無,有害な異物の存在などを知ることができ
る。
顕微鏡断面組織試験
金属組織用顕微鏡を用いて,溶射皮膜の断面の組
織を観察する試験。
かさ比重
はく離した溶射皮膜の乾燥質量を飽水試験片の質
量と水中質量との差で除した数値。
溶射加工品の表示
溶射加工品の最終検査に合格したものに付ける加
工品規格及び加工品仕様書の規定項目。
流動性
レーザビーム散乱法
粉末の流動・移動のし易さを表す性質。
拡散特性試験
有せい(錆)度
応力(腐食)割れ
流体中での粒子の拡散沈降量を測定し,粒度分布
を測る試験。
溶射皮膜表面のさびの発生度合い。
溶射皮膜に応力と腐食環境の相互作用でき裂が
暴露試験
流動する混在微小粒子に,レーザを照射した際に
生じる散乱光のドップラー周波数から,粒度を測
定する方法。
発生し、そのき裂が時間と共に進展する現象。
溶射を施した試料を屋外に暴露して,自然環境に
おける皮膜のさび,膨れ,はく離などの状態を調
べる試験。屋外暴露試験又は耐候試験ともいう
(JIS K 5600-1-7参照)。
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H 8200:2006
番号
用語
定義
対応英語(参考)
ブラスト衝撃試験
溶射された試料の表面に人造研削材を加圧した空
気を吹き付けたときの皮膜の質量又は容積の減少
量からブラスト衝撃値を求める試験
(JIS H 8664参照)。
ブラスト衝撃値
溶射皮膜の粒子間結合度を求めるための値。
ブラスト衝撃値=1/体積減量×0.040 4
(JIS H 8664参照)。
比較用標準表面
ブラストされた基材の表面粗さ及び清浄化を判定
するための比較用表面。
引張強さ
溶射した試験片を引張試験によって引張ったとき
の基材と溶射皮膜の強さ。
次の式によって算出する。
ここに,
引張強さ
P: 破断荷重
A: 溶射皮膜の断面積
g) 安全衛生
番号
用語
定義
対応英語(参考)
安全衛生対策
溶射事業場,作業現場などで労働者及び第三者に
被害及び災害が発生しないような教育,環境・設
備などの方策。
有機溶剤中毒
封孔剤に含まれる有機溶剤を吸引するなどによっ
て,皮膚,粘膜,中枢神経,末梢神経,造血器,
内臓障害などを発生させる現象。
一酸化炭素中毒
溶射作業中に可燃性ガスが不完全燃焼によって生
じる,一酸化炭素が原因で発生する急性中毒。
酸素欠乏
通常の大気中酸素の濃度より少ない空気状態。開
口部の少ない作業場・閉そく状態又は閉そく状態
に近いタンク内・地下室などの換気が不十分な場
所で溶射作業を行った際に起こりやすい状態。
粉じん
フューム(ヒューム)
ブラスト処理,又は溶射の際に発生する微細な粒
子
溶射中に溶射材料が加熱されて発生する煙霧。
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H 8200:2006
関連規格 JIS B 0601 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状
パラメータ
JIS G 5903 鋳造ショット及びグリット
JIS H 8300 亜鉛・アルミニウム及びそれら合金の溶射
JIS H 8302 肉盛溶射(鋼)
JIS H 8303 自溶合金溶射
JIS H 8304 セラミック溶射
JIS H 8306 サーメット溶射
JIS H 8401 溶射皮膜の厚さ試験方法
JIS H 8402 溶射皮膜の引張密着強さ試験方法
JIS H 8664 肉盛溶射(鋼)製品試験方法
JIS H 8666 セラミック溶射皮膜試験方法
JIS K 5600-1-7 塗料一般試験方法−第1部:通則−第7節:膜厚
JIS K 6766 金属表面のポリエチレン皮膜試験方法
JIS R 6001 研削といし用研磨材の粒度
JIS R 6111 人造研削材
JIS Z 0310 素地調整用ブラスト処理方法通則
JIS Z 0311 ブラスト処理用金属系研削材
JIS Z 0312 ブラスト処理用非金属系研削材
JIS Z 0313 素地調整用ブラスト処理面の試験及び評価方法
JIS Z 2371 塩水噴霧試験方法
JIS Z 2500 粉末や(冶)金用語
JIS Z 8801-1 試験用ふるい−第1部:金属製網ふるい