2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。

K 6238-2:2009

ページ

序文 ··································································································································· 1

1 適用範囲························································································································· 1

2 引用規格························································································································· 1

3 原理······························································································································· 2

4 試薬······························································································································· 2

5 装置及び器具 ··················································································································· 2

5.1 自動赤外線乾燥熱重量測定装置 ························································································ 2

6 試験試料の準備 ················································································································ 2

7 手順······························································································································· 2

7.1 一般事項 ······················································································································ 2

7.2 A法:時間終点法 ·········································································································· 4

7.3 B法:監視時間当たりの質量変化量終点法 ·········································································· 4

7.4 揮発分の計算 ················································································································ 4

8 精度······························································································································· 5

9 試験報告························································································································· 5

附属書A(参考)自動赤外線乾燥熱重量測定装置及び測定条件例··················································· 6

附属書B(参考)精度 ··········································································································· 8

(1)

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K 6238-2:2009

まえがき

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本ゴム工業会(JRMA)及び財団法人日本規

格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会

の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。

JIS K 6238の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS K 6238-1 第1部:熱ロール法及びオーブン法

JIS K 6238-2 第2部:自動赤外線乾燥熱重量法

(2)

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日本工業規格

JIS

K 6238-2:2009

原料ゴム−揮発分の求め方(定量)−

第2部:自動赤外線乾燥熱重量法

Rubber, raw-Determination of volatile-matter content-Part 2 :

Thermogravimetric method using automatic analyzer with infrared drying

序文

この規格は,JIS K 6238規格群[原料ゴム−揮発分の求め方(定量)]の第2部として,自動赤外線乾燥

熱重量法を新規に制定した日本工業規格である。

なお,対応国際規格は現時点では制定されていない。

警告 この規格の利用者は,通常の実験室の作業に精通している者とする。この規格は,この使用に関連

して起こるすべての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。この規格の利用者は,各自の

責任において安全及び健康に対する適切な措置をとらなければならない。

1

適用範囲

1.1

この規格は,自動赤外線乾燥熱重量法による原料ゴムの水分及びその他の揮発分の求め方(定量)

について規定する。

1.2

この規格は,JIS K 6397に規定する合成ゴムのうちSBR,NBR,BR,IR,EPDM,CR,IIR,BIIR

及びCIIRに適用する。形態としては,ブロック,チップ,ペレット,クラム,パウダー又はシート品に対

して適用する。この方法は,他のゴムにも適用できるが,その場合は,質量の変化がゴムの劣化によるも

のではなく,本来の揮発分の損失だけによるものであることを立証する必要がある。

1.3

この規格は,JIS K 6298に規定する均質化を必要とする試料に対しては,適用しない。

なお,原料ゴムの揮発分の求め方(定量)については,JIS K 6238-1に熱ロール法及びオーブン法が規

定されている。これらの試験法及びこの規格は,必ずしも同一の結果が得られるとは限らない。したがっ

て,係争が生じた場合は,JIS K 6238-1のオーブンA法を基準試験法とする。

注記 この規格は,原料ゴムの種類又は品番について,自動赤外線熱重量測定装置の測定条件を決め

繰り返し測定を行うような場合(例えば,品質管理)に有用である。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。

JIS K 6238-1 原料ゴム−揮発分の求め方(定量)−第1部:熱ロール法及びオーブン法

JIS K 6298 原料ゴム−天然ゴム・合成ゴム−サンプリング及びその後の準備手順

JIS K 6397 原料ゴム及びラテックスの略号

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3

原理

試験試料を赤外線で加熱し,質量が一定になるまで乾燥する。この間の質量減量から揮発分を算出する。

この過程を自動赤外線乾燥熱重量測定装置を用いて自動的に行う方法である。

4

試薬

4.1

参照標準物質 参照標準物質は,(+)−酒石酸ナトリウム二水和物(C4H4Na2O6・2H2O)で純度99 %

以上のものを用いる。

5

装置及び器具

5.1

自動赤外線乾燥熱重量測定装置

5.1.1

一般

自動赤外線乾燥熱重量測定装置は,次の赤外線乾燥装置,はかり及びマイクロプロセッサで構成する。

a) 赤外線乾燥装置 赤外線乾燥装置は,遠赤外線又は近赤外線による乾燥装置を用いる。

b) はかり 内蔵するはかりは,1 mgまではかれるものを用いる。

c) マイクロプロセッサ マイクロプロセッサは,乾燥温度及び乾燥時間を制御することができ,かつ,

連続的に質量を測定でき,揮発分を算出できるものを用いる。

5.1.2

要求性能

自動赤外線乾燥熱重量測定装置の要求性能としては,参照標準物質として,(+)−酒石酸ナトリウム二

水和物(理論水分量の質量分率:15.66 %)を,試験試料と同じ乾燥温度で,連続する10回の揮発分の測

定を行い,その質量分率の平均値が (15.66±0.50) %以内であり,次の式によって算出する変動係数が

1.0 %以下となるものとする。

CV

=As

ここに,

×

100

CV: 変動係数 (%)

s: 標準偏差

A: 平均値

注記 自動赤外線乾燥熱重量測定装置及び測定条件例を,附属書Aに示す。

6

試験試料の準備

JIS K 6298の規定によって採取した試験室試料から2 g〜15 gの試験試料を採取する。試験結果は,1回

の測定値で求める。

試験試料の採取量は,測定装置,ゴムの種類,含有揮発分などによって異なるが,ほぼ一定量となるよ

うにすることが望ましい。試験試料の形態によっては,必要に応じて,はさみなどを用いて体積が約350

mm3以下(立方体の場合は,一辺が約7 mmに相当する。)に細かく裁断することが望ましい。その際,裁

断中に揮発分の変化がないようにできるだけ素早く行う必要がある。

7

手順

7.1

一般事項

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7.1.1

自動赤外線乾燥熱重量測定装置(以下,装置という。)によって,A法(時間終点法)又はB法(監

視時間当たりの質量変化量終点法)を選択することができる。装置を用いてA法又はB法で揮発分を測定

する場合には,それぞれの乾燥終点(測定終点)条件が必要である。次に,A法及びB法に用いる乾燥終

点の求め方を示す。装置の操作については,装置メーカの推奨手順による。

7.1.2

JIS K 6238-1によって測定対象の原料ゴム試料の揮発分を参照値としてあらかじめ求めておく。

7.1.3

A法に用いる乾燥終点は,次のように求める。試験試料(2 g〜15 g)を1 mgまではかり,乾燥温度

(通常は,100 ℃〜120 ℃が望ましい。)を定めて,縦軸を揮発分とする乾燥曲線(横軸:時間,縦軸:揮

発分)を,装置を用いて求める。その乾燥曲線において,7.1.2であらかじめ求めている揮発分(参照値)

と同等となる乾燥時間を,乾燥終点として求める(図1参照)。

7.1.4

B法に用いる乾燥終点は,次のように求める。試験試料(2 g〜15 g)を1 mgまではかり,乾燥温度

(通常は,100 ℃〜120 ℃が望ましい。)を定めて,縦軸を質量とする乾燥曲線(横軸:時間,縦軸:試験

試料質量)を,装置を用いて求める。その乾燥曲線において,7.1.2であらかじめ求めている揮発分(参照

値)と同等となる質量での監視時間(s)当たりの質量変化量(mg)を,乾燥終点として求める(図2参照)。

監視時間は任意に設定することができるが,通常は45 s〜180 sの範囲で設定する。

なお,この監視時間当たりの質量変化量は,装置の自動計算機能を用いて求めてもよい。

7.1.5

ゴムの種類又は品番ごとに,7.1.3又は7.1.4の操作を行ってそれぞれの乾燥終点を求める。

図1−A法における乾燥曲線及び乾燥終点

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図2−B法における乾燥曲線及び乾燥終点

7.2

A法:時間終点法

装置の操作については,装置メーカの推奨手順によって行う。一般的な操作手順を次に示す。

a) 乾燥終点条件として,7.1.3で求めた乾燥時間及びその時の乾燥温度条件を,装置に内蔵されているマ

イクロプロセッサに入力する。

b) 試験試料受け皿を装置の所定の位置に置き,風袋の質量をゼロとする。

c) 試験試料は,7.1.3で乾燥曲線を求めたときに用いた試験試料の質量とほぼ同量(±10 %の範囲以内)

とし,試験試料受け皿にできるだけ均等な厚さになるように素早く入れて,測定を開始する。

d) 乾燥前の試験試料の質量(WA)を自動的にひょう量し,記録し,ただちに乾燥を開始する。

e) 乾燥終点として定めた乾燥時間が経過すると自動的に乾燥が終了する。

f)

その時点での試験試料の質量(WB)を自動的にひょう量し,記録する。

g) 揮発分は,7.4によって算出する。

7.3

B法:監視時間当たりの質量変化量終点法

装置の操作については,装置メーカの推奨手順によって行う。一般的な操作手順を次に示す。

a) 乾燥終点条件として,7.1.4で求めた監視時間(s)当たりの質量変化量(mg)の値及びその時の乾燥温度条

件を,装置に内蔵されているマイクロプロセッサに入力する。

b) 試験試料受け皿を装置の所定の位置に置き,風袋の質量をゼロとする。

c) 試験試料は,7.1.4で乾燥曲線を求めたときに用いた試験試料の質量とほぼ同量(±10 %の範囲以内)

とし,試験試料受け皿にできるだけ均等な厚さになるように素早く入れて,測定を開始する。

d) 乾燥前の試験試料の質量(WA)を自動的にひょう量し,記録し,ただちに乾燥を開始する。

e) 乾燥中も経過時間とともに連続的に試験試料の質量をひょう量する。

f)

監視時間当たりの質量変化量が,あらかじめ乾燥終点条件として定めた値に到達すると,自動的に乾

燥が終了する。その時点での試験試料の質量(WB)を自動的にひょう量し,記録する。

g) 揮発分は,7.4によって算出する。

7.4

揮発分の計算

揮発分Vは,次の式によって小数点以下2けたまで算出する。

W

W

B

×

100

V

=

A

W

A

ここに,

8

V: 揮発分 (%)

WA: 乾燥前の試験試料の質量 (g)

WB: 乾燥終了時の試験試料の質量 (g)

精度

精度は,附属書Bに示す。

9

試験報告

試験報告には,次の事項を記載しなければならない。

a) 試料の詳細

1) 試験試料を特定できる事項

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b) 試験方法

1) このJIS番号

2) 用いた測定方法(A法又はB法)

3) 測定装置及び測定条件

4) 参照値に用いたJIS K 6238-1の測定方法

c) 試験の詳細

1) この規格に含まれない操作又は任意に行った操作

2) 測定中に気付いた,通常とは異なった点

d) 試験結果

1) 各試料の試験結果

2) 試験年月日

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附属書A

(参考)

自動赤外線乾燥熱重量測定装置及び測定条件例

序文

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

A.1 一般

自動赤外線乾燥熱重量法において,遠赤外線を用いる方法,近赤外線を用いる方法などの自動赤外線乾

燥熱重量測定装置においての相違はある。しかしながら,5.1に規定した装置に対する要求性能を満足する

自動赤外線乾燥熱重量測定装置であれば,用いることができる。

A.2 装置の例

− メトラー・トレド株式会社製 ハロゲン水分計HR73

− メトラー・トレド株式会社製 ハロゲン水分計HR83

− メトラー・トレド株式会社製 ハロゲン水分計HR83-P

− メトラー・トレド株式会社製 赤外線水分計LP16-M

− 株式会社島津製作所製 EB-340MOC

− 株式会社長計量器製作所製 MC-30MB

注記 装置によっては,B法に適用できないものもある。

なお,5.1に規定する装置の要求性能を確認するための測定例を,次に示す。

装置:メトラー・トレド株式会社製 ハロゲン水分計HR 83

測定試料:参照標準物質 (+)−酒石酸ナトリウム二水和物 (C4H4Na2O6・2H2O)

乾燥温度:120 ℃

測定方法:B法[終点条件:監視時間(180 s)当たりの質量変化量(1 mg)]

測定回数:10回

測定結果 平均値:15.54 % 標準偏差:0.055 変動係数:0.36 %

A.3 測定条件例

表A.1−A法:時間終点法の条件例

ゴム試料

試験試料量 g

乾燥温度 ℃

乾燥時間a) min

注a) 乾燥時間は,装置によって異なる。

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表A.2−B法:監視時間当たりの質量変化量終点法の条件例

ゴム試料

試験試料量 g

乾燥温度 ℃

監視時間当たりの

質量変化量a) mg/s

注a) 監視時間当たりの質量変化量は,装置によって異なる。

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附属書B

(参考)

精度

序文

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

B.1

一般

この試験方法の精度計算は,ISO/TR 9272に従って行われた。用語及び統計上の詳細については,これ

を参照する。

B.2

精度の詳細

精度試験は,2007年に五つの異なる原料ゴム(SBR 2種,BR 1種,EPDM 1種及びNBR 1種:いずれ

も非油展タイプ)を用いて,A法(時間終点法)及びB法(監視時間当たりの質量変化量終点法)のそれ

ぞれについて,試験室間プログラムによって実施した。A法については6試験室8装置で,B法について

は4試験室5装置で行ったが,各装置からのデータは,個別の独立した試験室のデータとして扱った。試

験は,1日の試験は1回行い,1日おきに計3日間選び実施した。

なお,一つの試験値は,1回の測定で求めた。

文書で受渡当事者間の合意のない限りは,これらの精度パラメータを,対象とする材料の合否判定に用

いてはならない。

B.3

精度の結果

表B.1及び表B.2中に用いた記号の定義は,次による。

sr : 測定単位での室内標準偏差

r : 室内繰返し精度(測定単位で表示)

この値は,同一試験室内での二つの測定結果の差の絶対値が,指定の信頼限界で,この値

以下に収まることが期待される値である。

(r) : 室内繰返し精度 %(百分率で表示)

試験結果は,同一とみなすことができる試験材料について,同一の方法を用い,同一の条

件(測定者,装置及び試験室が同じ場合)の下に,指定の期間内に得た。特に断らない限り,

信頼限界は,95 %である。

sR : 測定単位での室間標準偏差

R : 室間再現精度(測定単位での表示)

この値は,異なる試験室間での二つの測定結果の差の絶対値が,指定の信頼限界で,この

値以下に収まることが期待される値である。

(R) : 室間再現精度 %(百分率で表示)

試験結果は,同一とみなすことができる試験材料について,同一の方法を用い,同一の条

件(測定者,装置及び試験室が異なる場合)の下に,指定の期間内に得た。特に断らない限

り,信頼限界は,95 %である。

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B.3.1 A法(時間終点法)による精度結果

室内繰返し精度及び室間再現精度の評価結果を,表B.1に示す。

表B.1−A法:時間終点法による試験精度

ゴム試料

試験室内

試験室数a)

揮発分

平均値

試験室間

プール値b)

注a) 孤立値削除(ISO/TR 9272のオプション1)後の最終試験室の数

b) プール値は,二乗和平均の平方根値を表す。

B.3.2 B法(監視時間当たりの質量変化量終点法)による精度結果

室内繰返し精度及び室間再現精度の評価結果を,表B.2に示す。

表B.2−B法:監視時間当たりの質量変化量終点法による試験精度

ゴム試料

試験室内

試験室数a)

揮発分

平均値

試験室間

プール値b)

注a) 孤立値削除(ISO/TR 9272のオプション1)後の最終試験室の数

b) プール値は,二乗和平均の平方根値を表す。

参考文献

ISO/TR 9272:2005,Rubber and rubber products−Determination of precision for test method standards