2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
Z 8781-3:2016
目
次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 標準的方法 ······················································································································ 3
4.1 三刺激値の計算 ············································································································· 3
4.2 自発光光源の規準化係数 ································································································· 4
4.3 反射及び透過物体の規準化係数 ························································································ 4
4.4 CIE 1964標準表色系 ······································································································· 5
5 実用的方法 ······················································································································ 5
5.1 自発光光源又は反射及び透過物体の5 nmデータのための実用的方法 ······································· 5
5.2 反射及び透過物体の10 nm又は20 nmデータのための実用的方法 ··········································· 9
5.3 自発光光源の10 nm又は20 nmデータのための実用的方法 ···················································· 9
6 入力データの補助的な処理 ································································································· 9
6.1 外挿 ··························································································································· 10
6.2 内挿 ··························································································································· 10
6.3 波長帯域幅 ·················································································································· 10
7 色度座標························································································································ 11
8 数値の処理 ····················································································································· 11
9 結果の記載 ····················································································································· 11
附属書A(参考)参考文献 ···································································································· 12
附属書JA(参考)主波長(又は補色主波長)及び刺激純度による色度の表示方法 ··························· 13
附属書JB(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 17
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
Z 8781-3:2016
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本色彩学会(CSAJ)及び一般財団法人日
本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標
準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。これによって,JIS Z 8701:1999は
廃止され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS Z 8781の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS Z 8781-1 第1部:CIE測色標準観測者の等色関数
JIS Z 8781-2 第2部:CIE測色用標準イルミナント
JIS Z 8781-3 第3部:CIE三刺激値
JIS Z 8781-4 第4部:CIE 1976 L*a*b*色空間
JIS Z 8781-5 第5部:CIE 1976 L*u*v*色空間及びu', v'均等色度図
JIS Z 8781-6 第6部:CIEDE2000色差式(予定)
(2)
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日本工業規格
JIS
Z 8781-3:2016
測色−第3部:CIE三刺激値
Colorimetry-Part 3: CIE tristimulus values
序文
この規格は,2012年に第1版として発行されたISO 11664-3を基とし,国内の実情を反映させるため,
技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JBに示す。
1
適用範囲
この規格は,与えられた分光分布に対する色刺激のCIE三刺激値を計算する方法について規定する。
これらの色刺激は,自発光光源,反射物体又は透過物体によって作り出される。この規格は,色刺激関
数が380 nm〜780 nmの波長範囲で,5 nm間隔又はより小さい間隔の測定値が表にされていることを必要
とする。外挿は,測定された波長範囲が380 nm〜780 nmより狭い場合のために規定する。
標準的方法は,360 nm〜830 nmの波長範囲にわたる1 nm間隔の和として定義する。標準的方法の代替
方法としての実用的方法は,より大きな間隔(最大5 nm)及びより狭い波長範囲(380 nm〜780 nm)のた
めに定義する。代替方法としての実用的方法は,使用者が最終結果への影響の程度を評価し妥当と認めら
れたときだけ用いる。
この規格は,CIE 1931測色標準観測者又はCIE 1964測色補助標準観測者と一緒に用いることができる。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 11664-3:2012,Colorimetry−Part 3: CIE tristimulus values(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS Z 8113 照明用語
JIS Z 8781-1 測色−第1部:CIE測色標準観測者の等色関数
注記 対応国際規格:ISO 11664-1/CIE S 014-1/E,Joint ISO/CIE Standard: Colorimetry−Part 1: CIE
standard colorimetric observers(IDT)
JIS Z 8781-2 測色−第2部:CIE測色用標準イルミナント
注記 対応国際規格:ISO 11664-2/CIE S 014-2/E,Joint ISO/CIE Standard: Colorimetry−Part 2: CIE
standard illuminants(IDT)
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2
Z 8781-3:2016
ISO 23539/CIE S 010/E,Joint ISO/CIE Standard: Photometry−The CIE system of physical photometry
CIE DS 017.2/E: ILV,International Lighting Vocabulary
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 8113によるほか,次による。
3.1
規準化係数,k, k10(normalizing constants)
自発光光源,反射物体又は透過物体のCIE三刺激値を計算する場合に用いる規準化のための係数。
3.2
最大視感効果度,Km(maximum luminous efficacy)
物理測光のCIE表色系における放射の最大となる視感効果度。V10(λ)関数を測光のために用いた場合は,
記号Km,10を用いる。
3.3
分光反射率係数,R(λ)(spectral reflectance factor)
試料の表面要素を頂点とする与えられたすい体で範囲を定められた立体角内への波長λの反射放射束又
は光束の,全く同様に照明された完全拡散反射体から同じ立体角への波長λの反射放射束又は光束に対す
る比。
3.4
照明光の相対分光分布,S(λ)(relative spectral distribution of the illuminant)
ある値を基準にとって,分光分布を相対的に表したもの。基準値としては,分光分布の最大値,特定の
波長における値,分光分布から求めた測光量の値などを用いる(JIS Z 8113の01020参照)。
3.5
分光視感効率,V(λ)(spectral luminous efficiency)
特定の測光条件の下で,波長λの放射と波長λmの放射とが同じ強さの光感覚(明るさ感覚)を生じる場
合における,波長λmの放射束の,波長λの放射束に対する比。通常,λを変化させたときの最大値が1に
なるように規準化する。
y10
()λ
関数を測光のため用いた場合は,記号V10(λ)を用いる。
3.6
重価係数,Wx(λ),Wy(λ),Wz(λ)(pre-calculated weighting functions)
CIE 1931測色標準観測者を用いた三刺激値の積算のために事前に計算された重み係数。CIE 1964測色補
助標準観測者を用いた場合は,記号Wx,10(λ),Wy,10(λ),Wz,10(λ)を用いる。
3.7
色度座標,x, y, z(chromaticity coordinates)
CIE 1931測色標準観測者を用いて計算された三刺激値の各々の,それらの和に対する比。CIE 1964測色
補助標準観測者を用いた場合は,記号x10,y10,z10を用いる。
3.8
CIE
1931等色関数,()λx
,()λ
y
,()λ
z (colour-matching functions)
(CIE 2度視野表色系として知られている)CIE
1931表色系における関数()λx
,()λ
y
,()λ
z
。
3.9
CIE 1964等色関数,
x10
()λ
,
y10
()λ
,()λ
z10
(colour-matching functions)
(CIE 10度視野表色系として知られている)CIE 1964表色系における関数 x10
()λ
,()λ
y10
,()λ
z10
。
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3
Z 8781-3:2016
3.10
三刺激値,X, Y, Z(tristimulus values)
CIE 1931測色標準観測者を用いて計算された試料の色刺激と等色するための3個の原刺激の量。CIE
1964測色補助標準観測者を用いた場合は,記号X10,Y10,Z10を用いる。
3.11
分光放射輝度率,β(λ)(spectral radiance factor)
表面要素の与えられた方向への波長λの放射輝度の,同じ条件で照射された完全拡散反射体又は完全拡
散透過体の波長λの放射輝度に対する比。
3.12
波長間隔,Δλ(wavelength interval)
積和計算によってCIE三刺激値を求めるための波長の間隔。
3.13
色刺激関数,φλ(λ)(colour stimulus function)
放射輝度,放射パワーなどの放射量の分光密度による波長の関数としての色刺激の表記(JIS Z 8113の
03027参照)。
3.14
相対色刺激関数,φ(λ)(relative colour stimulus function)
色刺激関数の相対分光分布。
3.15
波長,λ(wavelength)
周期的な波動の伝ぱん方向における,隣り合った同位相の2点間の距離(JIS Z 8113の01015参照)。
3.16
分光反射率,ρ(λ)(spectral reflectance)
物体に入射した波長λの放射束又は光束に対する,反射した放射束又は光束の比。
3.17
分光透過率,τ(λ)(spectral transmittance)
物体に入射した波長λの放射束又は光束に対する,透過した放射束又は光束の比。
4
標準的方法
この方法は,CIE 1931測色標準観測者又はCIE 1964測色補助標準観測者と一緒に用いる。色刺激の観測
者の目に張る角度が1°〜4°の場合は,CIE 1931測色標準観測者を用いる。この張る角度が4°を超える
場合,CIE 1964測色補助標準観測者を用いる。同じ観測者が,互いに比較される全ての刺激に対して用い
られる。
4.1
三刺激値の計算
CIE 1931標準表色系では,三刺激値X,Y及びZは,式(1)に従って,360 nm〜830 nmの波長範囲にわた
る積分によって求める。
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4
Z 8781-3:2016
X
=
k
ϕ
λ
()()
λ x λ dλ
∫
λ
Y
=
k
ϕ
λ
()()
λ y λ dλ
∫
···································································· (1)
λ
Z
=
k
ϕ
λ
()()
λ z λ dλ
∫
λ
ここに,
x
()λ
,()λ
y
φλ(λ): 評価される色刺激関数
,()λ
z
: CIE 1931測色標準観測者の等色関数
k: 4.2及び4.3で定義する規準化の係数
これらの積分を求める標準的方法は,式(2)によって求められる1 nmの波長間隔Δλで360 nm〜830 nm
までの数の和である。
∑
ϕ
()()
λ x λ Δ
λ
Y
=
k
∑
ϕ
()()
λ y λ Δ
λ ································································· (2)
Z
=
k
∑
ϕ
()()
λ z λ Δ
λ
X
=
k
λ
λ
λ
λ
λ
λ
φλ(λ)は,JIS Z
8781-1で,有効桁7桁で定義された等色関数()λx
,()λ
y
,()λ
z
及び1 nmの半値幅をもつ
対称な三角形(二等辺三角形)又は台形(等脚台形)の帯域で測定された値を用いる。
三刺激値は,しばしば絶対値としてではなく相対値で評価する。この場合には,色刺激関数φλ(λ)の代わ
りに相対色刺激関数φ(λ)を用いてもよい。一緒に評価する刺激については,全ての分光分布を同じ相対尺
度で評価する。そのとき得られる三刺激値は,関連する全ての値が同じ単一の任意の規準化係数を用いて
計算されているという意味で,相対的である。ある場合には,認められている方法に従って,規準化係数
kを選定しなければならない。これらの方法は4.2及び4.3による。
注記 360 nm〜830 nmの波長範囲は,JIS Z 8781-1(CIEの方法)で確立された方法と一致する。箇
条5に,データが1 nm間隔で波長範囲が360 nm〜830 nmの全てにわたって利用できないとき
に用いてもよい実用的方法を示す。
4.2
自発光光源の規準化係数
自発光物体に対する規準化係数kは,便宜的な理由で選ばれる。CIE 1931標準表色系では,三刺激値の
Yが明所視の測光量の絶対値に等しい値が求められる場合,φλ(λ)は,求められる測光量に対応する放射量
の分光密度でなければならない。規準化係数kは,物理測光のCIEシステム(ISO 23539)における最大
視感効果度の値である683 lm/Wに等しい。
4.3
反射及び透過物体の規準化係数
反射又は透過物体に対する色刺激関数φλ(λ)は,式(3)〜式(6)のいずれかで評価される相対色刺激関数φ(λ)
に置き換えられる。
φ(λ)=R(λ)S(λ) ············································································ (3)
φ(λ)=β(λ)S(λ) ············································································ (4)
φ(λ)=ρ(λ)S(λ) ············································································ (5)
φ(λ)=τ(λ)S(λ)············································································· (6)
ここに, R(λ): 分光反射率係数
β(λ): 分光放射輝度率
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5
Z 8781-3:2016
ρ(λ): 分光反射率
τ(λ): 分光透過率
S(λ): 照明光の相対分光分布
全ての場合において,規準化係数kは,全ての波長に対してR(λ),β(λ),ρ(λ)又はτ(λ)が1である物体に
対して,Y=100になるように,式(7)によって求める。
100∑
()()λ
k
=
/ S λ y λ Δ ································································· (7)
λ
ここで,積算範囲及び波長間隔並びに()λy
の値は,式(2)と同じである。
全ての物体に対するYの値は,視感反射率係数[R(λ)の場合],輝度率[β(λ)の場合],分光反射率[ρ(λ)
の場合]又は分光透過率[τ(λ)の場合]のパーセント値に等しい。これは,()λy
関数がCIE分光視感効率
V(λ)に等しいことによる。
四つの量R(λ),β(λ),ρ(λ)及びτ(λ)の値は比率である。便宜的に,これらの量をパーセントで報告する場
合は,その数値は,規準化係数kの誘導のために100で除されなければならない。
4.4 CIE 1964標準表色系
CIE 1964測色補助標準観測者の等色関数(JIS Z
8781-1)は,()λx
,()λ
y
,()λ
z
の代わりに用いる。この
場合,記号X,Y,Z及びkは,この規格の全ての式で,X10,Y10,Z10及びk10に置き換えられる。
注記 測定のための y10
()λ
関数の使用は,Km,10(683.6 lm/W)の適切な値とともに,標準化されていな
い。また,国際度量衡総会(CGPM)でも承認されていない。ただし,CIE技術報告書165:2005
(CIE, 2005a参照)は,輝度が中心か(窩)近傍に限定されている場合は,特別に用いること
ができることを勧告している。
5
実用的方法
色刺激関数又は相対色刺激関数が360 nm〜830 nmの全波長範囲において,1 nm間隔で得られない場合
には,箇条4で規定する標準的方法を用いることができない。
5.1
自発光光源又は反射及び透過物体の5 nmデータのための実用的方法
使用者の目的に応じて,誤差が無視できるほど小さいことが実証される場合は,三刺激値X,Y及びZ
は,JIS Z 8781-1に規定されている等色関数の値を用いて,波長間隔5 nmで380 nm〜780 nmの数値和に
よって計算する。反射及び透過物体では,表1〜表4に示す等色関数,標準イルミナント及び補助標準イ
ルミナントの値を用いて,式(2)〜式(7)に従って,波長間隔5 nmで380 nm〜780 nmの数値和によって計算
することができる。
色刺激関数又は相対色刺激関数のデータが2 nm,3 nm又は4 nmの波長間隔で与えられている場合,JIS
Z 8781-1に規定されている等色関数の値を用いて,波長間隔Δλで380 nm〜780 nmの数値和によって計算
する。
波長間隔が5 nm未満で,1 nmの整数倍でないなら,等色関数及び照明光又は色刺激データは,それら
が合うように補間しなければならない(6.2参照)。幾つかの出版物には,JIS Z 8781-1から,有効桁4桁
に丸めた値の等色関数が与えられている。これらの丸められた値は,使用者の目的に対して,誤差が無視
できるほど小さいことが実証されている場合に限り用いてもよい。
注記 幾つかのCCDアレイ型分光器は,等間隔でない波長間隔のデータが記録される。この場合は,
式(2)及び式(7)のΔλは一様でない。
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表1−XYZ表色系における等色関数
波長
波長
総和
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Z 8781-3:2016
表2−X10Y10Z10表色系における等色関数
波長
波長
総和
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Z 8781-3:2016
表3−標準イルミナントA,D65及び補助標準イルミナントCの相対分光分布
波長
標準
イルミナント
標準
イルミナント
補助標準
イルミナント
波長
標準
イルミナント
標準
イルミナント
補助標準
イルミナント
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9
Z 8781-3:2016
表4−標準イルミナントA,D65及び補助標準イルミナントCの色度座標
5.2
イルミナントの種類
XYZ表色系
X10Y10Z10表色系
反射及び透過物体の10 nm又は20 nmデータのための実用的方法
この規格は,10 nm又は20 nmデータのための実用的方法を扱っていない。5 nm間隔又はより小さい間
隔のデータだけに適用する。
注記1 10 nm又は20 nmの波長間隔Δλの反射又は透過物体の三刺激値X,Y及びZの一般的な計算
方法は,式(8)を用いる。
∑
R
()()
λ W λ
Y
=
∑
R
()()
λ
W λ
()()
Z
=
∑
R λ
W λ
X
=
x
λ
y
····································································· (8)
λ
z
λ
ここでR(λ)は,半値幅が波長間隔(10 nm又は20 nm)に等しく,対称な三角形(二等辺三
角形)又は台形(等脚台形)の帯域で測定された分光反射率係数である。Wx(λ),Wy(λ)及び
Wz(λ)は,10 nm又は20 nmの間隔で測定されたR(λ)の値がスムーズに変化するという仮定の
下に,標準的方法(箇条4参照)に最も合うように,等色関数,照明光の相対分光分布,波
長間隔,波長帯域幅及び規準化係数kを考慮して前もって計算された重価係数である。分光
反射率係数R(λ)は,式(8)で分光放射輝度率β(λ),分光反射率ρ(λ)又は分光透過率τ(λ)によって
置き換えられることがある。
注記2 この目的のために計算された重価係数の例は,JIS Z 8722又はASTM E308-08(ASTM, 2008a
参照)で与えられている。
注記3 重価係数の計算方法の詳細が出版されている(Fairman, 1985; Venable,1989; ASTM, 2008b; Liet
al., 2004参照)。
5.3
自発光光源の10 nm又は20 nmデータのための実用的方法
この規格は,10 nm又は20 nmデータのための実用的方法を扱っていない。5 nm間隔又はより小さい間
隔のデータだけに適用する。特定の評価光源において,5 nmより大きい間隔による誤差が無視できるほど
小さいことが実証されているときを除いて,5 nmより大きいデータ間隔は,用いないことが望ましい。特
に狭帯域の特徴をもつ蛍光ランプ,ガス放電ランプ及びLEDのような多くの自発光光源に対して,5 nm
より大きい波長間隔Δλで測定された色刺激関数からの三刺激値の計算から,正確な結果が得られない場
合がある。
6
入力データの補助的な処理
この箇条は,箇条4及び箇条5の方法に適用するために,又は精度を高める目的で測定データを補正す
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10
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るために,必要なデータの補助的な処理の要点を記載する。この規格の箇条4及び箇条5で記載された方
法を使用するには,規定の波長範囲内で,規定の波長間隔ごとに,規定の波長帯域幅で分かっている色刺
激関数φλ(λ)又は相対色刺激関数φ(λ)が必要とされる。異なった色のデータを正確に比較するには,どの計
算セット(比較する複数の色)に対しても同じ波長範囲,波長間隔,波長帯域幅を用いることが重要であ
る。しかし,実地応用では,測定が規定よりも大きい間隔で行われたり,等しくない波長間隔が用いられ
たり,波長範囲の両端付近のデータが省略されたり,波長帯域幅がサンプリング間隔と等しくなかったり,
波長帯域の形が対称な三角形(二等辺三角形)又は台形(等脚台形)でなかったりして,要求されたデー
タの全てが利用できないことがある。予測されたデータからの計算は正確でないかもしれないが,測定さ
れていないデータを予測することが可能な場合もある。したがって,使用者が最終結果への影響の程度を
評価し,結果の誤差が使用者の目的に対して無視できることが実証できる場合にだけ,予測方法を使用す
ることが望ましい。幾つかの手引又は注意事項を6.1〜6.3に示す。
6.1
外挿
測定波長範囲が380 nm〜780 nmより狭い場合,測定データの外挿は,誤差が生じる可能性がある。外
挿は,結果の誤差が使用者の目的に対して無視できることが実証できる場合にだけ使用する。
φλ(λ),φ(λ),R(λ),β(λ),ρ(λ),又はτ(λ)の必要とされる値を,測定波長範囲を超えて予測するとき,おお
よその近似結果として,測定していない値は,それに相当する量の最も近くで測定した値と等しくする
(CIE, 2004参照)か,又は単純な線形外挿(CIE, 2005b参照)を使用してもよい。失われた値は,デー
タ又はほかの実験に基づいている場合は,0又は100 %のようにほかの値を与えてもよい。
注記 全ての波長における重みの和と測定していない波長における重みの和との比率は,測定値の代
わりに予測値を使うことによって生じる最大誤差の尺度である。
6.2
内挿
測定したデータの波長が等色関数の波長と完全に一致していない場合は,合わせるための何らかの内挿
が必要である。反射率,透過率及びなだらかな分光分布曲線をもっている光源は,測定値又は等色関数の
どちらを内挿してもよい。測定値の内挿のために,測定値間に挟まれた値の推定値は,データを表現する
理論式が存在するならば,その式によって又は数学的なカーブフィット(近似曲線)によって求めてもよ
い。概説及び勧告はCIE, 2005bに記載している。等色関数が内挿される場合,JIS Z 8781-1の1 nm間隔
の間の点を内挿する場合は,線形補間を用いなければならない。狭帯域のピーク値及び輝線を含んでいる
光源データの場合は,測定したデータを内挿してはならない。この場合は,等色関数を測定したデータの
波長に合わせるように内挿しなければならない。
注記1 一般に,波長間隔を小さくする測定データの内挿は,計算した色の精度を改善することはな
い。箇条4及び箇条5で記載したデータ間隔は,オリジナルの測定データに適用する。内挿
によって,5 nm又はより小さい間隔に変換したとしても,オリジナルのデータ間隔が5 nm
より大きすぎると,この規格の要求を満たさないことがある。
注記2 測定器の波長間隔は,しばしば測定器の波長帯域幅と一致している。このような場合に,異
なる波長間隔へデータが内挿されるなら,一致の完全性が失われる。変換したデータは,6.3
の波長帯域幅の補正に適用できない。
6.3
波長帯域幅
測定器から得られた全ての分光データには,有限の波長帯域幅があり,計算した三刺激値の誤差に伝ぱ
んする。一般的に,波長帯域幅から生じる誤差は,波長間隔に関連する計算誤差よりも大きい。この規格
の入力データのために用いる測定器の波長帯域幅は,波長帯域幅の補正をしない限り,5 nm又は5 nm以
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Z 8781-3:2016
下でなければならない。放電ランプのように輝線(放射線)がある光源の測定は,波長間隔及び波長帯域
幅とを,他の波長点と比較して,どの波長も下回る又は上回ることがないように,一致させなければなら
ない。そのためには,波長帯域は対称な三角形(二等辺三角形)であることが望ましく,その半値幅は,
波長間隔又はその整数倍であることが望ましい。波長間隔が波長帯域幅より十分小さい場合には,この一
致条件は重大ではない。この一致条件は,物体色の反射及び透過測定に対しては要求されない。なぜなら,
これらのスペクトルは比較的なだらかである。例外は,一致条件が要求された場合に,帯域補正を適用す
る場合である。
注記 波長帯域幅の有用な補正方法には,ASTM 2009,Fairman 2010,Gardner 2006,Kostkowski 1997,
Ohno 2005,Robertson 1967,Stearns and Stearns 1998,Venable 1989,及びWoolliams and Cox 2005
がある。
7
色度座標
色度座標x,y,及びzは,三刺激値X,Y及びZから式(9)によって求める。
X
X
+
Y
+
Z
Y
y
=
X
+
Y
+
Z
Z
z
=
X
+
Y
+
Z
x
=
········································································· (9)
x+y+z=1の関係から,x及びyだけを引用することで十分である。横軸にx,縦軸にyを描いてできる
色度図は,CIE 1931色度図又はCIE(x, y)図と呼ばれる。同様にx10,y10,及びz10色度座標は,X10,Y10及
びZ10から計算され,横軸にx10,縦軸にy10を描いてできる色度図は,CIE 1964色度図又はCIE(x10, y10)図
と呼ばれる。
色度座標を用いずに色度を表示する場合には,主波長λd又はλd,10(又は補色主波長λc若しくはλc,10)及
び刺激純度pe又はpe,10を用いることができる。主波長λd又はλd,10(又は補色主波長λc若しくはλc,10),及
び刺激純度pe又はpe,10による色度の表示方法を附属書JAに示す。
8
数値の処理
数値の処理は,入力データによって与えられた全有効桁数を用いる。最終結果は,測定の不確かさを考
慮して有効数字の桁数に丸める。
9
結果の記載
三刺激値及び計算に用いたパラメータを記載する場合は,測定の幾何条件,観測者,照明光(物体色に
対して)及び試料の裏あて(反射物体色に対して)について記載する。また,波長範囲及び積算の間隔を
明記しなければならない。
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附属書A
(参考)
参考文献
JIS Z 8722 色の測定方法−反射及び透過物体色
ASTM, 2008a. ASTM E308-08. Standard practice for computing the colors of objects by using the CIE system
ASTM, 2008b. ASTM E2022-08. Standard practice for calculation of weighting factors for tristimulus integration
ASTM, 2009. ASTM E2729-09. Standard practice for rectification of spectrophotometric bandpass difference
CIE, 2004. CIE 15:2004. Colorimetry, 3rd edition
CIE, 2005a. CIE 165:2005. CIE 10 degree photopic photometric obsever
CIE, 2005b. CIE 167:2005. Recommended practice for tabulating spectral data for use in colour computations
FAIRMAN, H.S., 1985. The calculation of weight factors for tristimulus integration. Color Res. Appl., 10, 199-203
FAIRMAN, H.S., 2010. An improved method for correcting radiance data for bandpass error. Color Res. Appl., 35,
328-333
GARDNER, J.L., 2006. Bandwidth correction for LED chromaticity. Color Res. Appl., 31, 374-380
KOSTKOWSKI, H.J., 1997. Reliable spectroradiometry, spectroradiometry consulting, Maryland, USA
LI, C.J., LUO, M.R., RIGG, B., 2004. A new method for computing optimum weights for calculating CIE tristimulus
values, Color Res. Appl., 29, 91-103
OHNO, Y., 2005. A flexible bandpass correction method for spectrometers. AIC Colour 05 Proc. 10th Congress of the
International Colour Association 2, 1087-1090
ROBERTSON, A.R., 1967. Colorimetric significance of spectrophotometric errors. J. OPT. Soc. Am. 57, 691-698
STEARNS, E.I. and STEARNS, R.E., 1988. An example of a method for correcting radiance data for bandpass error.
Color Res. Appl., 13, 257-259
VENABLE, W.H., 1989. Accurate tristimulus values from spectral data. Color Res. Appl., 14, 260-267
WOOLLIAMS, E.R. and COX, M.G., 2005. Correcting for bandwidth effects in monochromator measurements. 9th
International Conference on New Developments and Applications in Optical Radiometry (NEWRAD),
Physikalisch-Meteorologishes Observatorium Davos, Switzerland
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附属書JA
(参考)
主波長(又は補色主波長)及び刺激純度による色度の表示方法
JA.1 色度の表示
色度を表示するには,一般に色度座標x,y又はx10,y10を用いるが,必要な場合には,主波長λd又はλd,10
(又は補色主波長λc若しくはλc,10)及び刺激純度pe又はpe,10によっても差し支えない。
JA.2 XYZ表色系における主波長(又は補色主波長)及び刺激純度の求め方
JA.2.1 主波長(又は補色主波長)の求め方
図JA.1に示す色度図の中の点Nは,無彩色の色度座標を表し,光源色の場合はxn=0.333 3,yn=0.333 3,
物体色の場合は,用いた標準イルミナントの色度座標を表す。
色度座標が,直線RN,直線VN及びスペクトル軌跡によって囲まれる領域内の点C1で表される色の場
合には,直線NC1の延長とスペクトル軌跡との交点D1に対応する波長を,この要領によって図JA.2から
求める。この波長をその色の主波長といい,記号λd[単位,ナノメートル(nm)]で表す。
色度座標が三角形NRV内の点C2及びD2で表される色(紫色刺激)の場合には,直線C2Nの延長とス
ペクトル軌跡との交点D2'に対応する波長を,この要領によって表1及び図JA.1から求める。この波長を
その色の補色主波長といい,記号λc(単位,nm)で表す。
JA.2.2 刺激純度の求め方
図JA.1において,色度座標が点C1又は点C2によって表される色の場合には,刺激純度peは次の式によ
って求め,パーセントで表す。ただし,peを計算するには,次の二つの式のうち,分母の絶対値が大きい
方の式で求める。
p
e
=
x
−
x
n
y
−
y
n
×
100 (%)
又は
p
e
=
×
100 (%)
−
x
d
x
n
y
d
−
y
n
ここに, x,y: 点C1又は点C2の色度座標
xn,yn: 点Nの色度座標
xd,yd: 点D1又は点D2の色度座標。ただし,点D2は直線NC2と純
紫刺激との交点
JA.3 X10Y10Z10表色系における主波長(又は補色主波長)及び刺激純度の求め方
X10Y10Z10表色系における主波長λd,10(又は補色主波長λc,10)及び刺激純度pe,10は,色度座標x, yの代わり
に色度座標x10, y10を用い,JA.2の要領によって表2及び図JA.3から求める。
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Z 8781-3:2016
図JA.1−x,y色度図
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注記 波長目盛の付いている曲線は,スペクトル軌跡であって,スペクトル軌跡の両端を結ぶ直線は,
純紫軌跡である。点AはCIE標準イルミナントA,D65はCIE標準イルミナントD65及び点C
はCIE補助標準イルミナントCの色度座標を表す。
図JA.2−XYZ表色系における色度図
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注記 波長目盛の付いている曲線は,スペクトル軌跡であって,スペクトル軌跡の両端を結ぶ直線は,純紫軌跡
である。点AはCIE標準イルミナントA,D65はCIE標準イルミナントD65及び点CはCIE補助標準イ
ルミナントCの色度座標を表す。
図JA.3−X10Y10Z10表色系における色度図
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Z 8781-3:2016
附属書JB
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS Z 8781-3:2016 測色−第3部:CIE三刺激値
(I)JISの規定
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
箇条
番号
記号,略号及び定義
箇条ごと
の評価
変更
JISとほぼ同じ
追加
JISとほぼ同じ
追加
箇条番号
及び題名
内容
3 用語及び
定義
5 実用的方
法
5 nm間隔のデータに
よる三刺激値の計算方
法
7 色度座標 色度座標,主波長及び
刺激純度による表示方
法
附属書JA
(参考)
国際
規格
番号
内容
主波長及び刺激純度に
よる色度の表示方法
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
技術的差異の内容
ISO規格では記号,略号及び定義に
なっているが,通常の規格の例に倣
い,用語及び定義に変更した。
ISO規格では,ISO 11664-1の数値
を用いるとして,具体的な数値表を
規定していない。
CIE 15(2004)に規定されている色
度座標を用いない方法がISO規格
では,規定されていないため,主波
長及び刺激純度による表示方法を
追加した。
JISの利用者の便宜を図るために
変更した。実質的な技術的差異は
ない。
JISの利用者の便宜を意図したも
ので技術的差異はない。
産業界における主波長及び刺激純
度による表示の使用状況を考慮し
て,附属書JA(参考)に示した。
追加
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 11664-3:2012,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。