2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
Z 8809:2011
目
次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 種類······························································································································· 2
5 動粘度及び粘度 ················································································································ 2
5.1 基準値及び概略値 ·········································································································· 2
5.2 許容範囲 ······················································································································ 3
5.3 動粘度及び粘度の決定値 ································································································· 3
6 品質······························································································································· 3
6.1 一般 ···························································································································· 3
6.2 安定度 ························································································································· 3
7 容器······························································································································· 4
8 取扱い···························································································································· 4
9 製品の呼び方 ··················································································································· 4
10 容器の表示 ···················································································································· 4
11 校正証明書 ···················································································································· 4
12 測定不確かさ ················································································································· 5
附属書A(参考)標準液の粘度の安定性 ··················································································· 6
(1)
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Z 8809:2011
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,公益社団法人計測
自動制御学会(SICE)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改
正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格であ
る。
これによって,JIS Z 8809:2000は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
(2)
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日本工業規格
JIS
Z 8809:2011
粘度計校正用標準液
Standard liquids for calibrating viscometer
1
適用範囲
この規格は,粘度計の校正に使用する標準液として用いるニュートン液体の炭化水素油(以下,標準液
という。)について規定する。ただし,標準液として用いるJIS Z 8803に規定する蒸留水は,除く。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS Q 17025 試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項
JIS R 3503 化学分析用ガラス器具
JIS Z 8803 液体の粘度測定方法
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
ニュートン液体(Newtonian liquid)
ずり速度(せん断速度)がずり応力(せん断応力)に正比例する液体。
3.2
粘度(dynamic viscosity)
液体内にずり速度があるとき,そのずり速度の方向に垂直な面において,速度の方向に単位面積当たり
につき生じる応力の大きさによって示される液体の内部抵抗。
注記 粘度の単位は,パスカル秒(Pa・s)であり,国際単位系(SI)の基本単位による表し方は,
m−1・kg・s−1である。
3.3
動粘度(kinematic viscosity)
粘度をその液体の同一状態における密度で除した値。
注記 動粘度の単位は,平方メートル毎秒(m2/s)である。
3.4
測定不確かさ(measurement uncertainty)
用いる情報に基づいて,測定対象量に帰属する量の値のばらつきを特性付ける負でないパラメータ。
3.5
計量計測トレーサビリティ(metrological traceability)
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2
Z 8809:2011
個々の校正が不確かさに寄与する,文書化された切れ目のない校正の連鎖を通して,測定結果を計量計
測参照に関連付けることができるという測定結果の性質。
3.6
JCSS(Japan Calibration Service System)
計量法に基づく計量標準供給制度。この制度における校正は,国家標準又は国際標準との比較の連鎖に
よって,計測機器へのつながり(計量計測トレーサビリティ)を証明する行為をいう。
4
種類
標準液の種類は,動粘度によって13種類に分け,表1による。
表1−種類
5
動粘度及び粘度
5.1
基準値及び概略値
標準液の基準値は,表2に示す20 ℃の動粘度の値とする。
なお,表2に,25 ℃,30 ℃及び40 ℃の動粘度,並びに20 ℃,25 ℃,30 ℃及び40 ℃の粘度の値を,
概略値として示す。
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Z 8809:2011
表2−動粘度及び粘度
動粘度mm2/s
種類
基準値
5.2
粘度mPa・s
概略値
概略値
許容範囲
標準液の許容範囲は,次による。
a) JS2.5〜JS2000の標準液は,5.3に規定する20 ℃における動粘度の決定値が,表2に示す基準値の±5 %
のものでなければならない。
b) JS14000〜JS160000の標準液は,5.3に規定する20 ℃における動粘度の決定値が,表2に示す基準値
の±20 %のものでなければならない。
5.3
動粘度及び粘度の決定値
標準液の動粘度及び粘度の決定値は,JCSSにおける登録校正事業者,独立行政法人産業技術総合研究所
などの動粘度及び粘度の校正能力に関してJIS Q 17025(ISO/IEC 17025)の認証を受けている校正機関に
よる校正結果(動粘度及び粘度の値及びそれぞれの拡張不確かさ)とする。ここで,JS2.5〜JS52000の標
準液は20 ℃,30 ℃及び40 ℃の各温度について,JS160000の標準液は20 ℃及び25 ℃の各温度につい
ての校正結果とする。
6
品質
6.1
一般
標準液は,透明な炭化水素油で,浮遊物,添加剤,その他の有害なものを含まないニュートン液体であ
って,6.2の試験に合格したものでなければならない。
6.2
安定度
標準液の安定度は,次による。
a) 標準液は,箇条8 a) に規定した状態で1年間保存し,その間における動粘度及び粘度の変化は,表3
に示す値以内とする。
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表3−動粘度及び粘度の変化の許容範囲
単位 %
種類
1年間の変化の割合
注記 当時の通商産業省工業技術院計量研究所(現 独立行政法人産業技術総合研究所)で行った標
準液の粘度の安定度試験の結果の一例を,附属書Aに示す。
b) 標準液は,大気に開放した状態で5時間50 ℃に保ったとき,その前後の動粘度及び粘度の変化の割
合は,±0.1 %以内とする。
注記 安定度の試験は,JCSSにおける登録校正事業者によって実施されている。
7
容器
標準液を入れる容器は,JIS R 3503の4.(品質)に規定するソーダ石灰ガラスと同等のものとする。
8
取扱い
標準液の取扱いは,次による。
a) 標準液は,密栓し,熱及び光を避け,かつ,室温で保存しなければならない。
b) 使用後の標準液は,元の容器に戻してはならない。使用後の液を,再使用することは避け,開栓後は
なるべく早く使用することが望ましい。
9
製品の呼び方
標準液の呼び方は,次の例による。
例 粘度計校正用標準液 JS20
10 容器の表示
標準液の容器には,次の項目を明示する。
a) 規格の番号(JIS Z 8809)及び名称(粘度計校正用標準液)
b) 名称及び種類
c) ロット番号
d) 正味容量
e) 製造業者名
11 校正証明書
標準液には校正証明書を添付する。校正証明書には,次の事項を記載する。
a) 名称及び種類
b) ロット番号
c) 製造業者名
d) 校正方法
e) 校正実施条件
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f)
校正結果(各温度における動粘度及び粘度の値及びそれぞれの拡張不確かさ)
12 測定不確かさ
標準液の校正証明書における校正結果に記載される測定不確かさは,基準として用いた標準液の不確か
さ,標準液を用いた粘度計校正の不確かさ,及び校正した粘度計を用いた粘度測定における不確かさを,
主要な不確かさ要因として求めて,総合的な不確かさ評価を行う。不確かさ評価の一般的な方法について
は,次の規格を参照する。
a) JIS Z 8404-1 測定の不確かさ−第1部:測定の不確かさの評価における併行精度,再現精度及び真度
の推定値の利用の指針
b) JIS Z 8404-2 測定の不確かさ−第2部:測定の不確かさの評価における繰返し測定及び枝分かれ実験
の利用の指針
c) ISO/IEC Guide 98-3,Uncertainty of measurement−Part 3: Guide to the expression of uncertainty in
measurement (GUM:1995)
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附属書A
(参考)
標準液の粘度の安定性
A.1 粘度の安定性
この規格に規定する標準液は,JCSSにおける登録校正事業者又は独立行政法人産業技術総合研究所で粘
度の決定値を得てから需要者に供給されて使用するまでに多少の日時が経過すると考えられるが,その間
に,粘度を測定する上で支障のある粘度の変化があってはならない。
独立行政法人産業技術総合研究所で行った試料の粘度の安定度試験の結果の一例を,表A.1及び図A.1
に示す。
表A.1−動粘度の1年当たりの変化率
標準液の種類
開封液a)
残液の量によって
変化率が異なる。
図A.1参照
単位 %
未開封液b)
注a) 開封して一部を使用後,残液を室温下で保存した液。
b) 未開封のまま室温下で保存した液。
c) JS14000に相当する。
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注記 JS20Hは,JS14000に相当する。
図A.1−JS20H,JS52000及びJS160000の開封液の1年後の粘度の変化率
A.2 参考文献
粘度の安定性については,次の文献を参照する。
a) 川田裕郎,倉瀬公男,磯崎清:粘度標準液に関する研究,中央計量検定所報告,第8巻,p.47 (1959)
b) 木下真清,小野山益弘:粘度計校正用標準液について,計量管理,Vol.12,p.382 (1963)
c) 吉田清,川田裕郎,倉瀬公男:粘度計校正用標準液の粘度の安定性(JS2.5〜JS2000の標準液),計量
研究所報告,第15巻,p.102 (1966)
d) 吉田清,倉瀬公男,倉野恭充,小野山益弘:ポリブテン及びポリブテン−鉱油系の混合油の粘度の安
定性,材料,第22巻,p.494 (1973) 又は計量研究所報告,第22巻,p.204 (1973)
e) 倉野恭充,倉瀬公男:高粘度ポリブテンの粘度の安定性,計量研究所報告,第27巻,p.209 (1978)
参考文献 JIS Q 0031 標準物質−認証書及びラベルの内容