選り抜き記事
信玄公旗掛松事件とは、中央本線日野春駅(山梨県北杜市長坂町)に隣接した線路脇に、かつて生育していた、武田信玄が軍旗を立て掛けたという伝承・由来のある「信玄公旗掛松」と呼ばれる老松が、蒸気機関車の煤煙、蒸気、振動などにより枯死してしまったとして、老松の所有者(地権者)であった清水倫茂が、一個人として国(鉄道院)を相手取り訴訟を起こした損害賠償請求事件である。
国家賠償法成立以前の大正年間に起きた当訴訟事件は、鉄道事業という公共性の高いものであっても、他人所有の松樹を枯死させたことは「権利の濫用」に当たると司法によって判断され、第一審甲府地方裁判所、第二審東京控訴院に続いて、上告審の大審院に至るまで、原告である清水倫茂が被告である国に勝訴した歴史的裁判であった。……
- 『Kの昇天』は、梶井基次郎の短編小説。副題付きでは『Kの昇天――或はKの溺死』となる。夜の海岸で満月の光に象られた自分の影から出現するドッペルゲンガーに導かれて昇天してゆく青年Kについて物語る書簡体形式の作品。自我の分裂と魂の昇天という神秘的な主題の中に……
- 本項ではマレーシアの漫画について述べる。マレー語の漫画は1930年代に新聞紙上の一コマ風刺漫画(カートゥーン)として始まった。第二次世界大戦と植民地からの独立 (1957) を経た後はコマ漫画(コミックストリップ)が新聞漫画の主流になり、国産の漫画が発展した……
- 『麗子微笑』は、大正時代の洋画家、岸田劉生によって1921年(大正10年)に制作された肖像画である。劉生は実娘である岸田麗子が4歳の頃から麗子をモデルにした作品を制作し続けていたが、本作品は7歳の頃のもので一連の麗子像連作のなかで最も優れたものとされる……