ヤバい番組の制作秘話~誰がどうやって企画した!?~ [バックナンバー]
天竺川原が司会の「NEWSクライシス」異端のニュース番組の裏側を山田Pと宣伝担当・渋木氏に聞いた
2026年6月11日 18:30 3
ユニークなテレビ番組を企画・演出している裏方を取材する「ヤバい番組の制作秘話~誰がどうやって企画した!?~」。第3回には、
取材
「NEWSクライシス」とは
「NEWSクライシス」は、日本社会が抱えるあらゆる危機を深掘りするニュース番組。昨年12月5日から12月26日まで全4回が放送されると、司会の天竺川原とコメンテーター・
山田奈央子プロデューサー インタビュー
制作部が手掛けるニュース番組を作りたかった
──「NEWSクライシス」は天竺川原さんが司会をしていますが、お笑い番組ではなく、あくまでニュース番組なんですよね?
そうです、ニュース番組です。私自身もともとは報道志望だったんです。
──どのようなきっかけでテレビ大阪に入ることになったのでしょうか?
大学時代からニュース番組を熱心に観ていたんです。文句を言いながら(笑)。ニュース番組に思うところはいろいろあったので、真面目な志で報道記者をやりたいなと思い、テレビ大阪に新卒で入社しました。
──そこから「NEWSクライシス」を企画することになった経緯は?
実際、最初に配属されたのは営業部で、CMのセールスなどを4年ほど担当していました。そのあと制作部署に異動してADやディレクターを経験して。社内では年に何回か番組の企画募集があるのですが、報道部ではなく制作部が作るニュース番組をやりたいと思い、「NEWSクライシス」の企画しました。ニュース番組ってもっといろんな形があっていいんじゃないかなとずっと感じていたんです。
──天竺川原さんをキャスターに据えるというアイデアはどのように思いついたのでしょうか?
川原さんは物の見方が独特なので、ほかの方々とは違う切り口でニュースを扱ってくれそうだなと期待していました。既存の報道番組を観ていると、どうしても予定調和に感じてしまう部分があるので、そこを突き破って新しい風を吹かせてほしいなと。
──川原さんがハチャメチャにボケすぎて、番組のフォーマット自体が壊れるという懸念はなかったですか?
そこの懸念はさほどなくて、どちらかというと川原さんならではの新しい物の見方を知れる感じの番組になるのかなと思っていました。普段からボケ数が多い方なので、そのなかに世の中を新しい角度で見る気付きが含まれているような。
これを公共の電波に乗せて大丈夫なのか
──実際に初回の収録をしたときはいかがでしたか?
静かすぎて、「大丈夫かな」と思いました。
──普通の報道番組ではありえない沈黙が多いですよね。
はい。川原さんはニュース番組ということで緊張感をもって臨んでくださったのですが、スタッフのお腹が鳴る音も聞こえるくらい静かでした。収録に臨むまで、スタッフ会議は報道番組を作る雰囲気で、「このテーマを取り上げたい」「もっと観ている人にとって身近なテーマがいいんじゃないか」みたいな話し合いをしていました。それを経ての、初回収録だったので、正直「私たちは何をやってるんだろう」と思う瞬間がありましたね。完パケができたときも、「これを公共の電波に乗せて大丈夫なのか」とは思いました。静かすぎるし、司会があんなにたどたどしいのって見たことないし。最後まで不安な気持ちを残したままオンエア当日を迎えました。
──すごくシュールですよね。勝手ながら一部のコアなお笑いファンが熱狂的に支持しそうな内容に思えたのですが、実際はそれを超えた広がりを見せました。初回はYouTubeで80万回再生されて、2600件以上のコメントがついています。
正直、想像以上の反響でビックリしました。YouTubeのコメント欄があそこまで盛り上がり、コミュニティのようなものができる番組はテレビ大阪では珍しかったんです。番組を「○○のよう」と例えるなど秀逸なコメントが多いですよね。コメント欄で番組も肉付けされて、より見応えのある番組にしていただいていると感じます。YouTubeのコメント欄がこう盛り上がれば……」という狙いは一切なかったので、こんなことになるんだという驚きが大きいです。制作陣もめっちゃコメント読んでます。
──コメント欄で印象に残っている声はありましたか?
「魚のいない水槽見てるみたい」。あれはすごいですよね。
──わかります。私も一番を選ぶとしたらあのコメントになるかもしれません。
あと、お笑い好きな方にはお笑いとして刺さっていると感じる一方で、「ニュースとして一番スッと入ってくる」という声もあって、それもうれしかったです。
──VTRパートが雑になってないのがいいですよね。普通、お笑い番組にあのようなVTRが挟みこまれると飛ばしたくなるんですが、そこも興味深く拝見しています。毎週観てるとしっかり知識が増えていきますし。
そのような意見はとてもうれしいです。
──ニュース番組として成立させるためのこだわりはあるのでしょうか。
そうですね。天竺川原さんに司会を務めていただいていますが、「NEWSクライシス」はニュース番組なんだという姿勢は軸として大切にしています。VTRは報道局長にも見てもらって、「ここはこういう表現のほうがいい」というようなアドバイスを受けているんです。社内を巻き込んで、報道部が作るニュース番組と変わらず、制作しています。
──あのVTRパートをそこまで本気で作っていると思うと、より一層番組が面白くなりそうです。取り扱うテーマは「川原さんに扱ってもらうと面白くなりそうなもの」のような基準はあるんでしょうか?
川原さんとの相性はそこまで意識していなくて、制作陣が興味のある内容を選んでいます。「身近なほうがいい」「新しく知れて、ためになる情報も含められるものがいい」といった基準で。
──ちなみに真空ジェシカ川北さんは、毎回「今夜のコメンテーターは真空ジェシカの川北さんです」と紹介されていますが、レギュラーというわけではない?
はい。コメンテーターは川北さん固定ではないです。毎回川北さんが選ばれているという形になります。
なぜレギュラー番組になったのかはわからない
──川原さんと川北さんがボケられるように誘導することもできる中、作り手はあくまで真面目にニュースを作っているからこそ、見たことのない化学反応が起きているような気がします。
変なことになってますよね。我々はいたって真面目にニュース番組を制作しているだけなんですけど。
──社内での評価や反響はいかがでしたか?
たぶん最初はまったく期待されてなかったんですよ。でも最初に番宣動画をアップしたらものすごく回ったので、そのときに初めて社内が「本編が始まる前にこんな再生回数いくの!?」「もしかしてエグい番組なのでは?」とザワついたと思います。チャンネル登録者数もすごい速さで増えていったので。
──その後、レギュラー化も決まりました。
レギュラー化の判断はすごく速くて、何が決め手になったのかはよくわかっていません。本当にこれを毎週やって大丈夫なのかと驚きましたが、それと同時に「ニュース番組としてしっかり視聴者のためになる番組にしていきたい」とも思いました。
──具体的に今後どのようなことをやってみたいですか?
他局でニュースをやっている時間帯にテレビ大阪では「NEWSクライシス」を流せたら最高ですね。
──革命ですね。
ちなみに、テレビ大阪でやった生放送をテレビ東京さんで後日放送したときは、ものすごく遅い時間帯だったんですけど、遅すぎてTBSさんの朝のニュース番組とちょっと被っていました。
──(笑)。では最後に改めて視聴者にメッセージをお願いします。
「NEWSクライシス」はニュース番組ですが、コメント欄が番組をより分厚くしてくれる大事な要素だと思っています。今後もご意見や取り上げてほしいテーマの案など、いろいろお気軽にいただければ幸いです。今後の番組作りに生かしていきます。
宣伝担当・渋木美里氏 インタビュー
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地上波になってたのか