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中学の球技大会、主力が4人遅刻した日の作戦

今回は、中学3年の球技大会の話。

僕のクラスは、サッカー部が多くて、優勝も十分狙える布陣だった。

そんなとき、ヤンチャな4人の主力が、第一試合に間に合わなかった。

僕を含めた7人は、「思った通り間に合わないか(苦笑)」っといった感じ。
むしろ、他の6人は僕も間に合わない可能性を考えていたみたい。

確かに、この頃は気を抜いていて、僕も遅刻が多かった。

結果、僕たちは11対7の人数不利で戦うことになる。

本来なら11人で戦うサッカーを、7人でやる。
普通に考えてもう絶望的。

そんな中、僕は人生において、とても大切な経験をし、大事なことを学んだんだ。

そんなお話。

その日の空気

組み合わせは抽選だった。全7クラスで、第一試合が後ろになるように祈りつつ、引く。

結果は……第二試合。

微妙。

まぁ間に合うだろうと、待ってみた。

が…1人もこない。

おいおいおい。

相手チームのサッカー部の友達が、茶化してくる。

全員が何かしらの種目に参加しているから、人員の補充もできない。

どんな形であれ、もう試合は始まる。

作戦

僕を含めた7人は、諦めモード。

まぁ普通はそうなる。

でも、中学最後の球技大会。
僕ら7人にとっても、まだ到着していない4人にとっても最後の球技大会。

「こんな形で終わっていいのか?」

そんな問いが、僕の中で巡っていた。

「このまま何もしないのはダメな気がする」

そう思った瞬間、僕の中で頭がクリアになり、覚悟が決まった。

そして僕は、今いる6人に作戦を提案した。

僕だけ、やや前の方にいて、ボールを持っている相手に走り回ってプレッシャーをかける。

相手チームのサッカー部は、せいぜい4人か5人。しかも、相手チームにはサッカー部のゴールキーパーがいない。

相手のミスなどからボールを奪えるかもしれない。
運よく奪えたら、どんなに遠くても、とにかくシュートを打つ。

でも、この作戦の大事なことは、僕一人が点を取ることではない。
僕が走り回って、相手のリズムを乱すこと。

それ以外のメンバーで全員守備に徹してもらい、とにかく失点をしないこと。
ボールを奪ったら、相手ゴールめがけて、目一杯キックすること。
無理なら、ピッチの外にキックすること。

僕は、そのボールをどこにいても必死に追いかけると約束した。

僕らのチームには、僕以外にサッカー部が2人いて、2軍のディフェンダーと、第4のゴールキーパーがいた。

あとは、サッカー未経験者でも、自陣のゴール前にごちゃごちゃといるだけで、十分守れる気がしたんだ。

守りの芯は、その2人に任せた。

決してカッコいいサッカーじゃない。

見ている側からしたら、地味で、必死で、ちょっと笑えたかもしれない。

でも、それしかないと思った。

なにより、あの4人が来れば勝てる!!

それまでを0点でいられるか?

最悪、PKまで持っていけば、このメンバーでも勝てる可能性がある。

そんな感じで、僕ら7人の目的は「0点に抑えること」というシンプルなものになり、みんなの目に輝きが戻ってきた。

第一試合

そしてキックオフ。

相手は油断している。
僕らも、決して無理はしない。

僕は、ボールを持っている相手に向かってダッシュ。
パスを回されても、パスの先にいる相手に向かってダッシュ。

そんな姿を見て、相手チームの仲の良いサッカー部の友達がまた冷やかしてくる。
でも、そんな言葉は無視!

その試合では、僕にしかできない役割があり、それにびっくりするぐらい集中していた。

たぶん、部活の公式戦でも、こんなに走ったことないくらい走った。

相手に攻められる。

僕も下がる。

味方が、明後日の方向に大きくキック。

今度は、ボールを目指して、またダッシュ。

その時、僕以外は決して上がらず、次の守りのことを考えてもらう。

届くはずない距離から、そのままシュート。
当然入らない。

時には、相手チームの陣地で、逃げ回るドリブルによる時間稼ぎ。

取られたら、またダッシュ。

試合は20分。

僕は走り続けた。

みんなも、必死に守り続けてくれた。

たぶん、残り5分を切ったところで、グラウンドの外に、サッカー部のエースの姿が見えた。

申し訳なさそうに、歯に噛んでいる。

「早く!!!!」

僕はそれだけ伝えて、また走る。

相手チームも、エースの登場にギアが入り、さっきより攻撃に厚みが出る。

僕はさらに下り目に構えて、死守。

エースは、間に合わず試合終了。

0対0で、PK勝負。

このPKは、1発勝負。

どちらかが外したら、そこで終わり。

でも、僕らは0点に抑えることを達成した!

PKと、そのあと

PKを準備しているときに、エース登場。

僕は膝がガクガクで、息も荒い。

他の6人もヘロヘロ。

キッカーを、エースに任せる。

そこは、ビシッと決める。

さすがだ。

相手は動揺したのか、サッカー部のレギュラーの友達が、枠を外す。

一回戦、僕らは勝利した。

「美味しいところを持っていきやがって♪」
そんな感じで、みんながエースのところに笑顔で走っていった。

0点で守りきった僕ら7人へのご褒美としては最高の結果だった。

そこで、残りの3人も登場。

遅刻したけど、試合が出来ることを3人もめちゃくちゃ喜んでいた!
遅刻したことへの謝罪と、第2試合につながったことへの感謝を、普段、そんなに会話していないであろうクラスメイトにも4人は伝えていた。

そんな景色を見て、膝といっしょに僕自身もめっちゃ笑っていた。

そして、僕らはそのまま、決勝戦までコマを進めた。

残念ながら、結果は準優勝だったが、ヤンチャな4人を含め、クラスのみんながいつもより一つになっている気がした。

おわりに

あのときの第一試合。

仲間を信じる。
僕を信じてもらう。
あきらめない。
かっこ悪くても気にしない。

この4つを、とても強く感じたエピソードだった。

作戦は地味だし、側から見たらカッコ悪い試合。
でも、最高に好きな思い出だ。

一人では決して辿り着けない場所に、みんなの力で辿り着いたんだ。

仲間を信じる力。

これを僕はこの球技大会で学んだ。

この学びは、僕のその後の人生のいろいろな場面で活きている。

特に、仕事の場面では、一人でやってしまったほうが早いことであっても、中長期的に見た時に、周りを巻き込んで進めるという選択肢が、常に僕の中で浮かぶようになっている。

もちろん、状況に応じて一人でやってしまうこともあるが、常に選択肢として浮かぶのは、この球技大会の思い出が関係しているような気がするんだ。

だから僕にとって、本当に大切な経験であり、思い出だ。


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