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「手指の荒れ」への、「手袋とキズぐすり」の効果を、身を持って知った、と思う。

 年齢を重ねたせいか、特に手指の皮膚が弱くなった。

 以前は、食器を洗うときも素手で、洗剤も使って、そのままスポンジを握り、平気だった。手袋を使うという発想がなかった。


荒れる手と指

 それが、変わった。特に手と指はケアをしないと、荒れるようになった。

 水仕事の時、ビニール手袋を使って、ハンドクリームも塗るようになって、それでも、手指の皮膚はあれて、ひどいときは、親指から小指まで、全部の指先にアカギレができることもあった。

 秋が深まる頃から、夏がきたと思える時まで、そんな状況が続き、医者にも行ったし、クリームや薬を塗って、手袋をして眠る生活を続けた。その期間は、ノート型コンピュータの指紋認証ができずに、毎回、パスワードを打ち込んでいた。

 だから、暑くなって、指紋認証ができるようになった時は、うれしかった、というよりもホッとした。もしかしたら2度と認証できることはないかもしれないと思うほど、手指のあれが続いていたからだった。

 もう、こういう冬は送りたくなかった。ずっと指先にアカギレがあって、こうしてキーボードを打つつときにも痛みが走り、だから、傷テープを貼ると、それが緩和されたが、指先がテープによって太さがかわるので、タッチの感覚が変わり、スムーズな文字入力ができなくなっていた。そういう事態は避けたかった。

水仕事と手袋

 妻も、その状態を知っていたから、寒くなる頃に、手袋を用意してくれた。今までは、箱に入っていて、それをティッシュのように引き出すタイプの、薄いビニールの手袋を使っていた。

 それでも、直接、水を触ったり、洗剤に触れたりしないはずだから、少しは有効だと思うのだけど、その手袋は手首のところから水が侵入することが多く、結局は、手袋をしていない時と同じになった。妻には、手首のところに輪ゴムをはめると違う、と言われて、それも試してみたのだけど、不器用なせいか、なんだかうまくいかず、やっぱり、手袋の指の先は水でふくらんでしまっていた。

 そんな姿を見ていて、妻が次に用意してくれたのが、もっと厚いビニール製の手袋だった。それは薄いものと違って、丈夫にできているし、色もついているし、明らかに値段も高そうで、使うのを遠慮していたものだった。だけど、そんな話をすると、妻は、「手と指のためだから」と使用することを積極的に促されたので、使うことにした。

 一番よかったのは、この厚めの手袋は、手首の部分が長く、上腕の部分まで覆っていることだった。さらには生地が厚いこともあり、薄いものよりは、クルクルと回ってしまって、丈が短くなることもなかった。

 そのため、この手袋を使うと、食器洗いのときも、水やお湯の侵入がまずなかった。ちょっと不便なのは、洗剤の泡が、とてもよく付着してしまうので、食器洗いの最中に、やかんのお湯が沸いたりして、その手袋のまま、やかんの取手をつかんだりすると、洗剤の泡がべったりつくことくらいだった。でも、それは別の作業をするときは、手袋を外せばいいことだった。

 厚めだし丈夫なので、もしかしたら何年も使えるのではないだろうか、というような思いもあったのだけど、しばらく使っていたら、突然、その手袋の指先が裂けることがあった。それは、右手の中指の部分の、一か所だけなので、もったいないという気持ちもあったが、そこに穴が開くと、それまでがウソのように水やお湯が侵入してきて(当たり前だけど)、手袋の機能は失ってしまう。

 そんなことを妻に伝えたら「もうそれはかえた方がいいよ。次のを用意するから」と言ってくれて、新しい手袋が台所に設置された。ありがたい。

 それにしても、あれだけ丈夫そうな厚みがあり、ビニール製とはいっても、どうしてあんなにパックリと何かに切られたような裂け方をするのか、納得がいかなかった。それほど乱暴に扱った覚えもないし、とがったものなどを触ったりした記憶もなかった。

 ただ、当たり前だけど、その手袋も毎日のように使っていたから、肉眼ではっきりと見えるようなレベルでないとしても、やはり少しずつ削られるようなことがあったのかもしれない。

 その後も、使っていると裂けてしまうことがあったのだけど、いつも右手が多く、だから、左手の手袋はそのまま使用していて、左右の手袋の色が違うような状態になったりもする。

 それでも、厚めの手袋を使ってから、直接、手と指が濡れたり、洗剤に触るような機会は圧倒的に減ったのは間違いなかった。

ハンドクリームの選択

 皮膚科には何度か通い、そこで処方された塗り薬のようなクリームも使い続けた。アカギレが目に見えて減ったわけではない印象だったのだけど、そのことによって、季節が変わって、暑くなる頃には、荒れが治ったのかもしれない。

 それでも、また寒くなってきたら、コンピュータの指紋認証が使えなくなってきて、そうなると、手指のケアを本格的に気をつけなくてはいけない気持ちになった。

 普段は、寒くなると顔などがカサカサにならないようにニベアを使うようになっていた。それは、顔などには効いていたし、普段は手や指にも使っていて、それなりに効果があると思っていたのだけど、アカギレが出来始めると、それほど効いている感じがしなくなった。

 もちろん、皮膚科で処方された塗り薬は、効果はあったと思うけれど、確か、診察のときも、もっと高いものがあることも知って(それは値段の高さで、遠慮してしまったが)、他にもハンドクリームの選択肢があることを、やっと理解するようになった。

 それでも、自分が買える範囲内で、いろいろなハンドクリームを試して、ニベアよりは少し高いけれど、赤いパッケージのものを使うようになった。

キズぐすりを使うようになった

 テレビのコマーシャルなどで、「アカギレ」に効く薬というような謳い文句だった。そこに出てくる人たちのアカギレの状態は、とても痛そうだったのだけど、画面の加工ではないか、といった気持ちで見ていたこともあり、もしかしたら、効果がないのではないか、といった疑いを持っていた。

 ただ、この前の冬は、指先の全部にアカギレができて、やっぱり辛かったし、ずっと痛みがあるのもやっぱり不快で、その印象と記憶が強かったせいか、だんだん寒くなってきたときに、一度は、この「アカギレ」のための薬を購入しようと思った。

 薬屋に行って、アカギレの薬をください、と伝えて、渡されたものを買った。それが、コマーシャルで見たものかどうかわからないけれど、とにかく、家に帰り、寒くなってきて、クリームも塗って、手袋もして眠って、それでもアカギレができてしまい、がっかりすることがあった。

 それで、せっかく買ったので、この薬を塗り、それからキズテープを貼った。

 手を洗ったり、顔を洗ったり、水につかるたびに、一番安いテープを使っているせいもあって、その度にはがれて、薬も塗って、テープを張り替えて、何日か経ったら、アカギレが治って、痛くなくなっていた。

 こういう短い期間での回復は、ここ数年では記憶になかったから、うれしかった。

手袋とキズぐすり

 寒くなってきてから、食器洗いの時は、面倒くさいけれど、厚めのビニール手袋を必ず使うようにして、他の作業をする時には、洗剤の泡がついてしまうので、外して、そして、また洗うときには手袋をしてきた。

 眠る時は、クリームを塗って、木綿の白い手袋を使うようにした。

 それでもアカギレができてしまうときは、気をつけているのに、と思うけれど、それでもキズぐすりを塗って、キズテープを貼って、なるべく早く治すようにしてきた。

 それで年を越して、2月が過ぎて、3月になっても、去年のように、アカギレがあちこちの指に一斉にできるようなこともなかった。親指には何回も痛みがあったし、今もキズぐすりを塗ってテープを貼ってはいるけれど、明らかに状態が去年よりもいいまま、なんとか桜の花の季節を迎えられそうだ。

 だから、これは個人的な体験にすぎず、本当に多くの人に通用するかわからないけれど、もし、寒い季節に手指の荒れがひどく、アカギレに悩んでいる人がいらっしゃいましたら、水仕事の時は、水をきちんと遮断できるような手袋をして、さらに、アカギレができたときも、早めに薬を塗って、テープで保護するのは、どうでしょうか。

 とても、基本的なことですが、効果があると、改めて思いました。







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