バターは乗せたら、乗せた分だけ美味い🧈
食パンを並べた横でバターを切り分けてた。
冷蔵庫から出したばかりで少し硬い。
包丁を入れて、一枚ぶん切る。
コメダより気持ち薄いくらい。
「厚い」
すぐ横から声が飛ぶ。
妻はトースターの前からこちらの手元だけ見ている。
「今、バター高いから」
そう言って包丁を取った。
刃がすっと入る。
薄い。
向こうが透けそうなくらい薄い。
そこまで薄いと、逆に不安になる。
その一枚をパンにのせる。
これでは、バター風味と変わらへん。
もう一枚。
......足りひん。
さらにもう一枚。
三枚目は、こっちを見ずにそっと置いた。
トースターに入れながら、何もなかった顔をする。
焼き上がったパンの上で、バターだけがきれいに同じ量で溶けていた。

◀️ 前話はこちら:板挟み😖
↩️ シリーズ1話:いまあなたに伝えたいこと✉️
