見出し画像

質より量|コンビニの増量キャンペーンに心奪われた日

セブンイレブンとローソンストア100が、ほぼ同時に“増量”を決めてきた。

セブンは『感謝盛り!お値段そのまま!人気商品50%以上増量』
ローソンストア100は『帰ってきた!デカ盛りチャレンジ』

コンビニ各社が、揃いも揃って「多いですよ」と囁いてくる。そんなことを言われて、平常心でいられるヒトがどれだけいるのだろうか。

期間限定。
増量。
デカ盛り。

これらには、ヒトが何千年も積み上げてきた理性を、あっさり無効化する力がある。

昨日は、セブンイレブンの『つぶつぶコーンマヨネーズ』を食べた。50%増量。袋を持った瞬間、コーンの密度がおかしい。増量というより、もうコーンの群れだった。


そして今日は、ローソンストア100である。

店内へ入ると、「デカ盛りチャレンジ」のPOPが、まるで選挙カーのように視界へ飛び込んできた。

ばくだんおにぎり和風ツナマヨ
たまごプリン
ダブルコロッケバーガーとクリームたっぷりエクレア


「通常の◯倍!」みたいな説明を見るたび、頭のどこかで“得している自分”が生成されていく。実際には量が増えただけなのに、なぜか人生まで豊かになった気分になるから恐ろしい。

朝ごはんとして、おにぎりとプリンを食べた。

ばくだんおにぎりは、名前の時点でもう勝っている。普通のおにぎりではなく“ばくだん”なのだ。持った瞬間、コンビニ飯とは思えない重量感が手首へ伝わってくる。


プリンもでかかった。

スプーンを入れても、なかなか底が見えない。食べても食べても減らない。昔ながらの、ちょっと固めのプリンである。途中から「美味しい」を超えて、「まだある」が感情の中心になっていた。


もう十分に、お腹がいっぱいになっていた。

セブンイレブンで買った『中華蕎麦とみ田監修 デカ豚ラーメン アブラ増』は、夜へと回すことにした。

総重量1キロ超え。

名前だけで胃袋が重い。


問題は......二郎系ラーメンを食べたことがない。いつ見ても行列だからだ。

結果......人生初の二郎系がセブンイレブンである。

初体験がコンビニでいいのか。まるで〇〇〇が〇〇で〇〇〇やないか。

レンジで温めようにも500Wで10分待たされるではないか。800Wなら何分や?

そうこうしている間に、部屋中にニンニクの香りが漂い始めてきたのである。

開けてみると、まず麺が太い。チャーシューも分厚い。アブラも浮いている。全体から「満腹にしてやる」という圧が出ていた。


噂の『わしわし麺』は噛むというより、掴んでいく感じだ。スープを味わうというより、量そのものと戦っている感覚に近い。

初体験がコンビニだったこともあり、二郎系の比較ができないし“こんなもんか”で食べていくしかないのだ。食べ終わる頃には量が多かったこともあり満足感はある。それでも「また並んででも食べたい!」みたいな衝撃までは来なかった。

増量コーンパン。
ばくだんおにぎり。
デカ盛りプリン。
デカ盛りラーメン。

ヒトは、なぜ『質より量』を求めたくなるのだろうか。

高級路線。
素材へのこだわり。
職人技。

世の中には、そういう“質”を売りにする食べ物がたくさんあるはずなのに、「増量」と書かれた瞬間、そっちを見る。

限定十食の職人ラーメンより、「今だけ麺2倍」の方に心が動く。

それは貧しさなのか、本能なのか。

物価が上がり続ける今、“量が増えている”という事実そのものが安心感になっているのだ。

損していない。むしろ得している。
増量とは、内容量の話ではない!

「まだ、胃袋は若いんじゃ」と錯覚させてくれる、現代人向けの精神安定剤なのである。きっと明日も、増量へと吸い寄せられる。

お腹より先に、「得したい」という感情を満たすために。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集