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銀河フェニックス物語<出会い編> 第十六話(2) 永世中立星の誕生祭

第一話のスタート版
第十六話(1)

「ええ。あいてますけど」
「うちの会社で社長秘書をしていた、アドゥール覚えているでしょう」
「はい、もちろん」

n11ティリー口少しひらく普通

 アドゥールさんは去年、そう、つぶれた契約の時に、ガロン技師長と一緒にわたしたちの担当だった。

 その後、会社を辞めて国民議会の発足に携わったという話は聞いていた。

「実は彼女、結婚したんですよ。それで、今晩、内輪でお祝いの会を開くことになっていましてね。一緒に行きませんか?」
「まあ、いいんですか。で、お相手の人は?」
 ガロンさんはもったいぶるかのように一呼吸おいてから答えた。

「実は・・・国民議会の初代大統領なんですよ」
「ええっ!?」
 驚くわたしに更に追い討ちをかけるような発言が続いた。

「今日はお忍びで教皇も顔を見せることになっているんです。これは内緒ですよ」
 ガロンさんは人差し指を口の前に立てながら言った。

 教皇や大統領なんてニュースの中の人たちだ。
 信じられない展開に興奮しながら、わたしが一番気になったのは他愛もないことだった。
「あのぉ、どんな服を着ていけばいいんでしょう?」

 パーティ会場は十二ノ丸の川べりにあるおしゃれなレストランだった。

 既に立食パーティが始まっていた。
 入り口でソフトドリンクを選びガロンさんと一緒に中へ入る。

 薄いピンクのワンピースに、仕事のスーツの上着を羽織った。何とかフォーマルっぽく見える、と思う。

 会場の中央で新郎新婦が出席者と談笑しているのが見えた。真っ白なウエディングドレスのアドゥールさん。

n170アドゥール

 元々綺麗な人だけれど今日は美しさが際立っている。華やかで、人を惹きつけるオーラがある。

 隣に立つ白いタキシードを着た新郎の大統領を見た時、わたしはどこかで会ったことがあるような気がした。ニュースで見たからだろうか。

 その時、背後からわたしを呼ぶ声がした。
「よお、ティリーさん」
 聞き慣れた声だった。

 ええええっ? この声って、まさか。
 振り向くと厄病神が立っていた。
「レイター、あなたどうしてここにいるの?」
「どうしてって、呼ばれたから」

n20レイターゆるみネクタイウインク逆

 上着は着ているものの、いつもどおりだらしなくネクタイをゆるめている。

 確かに前回の出張は、厄病神の船でこの星へ来たけれど・・・

 新郎新婦があいさつに近づいてきた。大統領がレイターに声をかけた。
「レイター。よく来てくれたな」
「うまくやったもんじゃねぇか、オルダイ」
「お前のおかげだ」

 肩を叩きあうレイターと大統領の会話は明らかに親しい仲だった。

 そしてわたしは大統領を近くで見れば見るほど、どこかで会ったことがあるという気持ちを強くした。左頬の傷に見覚えがある。

「お嬢さん。その節はいろいろとご心配をおかけしてすみませんでした」

n160オルダイ@タキシード笑顔

 わたしに向けられたその声で記憶がよみがった。

 服も雰囲気も、まるで違うけれど。
 この人、レイターが喧嘩した反王室グループのリーダーだ。

「お、おめでとうございます」
 と言うのがやっとのわたしにアドゥールさんが声をかけた。
「ティリーさん。お仕事ではご迷惑をおかけしてごめんなさいね。でもあの契約も成立したと聞きました。きょうは楽しんでいって下さいね」 

 その時だった。
「教皇が参りました」
 ガロンさんの声で、会場は一瞬のうちに静まり返った。        (3)へ続く

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48ノ月(ヨハノツキ) ティリー「サポートしていただけたらうれしいです」 レイター「船を維持するにゃ、カネがかかるんだよな」 ティリー「フェニックス号のためじゃないです。この世界を維持するためです」 レイター「なんか、すげぇな……」