銀河フェニックス物語 <出会い編> 第十八話(3) オールスター狂騒曲
・第一話のスタート版
・第十八話(1)(2)
わたしたちとボールロボの間に、レイターがすべり込んできた。
レイターはわたしの盾となりながら、赤いボタンに蹴りを入れる。
緑の光線がレイターの腕をかすめる。
「痛っ」
レイターが顔をしかめる。えっ? わたしは驚いた。
ポトン。
レイターに蹴られたボールロボが、床に落ちた。続いて、残り二つが襲ってくる。
「一つ終われば、あとは楽勝」
と言いながら、 レイターは、言葉通りに二つのボールロボを次々と片づけた。
*
「ふう、あんたらが入って来るとは」
めずらしくレイターが肩で息をしている。汗でびっしょり、相当な運動量だ。
レイターの腕を見ると、緑の光線がかすったところが、赤くみみずばれのようになっている。どういうこと?
「レイター、あの光線何なの? テレビで見た時は普通の反応ライトだったわよ」

「危なくねぇレーザー」
「危なくないって、あなた火傷してるじゃない」
「これまで火傷なんてしたことねぇし」
きょうは、わたしたちがいたせいだ。
「ご、ごめんなさい。勝手に入ってきて」
「謝ることねぇよ。礼を言いたいくらいさ。こんくらいの不測の事態に対応できねぇと、ボディーガード協会のランク3Aは務まんねぇからな。いい訓練になったぜ」
「訓練も大変なのね」
「更新試験が近いんだ」
「更新?」
「ボディーガード協会のランクは、一年更新なのさ」
レイターが持つ3Aは一番上のランクだ。
いつもおちゃらけているけれど、その裏でこんな訓練を積んでいたとは知らなかった。驚くとともにレイターのことを少し見直す。
「俺のこと惚れなおした?」
「ご冗談を」
レイターは、ベルの方を見てにっこり笑った。
「こんにちわ。ベル・ネフィルさん。スタイルいいねぇ。モデルさんみたいだ」
そう言いながらレイターは、ベルに握手の手を差し出し、うれしそうに握った。ベルはスラリと背が高くてかっこいい。
「会うのは初めてですよね? どうして、わたしのこと知ってるんですか?」

「俺、女性社員の顔と名前はみんな覚えてるから」
自慢げに語るけれど、それは自慢になるのだろうか。
「シャワー浴びてくる。リビングで待っててくれや」
*
ベルと二人リビングのソファーに座っていると、髪の毛を乾かしながらレイターが顔を出した。
腕に絆創膏を張っている。
マザーは何も言わずに、冷たいジュースをレイターとわたしたちに出した。
「きょうは、おそろいでどうしたんでい?」

わたしは気合いを入れてレイターをにらんだ。
「あなたに文句を言いにきたの」
「あん?」
「会社で誤解する人がいるから『俺のティリーさん』って言うのを止めてちょうだい」
「誤解?」
「ベルが教えてくれたんだけど、わたしとあなたがつきあってる、って勘違いしてる人がいるんですって」
「別にいいじゃん」
「良くない!!」
わたしは机を叩いた。
ベルが口を開く。
「わたし、ティリーの友だちなのでよく聞かれるのよ。二人はつきあっているのかって」
「じゃあ、『そうだ』って言っといてよ」
さらりとレイターが答える。
「レイター!!」
わたしは怒って立ち上がった。
「そんなに怒るなよ。いいじゃん、俺はあんたのことが好きなんだから」
(4)へ続く
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ティリー「サポートしていただけたらうれしいです」
レイター「船を維持するにゃ、カネがかかるんだよな」
ティリー「フェニックス号のためじゃないです。この世界を維持するためです」
レイター「なんか、すげぇな……」