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銀河フェニックス物語<出会い編> 第十八話(4) オールスター狂騒曲

第一話のスタート版
第十八話(1)(2)(3

「俺はあんたのことが好きなんだから」
 レイターがストローをくわえながら言った。

「・・・・・・」
 頭が真っ白になる。

 今、レイターは何て言った? 

 言葉を無くしているわたしの代わりに、ベルが聞く。
「レイターは、ティリーのことが好きなの?」

ノースリーブう口開くn43ベル正面@

「好きだよ。嫌いな奴のことを『俺のティリーさん』とは呼ばねぇさ」
「そうじゃなくて、ティリーのことを恋愛対象として見てるの?」
「もちろん」
 身体がのけぞった。息がきちんとできない。

 レイターは今、わたしのことを恋愛対象だと言った。
 これは告白なの?

 トクトクと心臓の音が聞こえる。
 レイターの冗談みたいな軽い話し方と、話している内容の重さが噛み合わない。

 働かない頭が計算している。
 レイターがわたしの彼氏になる、と、どうなる? 

「じゃあ、ティリーにちゃんと交際を申し込めば」
 ベルが突っ込む。

「う~ん、残念なんだけどさ、俺、特定の女性とはつきあわねぇ主義なんだよね」
「どういうこと?」
「世界中の女性が恋愛対象ってことさ」
 レイターはわたしを見て、にやりと笑った。

 いつものようにからかって楽しんでるんだ。無性に腹が立ってきた。  

「じゃあ、世界中の女性とおつきあいすればいいじゃない!」
 と大声を出してから気がついた。

 レイターには片思いの人がいるのだ。

「そういう事を言っているから『愛しの君』に相手にされないのよ」
「それはそれ、これはこれさ」

「愛しの君、って誰?」
 ベルが聞いた。
「銀河一のいい女さ」
 レイターの表情がいつになく優しい。

n28下向き@後ろ目微笑み4

「ティリーと仲良くするのは、浮気じゃないの?」
「ノンノン、言っただろ、俺は特定の女性と付き合わない主義だって」 
「不特定ならいいんだ」
「イエ~ス」
 意味が分からない。

 レイターを見ていると、指数関数的に苛立ちが増幅していく。
「伝えることは伝えたから。ベル、帰るわよ」
 わたしは船を飛び出した。

 ショッピングモールへ戻り、フードコートに席を取った。

 ドーナツセットを頼む。アイスコーヒーがおいしくない。
 マザーが出してくれた冷たいジュースを飲みそびれてしまった。

 ベルの口から出た言葉に驚いた。
「ねえ、レイターって、やっぱり格好いいじゃん」
「はあ?」
「わたし、トレーニング中のレイターを見ていたら、胸がドキドキしてきちゃったよ。すごかったね」
 確かにあの時のレイターは、かっこよかった。

 時々、そういう時がある。
 ボサボサの髪の毛を固めて、ネクタイをきちんと締めた要人警護中の彼はまるで別人。

n30@3カラー逆

 わたしは勝手に『よそいきレイター』と呼んでいる。
 ああいうレイターなら、と考えた自分にまたイライラする。

 ベルが言った。
「レイターって、ボディーガード協会のランク3Aだったんだ」
「腕が確かなのは認めるわ」
 これまで、何度、命を助けられただろうか。

「実は、あたしの従兄弟がボディーガードの仕事をしてて、3A持ってるの。更新試験が大変だ、っていうのは聞いたことあるよ」
「そんなに大変なんだ」
「3Aは収入が違うのよ」

 収入、その言葉を聞いて納得する。レイターはお金にうるさい。    (5)へ続く

第一話からの連載をまとめたマガジン 
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48ノ月(ヨハノツキ) ティリー「サポートしていただけたらうれしいです」 レイター「船を維持するにゃ、カネがかかるんだよな」 ティリー「フェニックス号のためじゃないです。この世界を維持するためです」 レイター「なんか、すげぇな……」