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銀河フェニックス物語<出会い編>  第一話 永世中立星の叛乱 (42)

第一話のまとめ読み①~(10) ②~(20)  ③~(30) ④~(40)
永世中立星の叛乱 (41)

 神殿内の集中電算室でアルボードが六十という数字を示している。

 レイターがつぶやいた。
「やっぱ、制御装置はガードが固いな。あと一分か。ドロテ持つかなあ」
「この後どうするつもりなんだ」
 俺は心配になって聞いた。

「あんた、いいアイデアない?」
 そう言ってこの男は笑った。星が滅ぶかどうかと言う時に。
 やはり力づくでも止めるか。

 身体に力を入れた俺をレイターは珍しく真面目な表情で見た。
「どっちにしても、ラール王室のバックにアリオロンがついて連邦軍の機密盗んでたってことが公になれば、この星の中立はつぶれる。もう戻れねぇんだよ。この星を救いたいならあんたも覚悟を決めな。切り札を持っているほうが勝つ」
 こいつの言葉に説得力があった。

 その時、
 ダダダダッツ

 集中電算室の鍵が破られた。
 大勢の足音が室内に響く。

 そしてレイターのよく知っている声がした。
「君にはとどめをさしておくべきだった、レイターフェニックス」
 アリオロンの工作員ライロット・エルカービレが立っていた。

n80ライロット@2スーツ前目叫ぶ

「残念でした」
「君の悪さもこれまでだ、逃げられんぞ」
 百人近い近衛兵たちがぐるりと銃を構えて囲んでいる。

 レイターが大声で叫んだ。
「撃てるもんなら撃ってみろ。重力制御装置ごと爆破してやる」

 何て響く声だ。
 横で聞いていた俺も背筋に寒いものが走った。
 重力制御装置の爆破という言葉で隊員の間に動揺が走るのがわかる。

 我々にとって重力制御装置は神なのだ。

「はったりだ」
 ライロットが大声で動揺を抑えようと叫びながら電子剣をしならせた。
 重力制御装置と繋がった集中電算室で飛び道具は使えない。

 電子剣による接近戦か。俺たちも剣を抜く。

 レイターの奴はアルボードの数字を気にしている。
 十秒を切った。

「オルダイ、数字が二になったらしゃがめよ」
 小声でつぶやいた。

「全員前へ」
 ライロットが指示を出す。
 剣を構えた隊員がそろりそろりと間合いを詰めてくる。

 五秒前、四、三、
 二秒前だ。俺たちが体をしゃがませた瞬間。

 ドォーン
 体中を重いものが走った。

「な、なんだ?」
 俺たちを取り囲んでいたライロットや隊員がばたばたと倒れる。

「行くぜ!! オルダイ」
 アルボードを引き抜くとレイターは走り出した。
 俺もレイターの後に続く。

 レイターは倒れている隊員の上を飛び越えざまに、銃を抜いた。

銃構える近衛カラー

 あいつは振り向きながら、起き上がろうとしている男に向けて撃つ。

 左胸を撃たれた男の身体が反動でびくんっと跳ねたように倒れた。

 アリオロンの工作員ライロットだ。
「ちっ、防弾スーツか。頭撃てりゃおしまいだったのに」
 レイターが舌打ちした。
 あの位置から頭を撃ったら、貫通した場合、重力制御装置に当たる。

 ドアの前にドロテが倒れていた。
「すまん」
 一言だけかけると俺たちは走り抜けた。

 神殿内の至る所で人が倒れている。

 俺はレイターに話しかけた。 
「すごい衝撃だったな」
「キーワード変換の瞬間、識別重力制御が切れたんだ。十Gはきついさ」     (43)へ続く

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48ノ月(ヨハノツキ) ティリー「サポートしていただけたらうれしいです」 レイター「船を維持するにゃ、カネがかかるんだよな」 ティリー「フェニックス号のためじゃないです。この世界を維持するためです」 レイター「なんか、すげぇな……」