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銀河フェニックス物語<出会い編> 第三十五話(2) わたしをバトルに連れてって

銀河フェニックス物語 総目次
第三十話(1
第三十五話 まとめ読み版

 バトル会場となるアステロイドのC3に到着すると、すでにギャラリーがたくさん集まっていた。

 通信モニターに紫の前髪の男性が映った。驚いた顔でわたしたちを見つめる。

アレグロ口を開く

「レイター、お前、きょうのバトル、助手席に人を乗せて飛ばすのか?」
「あん? アレグロ、そうだぜ」

 アレグロと呼ばれた人は、どうやらギャラクシー連合会の関係者のようだ。
 わたしが乗ると船が重くなって不利だ。「大事な一戦に、ふざけたことをするな」と怒り出すんじゃないだろうか。

「それは、よかった」
 意外なことにアレグロさんはほっとした顔を見せた。
「お前は裏将軍の頃、いつ死んでもいい様に人を乗せなかったからな。二人乗りだと俺は安心するよ」

 御台所のヘレンさんの話を思い出した

n300正面巣スーツ

「レイターは病んでた。あの頃、彼は死んだら彼女に会える、って滅茶苦茶な飛ばしをして、船に乗ったまま死にたがってた」

裏将軍時代の恐ろしい飛ばしの動画が頭に浮かぶ。

レイターは死に場所を求めて船を飛ばしていたのだ。
フローラさんの後を追おうとして・・・。

tハイスクール編

 ちらりとレイターの表情を見る。

「あんた、いつの時代の話してんだ。じじくせぇな。俺はきょう、御台の代打ちなんだろ」
「恩に切るよ」
 いつもと変わらない様子にほっとする。
 
「ティリーさん、こいつがギャラクシー連合会の総長、アレグロ・ハサムさ」 
 総長さんとは意外だった。アレグロさんの話す様子は紳士的で、荒くれた飛ばし屋を率いるというイメージと違う。

「初めまして。ティリー・マイルドです」

n11ティリー ポニーテール微笑カラー

「アレグロです。ティリーさんのことは御台から話を聞いてます。きょうはよろしくお願いします」

 一瞬、焦った。ヘレンさんはアレグロさんにどんな話をしたのだろうか。気になる。

 アレグロさんがレイターに言った。
「白魔は御台と対戦できないことに激昂している。今日は白魔の希望で大将戦のみだ」
「そりゃ負けられねぇな。御台に怒られちまう」

n1@5ウインク

 大将戦のみということは、レイターが白魔に負けたらギャラクシー連合会の旗が取られて、ホワイトブリザードの傘下に入るということだ。

 レイターが負けることはないと思うけれど、レースは何が起こるかわからない。宇宙塵が当たることだってあるのだ。

 白魔の船は一目でわかった。

 真っ白なマウグルア。ライバル社ギーラルの小型機だ。
「噂は本当だな。白魔の船、よく手入れされてる。相当な使い手と見た」
 レイターは目を細めた。速い相手と対戦できるのがうれしくて仕方ないと言った表情だ。

 スタート地点に着く。白魔のマウグルアが隣に並んだ。

 白魔が通信を入れてきた。モニターに顔が映る。
 名前の通り白い。肌も、髪も、服も。前髪に入った一筋の赤いメッシュだけが際立っている。

白魔む

 わたしと同じ年ぐらいだろうか。まだ、若い。

 透けるような白い肌を真っ赤にして怒っていた。
「オレは御台所とバトりたかったんだ。御台所め逃げたな。オレと対戦しなかったことを後悔させてやる」 

 レイターがわたしに顔を寄せて小さな声で言った。
「御台は大人気だな。今や飛ばし屋ナンバーワンだもんな」

 白魔がわたしたちを見て、さらに怒りを募らせた。
「助手席に女を乗せて飛ぶ気か! オレを、オレをなめてるのか」

「そう怒るなよ。俺は人を乗せて飛ぶのが好きなんだ」
 わたしの頭にレイターが軽く手を置いた。温もりが伝わる。

n39横目 @3頭に手

 胸の鼓動がトクンと音を立てた。

「今から負けた時の言い訳かよ」
「あんたの言い訳はバトルの後で聞いてやるぜ」   (3)へ続く

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48ノ月(ヨハノツキ) ティリー「サポートしていただけたらうれしいです」 レイター「船を維持するにゃ、カネがかかるんだよな」 ティリー「フェニックス号のためじゃないです。この世界を維持するためです」 レイター「なんか、すげぇな……」