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銀河フェニックス物語<出会い編> 第二十二話(2) 地球人のディナー

第一話のスタート版 
第二十二話(1

 今週のS1は『無敗の貴公子』エース・ギリアムの大事な一戦なのよ。

n62エース正面線画@真面目カラー

 レイターは興味がないかもしれないけれど、上期の全勝がかかってるんだから。

 イライラする。仕事が手につかない。
 フ~。
 深呼吸をして気を取り直す。


 隣の席のベルがわたしの顔を見て笑った。
「週末、どうするの? レイターとS1。それともカノオと地球で食事?」

n43ベル正面笑う

「どうして知ってるの?」
「噂になってるよ。派手に廊下でやったんでしょ。それにしても、地球で食事なんて滅多にできないよ」

「どうぞ、ベル、代わりに行ってきてちょうだい」
「相手がカノオじゃなけりゃね。あいつ金持ちのくせにケチだし、自分が地球人だ、って鼻にかけてるから、地球になんて行ったら、自慢話ばっかりだよ」

 完全に行く気が失せた。
「とにかく、カノオ君の申し出は断るわ」

 カノオ君はキャンセル料が発生する、と言っていた。
 地球のレストランのキャンセル料って、いくらするんだろう。わたしが払わなくちゃいけないのだろうか。

 断ると決めたら早い方がいい。

 会いたくないけど、直接カノオ君の顔を見て話そう。
 これ以上、誤解はごめんだ。

 立ちあがったわたしに、ベルが声をかけた。
「がんばってねぇ。S1はどうするの? フェニックス号に観に行ったらカノオがヤキモチ焼くよ」
 フェニックス号の大画面の4D映像システムで、エースの勝利を堪能したかった。
 でも、今週末は止めた方がよさそうだ。

 どうして、こんなことになっちゃったんだろう。

  カノオ君はモニターに向かって座っていた。後ろから声をかける。
「お仕事中ごめんなさい」
 カノオ君はすごい勢いで振り向いた。

「おお、ティリーか」

振り向きにやり

 その馴れ馴れしい呼び方止めて欲しい。

 続けてカノオ君は驚くことを口にした。
「週末の集合場所は、フェニックス号だからな」
「え?」
 意味が分からない。

「S1観てから地球へ行くことにした。レイターがフェニックス号を出してくれるそうだ」
「そうなの?」

n11ティリー@2白襟長袖口開く驚く

 それなら大画面でエースが見られる。

「ティリーはS1が好きなんだな。笑顔が見られてよかった。それに、これで酒も飲める」
「レイターを運転手にするつもりなの?」
 ちょっとムっとする。

「そうさ、あいつの仕事だろ」
「じゃあ、そのお金は誰が払うのよ」
 この間の出張でフェニックス号を動かすのにはお金がかかる、という話をカノオ君としたばかりだ。

「あいつから言い出した話だから、いいんだ」

下から見上げる 青年にやり

 レイターとカノオ君の間でどんな話があったのかわからないけれど、フェニックス号でS1レースを観ることができるなら、まあいいか、という気分になった。

「どうだった?」
 席に戻ると、ベルが興味津々といった顔で聞いてきた。

「よくわからないけれど、レイターとカノオ君が話して、S1観てからフェニックス号で地球へ行くことになってたわ」
「へぇ、流石だね、レイターは。ティリーへの愛を感じるよ」
「は?」

「カノオにはできない芸当だよ。フェニックス号でS1を観たいというティリーの願いを叶えた上で、カノウの機嫌も損ねない。キャンセル料も発生しないし、二人のデートを監視できる」
「監視って何よ、監視って」

「食事の後に、カノオが迫ってきたらどうする気?」
「そんなこと考えてなかったわ。食事はお断りするつもりだったもの」
「レイターがティリーの保護者になってくれるってことよ」
「保護者ぁ?」
「そうだ、週末、あたしもフェニックス号へ行くわ」      (3)へ続く

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48ノ月(ヨハノツキ) ティリー「サポートしていただけたらうれしいです」 レイター「船を維持するにゃ、カネがかかるんだよな」 ティリー「フェニックス号のためじゃないです。この世界を維持するためです」 レイター「なんか、すげぇな……」