銀河フェニックス物語<出会い編> 第三十三話(5) 宇宙に花火が打ち上がる
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体の大きな男性が、手に持った鎖をじゃらじゃら鳴らしながらがレイターに声をかける。
「俺はギャラクシー連合会武闘派のアギだ。お前を連合会総長がお呼びだ」
「何で?」
「ポリ公の犬に成り下がった」
「は?」
「宙航法の改正反対派を逮捕しやがって」
昼のシンポジウムは多くのマスコミが取材していた。
大臣に靴を投げようとした反対派をレイターが取り押さえた瞬間は、各メディアが何度も放送し、情報ネットワークでも一気に拡散した。
おそらくそれを見た反対派が逆恨みしているのだ。今にも飛びかかってきそうな気配。
レイターはアギという男性を見ながら顎をしゃくらせた。
「あんたらの質が落ちてるから、こんなことになってんだよ」
どうして火に油をそそぐようなことを言うのだろう。自分だって改正案に反対なのに。
「フェルナンド、ティリーさんを送っていってくれよ」
「わかりました」

フェルナンドさんがわたしの手をとった。
レイターは今にも喧嘩を始めそうだ。でも、彼らと争う必要はまるでない。レイターは反対派と同じ立場なのだ。
「ちょ、ちょっと待って、レイターは自分の考えをちゃんと相手に伝えればいいでしょ」
レイターがわたしを見た。目が合う。
「ほんと。ティリーさん、大好きだよ」

そう言いながらウインクした。
胸がドキンと音を立てた。よそいきレイターのせいだ。
この事態に不釣合いなさわやかな笑顔で、レイターは一体何を言ってるの?
思考が停止しているわたしを、フェルナンドさんがかばうようにして駐車場の端へと連れて行く。
「で、どうすりゃいいんだ?」
レイターと男たちのやりとりが聞こえる。
「裏将軍を本部まで連行する」
「嫌だと言ったら」
「力ずくで連れて行くまでだ」
振り向くと男たちがレイターに襲い掛かるのが見えた。
「待ちやがれ!」
暴走族のひとりが、わたしたちを追いかけてきた。
「失礼」
フェルナンドさんは軽く男に蹴りを入れて一撃で倒す。この人もほんとに強い。
停めてあったエアカーに乗り込む。
わたしたちを追ってくる人はもういなかった。
ということは、残り五人がレイターに向かっているということ。
「フェルナンドさん。レイターを助けに行ってください」

「それはできませんよ。あなたを置いていったら、僕がレイターさんに殺されます」
「だって、レイターが」
「僕の仕事はあなたを守ること。あの人なら大丈夫です。心配いりません」
フェルナンドさんはレイターを置いたままエアカーをプレジデント号へと走らせた。
* *
レイターに襲い掛かった全員が駐車場に転がっていた。
「つ、強ぇ。流石、裏将軍だ」
レイターがリーダーのアギの襟ぐりをつかんで体を起こした。
「その呼び方、恥ずかしいから止めろ。レイターでいい。じゃあ、連合会本部へ案内しろ」
「来てくれるのか?」
「行かねぇとは言ってねぇよ。俺は連行されるのが嫌だ、っつったんだ」
レイターは、アギが用意した品のない塗装のエアカーに乗り込んだ。
(6)へ続く
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ティリー「サポートしていただけたらうれしいです」
レイター「船を維持するにゃ、カネがかかるんだよな」
ティリー「フェニックス号のためじゃないです。この世界を維持するためです」
レイター「なんか、すげぇな……」