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銀河フェニックス物語<出会い編>  第三十一話(2) 恋の嫉妬と仕事の妬み

第一話のスタート版
第三十話(1
第三十話 まとめ読み版①

 わたしは営業企画課で、サブリナは隣の法人営業課。
 部署が違っていてよかった。

「契約取れちゃったんです」と笑顔で報告するサブリナ。同じ課だったら「おめでとう」と言う余裕がなかっただろう。

 今では社内事情もわたしより詳しい。プライベートでは研究所に勤めるジョン先輩という彼氏もいる

S51プーとサブリナ2

 どこで差がついてしまったのだろう。


 今回、コッペリ社へ厄病神の船で行くことが決まって、隣の席のベルに言われた。

n44ベル横顔@タートルカラー

 「良かったじゃん。契約だったら厄病神の船じゃがっかりだけど、どうせ頼まれ仕事でしょ」と。

 フェニックス号で仕事に出かけると、失敗するというジンクスがある。
 これまでにわたしも大規模デモに巻き込まれたり、環境テロに襲われたり、散々な目に遭ってきた。

 ベルの言葉を聞いてわたしは、恐ろしいことが頭に浮かんだ。厄病神の船で出かけて、サブリナの契約が失敗すればいいのに、と。

 頭を思いっきり左右に降る。
 そういう事を考えていると、自分が失敗するのよ。とにかく、わたしは自分の仕事をしっかりやり遂げなくては。
 と、気合を入れてさらに落ち込む。
 そんな大層な仕事ではないのだ。

 わたしの仕事は、コッペリ社の事業計画資料を受け取ってくる、というもの。
「大事な資料だから。よろしく頼むよ」

n75フレッドやや笑う逆

 と、フレッド先輩は言ったけれど、はっきり言って誰でもできる。

 頭が重い。眉間の奥がツンとする。骨に皮膚が張り付いてしまった様な嫌な感じ。
 頭痛、いや、これはストレスだ。

「食事できたぜ」
 インターフォンからレイターの声が聞こえた。二人と顔を合わせたくないな。

 ふぅ〜。きょう何度目かわからないため息をつきながら、わたしはゆっくりと腰を上げた。

「すごいですね。フェニックス号のキッチンは」
 エプロンをつけたサブリナが興奮している。
「わたし、料理が好きなんです。炎が出るコンロ、憧れです」

 フェニックス号には電磁調理器の他に、業務用のガスコンロがある。サブリナは素直に話しているだけ。
 わかっている、悪意はない。なのに、料理が下手なわたしへの当て付けに聞こえる。

「料理好きの彼女を持って、食いしん坊のジョン・プーは大喜びだろ」

t20ななめ@エプロンにやりカラーバックなし

「わたしの手料理、なんでも、喜んで食べてくれるんですよぉ」
 明るくのろけ話を聞かされる。

「今日の生姜焼きは、サブリナさんのお手製だぜ」
 レイターがダイニングテーブルへお皿を運んできた。

 ジンジャーの香りが漂う。
 三人で食卓を囲み、サブリナの作った熱々の生姜焼きを口にする。
 しっかりとした味付け。レイターの調理とは少し違う。

「おいしい」
 思わず声が出た。

t23@スーツ食事

「ティリー先輩、ありがとうございます。やっぱり、火で炒めるのは違いますね。それに、包丁もそろっていて、レストランの厨房みたいです」
「俺、調理師免許持ってるから」
 レイターが自慢げにサブリナに伝える。
「プロだったんですか。納得です」

「サブリナさんは、あすの晩はジョン・プーと祝勝会かい?」
「はい、ソラ系のお店を予約してます」
 サブリナがにっこりと笑う。

 大型の契約を取って、彼氏と祝勝会のディナー。羨ましい限りだ。     (3)へ続く

第一話からの連載をまとめたマガジン 
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48ノ月(ヨハノツキ) ティリー「サポートしていただけたらうれしいです」 レイター「船を維持するにゃ、カネがかかるんだよな」 ティリー「フェニックス号のためじゃないです。この世界を維持するためです」 レイター「なんか、すげぇな……」