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銀河フェニックス物語<出会い編>  第一話 永世中立星の叛乱 (24)

 ・第一話のまとめ読み①(1)~(10)   ②(11)~(20)
永世中立星の叛乱 (21) (22) (23)

 武装した警備隊が、本社を守るようにずらりと並んでいる。
「どうしてここがデモ会場になっているの?」

「あんた、ここの社長が誰だか忘れてるだろ?」
 レイターに言われて気がついた。ガーディア社の社長は教皇の弟。王室だ。

 あふれかえる学生たちの脇を通って、わたしたち三人はガーディア社へと入った。
「フレッド、どうせ契約うまくいかねぇんだから、きょうは早く切り上げろよ」

物まねアップ@バック白

 上着を肩にかけたレイターがフレッド先輩に話しかける。
「うまくいかないとは、失礼な」

「昼までにここを出ねぇと帰れなくなるかも知れねぇぜ」
「帰れないってどういうこと?」
 不安になってたずねる。

「十一時に一ノ丸の神殿前で学生の追悼集会が開かれる。ここはその後のデモ行進のコースにあたってんだよ」
 今朝のニュースを思い出した。警官隊との衝突で学生が死亡したと伝えていた。

 フレッド先輩は強気だった。
「僕達を警護するのが君の仕事だ。僕の仕事は来期の契約を成立させること。時間の約束はできないね」

「ああそうですか」
 レイターは肩をすくめた。

* *

 二十五ノ丸駅。
 オフィス街と住宅地を結ぶ繁華街のターミナル駅は昼夜を問わず賑わっている。

 アーサーは人の流れに沿って広いコンコースを歩いていた。
 気配を感じる。早速、食いついてきたか。

 確かにレイターが言う通りいろいろと釣れそうだ。
 背後の人影に意識を集中する。
 サラリーマン風の男。

 アリオロンか、レイターの言っていた別の勢力か分からないが、尾行の様子からしてプロであることは間違いない。

 まあ私もプロだ。
 すっと人ごみの中に紛れ込む。男があわてて私の行方を探している。

 ご挨拶するか。

「どなたかお探しですか?」
 男の背中に笑顔で声をかける。

n32アーサー正面笑顔スーツ

 相手の身体が一瞬にしてこわばった。

 男の腰にコートで隠した銃を突きつけたまま、明るく会話を続ける。
「お手伝いしますよ。ご一緒しましょうか」


* *

 二ノ丸にあるガーディア社本社。

 その八階の応接室で、ティリーはガーディア社との交渉を記録していた。
 先方はきょうはアドゥールさん一人だ。

 フレッド先輩は机の向こうのアドゥールさんにとうとうと説明を続けた。

 「ですからこの価格でしたら御社にとっても悪い話ではありませんし・・・」

アドゥール フレッド逆

 先輩はわたしが驚くほどの高額な検査費を提示をした。

 ライバルのイグート社やギーラル社が認定を取れない時にうちだけ5S-Lを取得できれば逆にチャンスだ、と先輩が本社を説得し、お金を引き出したのだ。

 さすがだ。

「金額ではないと申し上げたはずです」
 アドゥールさんが困った顔をしていた。

「では、理由をお聞かせください」
「昨日もお伝えしたようにラールからの指示です」
「高重力検査における宇宙船部門の収益は御社の経営を支えています。その突然の削減はステークホルダーへの影響が大きすぎます。説明責任についてどのようにお考えですか?」

 トップ営業マンのフレッド先輩は粘り強いことで有名だ。

 交渉が膠着したまま時間が過ぎていく。
 

 窓の前に立つレイターは外の様子を気にしていた。「きょうは早く切り上げろ」と言っていたことを思い出す。
 時計をみると、間もなくお昼だ。学生のデモはどうなっているのだろう。

 と、その時
 バババババッッ

 窓の外から破裂音が聞こえた。
 嫌な音だ、と思った直後に館内に非常ベルが鳴り響いた。

 リリリリリリリリリリリリー。

 外を見ようと立ち上がるわたしの腕をレイターが引っ張る。
「窓側に立つな」
「えぇっ!!」

 外に広がる光景に驚いた。     (25)へ続く

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48ノ月(ヨハノツキ) ティリー「サポートしていただけたらうれしいです」 レイター「船を維持するにゃ、カネがかかるんだよな」 ティリー「フェニックス号のためじゃないです。この世界を維持するためです」 レイター「なんか、すげぇな……」