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銀河フェニックス物語<出会い編> 第五話(16/25) 今度はハイジャックですって?!

<第五話のあらすじ>超豪華客船『カシオペア』はマヌ星に到着した。人質の大半が解放されることになった。レイターと一緒に船に残るというティリーにレイターは真面目な顔で船を降りるよう諭した。(1)~(15)

「銀河警察がアラ星系まで送ってくれるから、それまでちゃんと坊主の面倒みてやれよ」
 釈然としない。でも、反論できない。
 レイターは『銀河一の操縦士』で、今、この状況を的確に仕切っている。そしてわたしは足手まといでしかない。
 わたしはレイターの目を見て絞り出すように言った。
「・・・気を付けて」
「あいよ」

n22レイター正面アップにやり@

 買い物にでも行くような軽い挨拶だった。

 解放される人質の列が流れ出した。わたしはミゲルの家族と一緒に乗降口へと歩いた。
 窓の外は砂嵐が吹き荒れている。船の出口とマヌ星のターミナル空港はボーディングブリッジでつながれていた。
 空港側に銀河警察がいるのが見える。ここを渡れば自由だ。

 警察が突入してくるのを防ぐためだろう、見張りのハンスはスプレー銃をわたしたちに向けて立っていた。
 それを見て思い出した。
 レイターも大量の毒を吸ったのだ。彼だって船長たちと一緒に病院で看てもらった方がいい。

 見張りのハンスに提案した。
「ねぇ。操縦士のレイターも病院に連れていった方がいいと思うの。彼、大量に毒物を吸ってるのよ。途中で操縦士が倒れたらアリオロンまで行けないわよ」
「僕には決める権限はない」
「じゃあ、わたしが交渉するわ」
 リーダーのオグリースに提案しよう。
「お母さんを守ってね」
 わたしはミゲルの手を放し、今来た道を戻ることにした。

 見張りのハンスは持ち場を離れる訳にもいかず困っている。
「人質が一人増えてもあなたたち困らないでしょ」
 そう言ってわたしは歩き出した。

 マヌ星に到着したか。
 アリオロンの工作員ライロットはカシオペア上部にあるコンパーメント船室の一つに潜んでいた。長期滞在の客が利用する個室。

n80ライロット

 オグリースが人質の大半を開放したな。想定通りだ。
 乗客乗員百人を抑えるのは負担が大きい。人質十人の選抜はすでにシナリオとして用意してあった。

 この隙に船から離れたいが、砂嵐警報が出ていては降りられぬな。
 我が軍が到着するまでしばし待つとするか。

 この船は広い。ティリーはため息をついた。

 歩いているうちに道に迷ってしまった。わたしは方向音痴だ。ここはコンパーメント船室だわ。
 あれ? 誰かいるのかしら。人影が動いたような。

 いやいや、いるわけないわよね。乗客は全員中央船室に集めさせられたし、スタッフロボも倒れているんだから。

n12ティリー振り向き逆

 中央船室への案内板を見つけてほっとする。これに沿って行けば大丈夫。

 なんとか、中央船室まで戻ると、ルギーナ王妃が驚いた顔で近づいてきた。
「どうしたの、ティリーさん?」
「道に迷ってしまって」
 照れ笑いをする。

 バンッ。

 と、操縦室のドアが開いてレイターがすごい勢いで飛び出してきた。
 中のモニターで見ていたのだろう。「あなたも病院へ行こう」って言おうとした時、レイターが大声で叫んだ。

「バッカ野郎! 何で戻ってきた」
 怒鳴られてわたしはカチンときた。
「あなたの仕事は何なのよ」
「は?・・・あんたを守ることだっつったろ」
「じゃあ、わたしが一緒にいないと困るでしょ」
 レイターが驚いた顔をしている。

「俺、あんたが何言ってんだか、さっぱり理解できねぇんだけど」
「あなたが心配なのよ」
「はあ? この俺が心配?」
 レイターが間の抜けた顔をした。

 確かにこの人はおそろしく優秀なボディーガードで自分の身を守ることぐらい簡単で、わたしが心配をする必要なんてどこにもない。
 だけど、だけど・・・。わたしはほんとに心配だったのだ。涙がでてきた。

 レイターが困った顔をしながらあやすようにわたしの頭に手を置いた。
「参ったな」
 レイターの手が熱い。
 やっぱりこの人熱っぽい。病院へ行った方がいい。と思った時のことだった。

「交代の操縦士が到着しました」
 スプレー銃を突きつけられながら航空会社の制服を着た若い男性が中央船室に入ってきた。制帽を深々とかぶっている。

n30アーサー帽子口開く

「初めまして、銀河航空のアーサー・ブラウン一等航海士です」
 驚いた。その声に。     (17)へ続く

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48ノ月(ヨハノツキ) ティリー「サポートしていただけたらうれしいです」 レイター「船を維持するにゃ、カネがかかるんだよな」 ティリー「フェニックス号のためじゃないです。この世界を維持するためです」 レイター「なんか、すげぇな……」