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銀河フェニックス物語<出会い編> 第五話(13/25) 今度はハイジャックですって?!

<第五話のあらすじ>ハイジャックされた超豪華客船『カシオペア』でレイターの公開処刑が始まり警護ロボが襲い掛かった。その時、連邦軍がカシオペアを砲撃。スタッフロボの指示系統が破損した。(1)~(12)

 レイターがオグリースの襟ぐりを掴んだ。
「公開処刑は終わったぞ。どうするんだ」

 次の瞬間、
「キャー」
 女性客室乗務員の声が船内に響いた。

 操縦室からヘルメットを着けた黒づくめの犯人二人が慌てて扉の外へ走り出してきた。
 レイターが犯人の一人を捕まえる。
「おい、操縦席で何があった?」
「あ、誤って毒物が・・・」

 レイターが壁の横のボタンを押し、マイクで叫んだ。

n22レイター正面アップ口開く

「酸素マスクの装着を願います。毒物が客席へ流れ込む恐れがあります」
 天井から客席に酸素マスクが降りてきた。
「船長も操縦士も倒れた」
 犯人の言葉に、レイターが操縦席へ飛び込もうとする。
「や、止めろ。中は毒が充満している」
 ハイジャック犯がレイターを止めた。
「マスクしてんだろ。あんたらも来い」
 逆にレイターは、犯人の男たちを引き連れて操縦席へと入っていった。

 ティリーは不安になった。
「レイター!」
 酸素マスクも付けないで大丈夫だろうか。

 心配だけれど自分のことで手いっぱいだ。降りてきた酸素マスクをあわててはめる。
 わたしは後ろの席を振り向いた。

n12ティリー振り向き眉毛直線

 母親が一人で悪戦苦闘している。
 座席を回転させる。なぜかシートベルトが外せた。立ち上がってお兄ちゃんのミゲルがマスクを付けるのを手伝う。

 「キョウコ!  アレグラド系の解毒剤を至急、操縦室まで」
 レイターの緊迫した声がスピーカーから流れた。

 よかった。レイターは無事だ。
 彼はボディーガード協会のランク3Aなのだ。ちゃんとわかって対処している。

 レイターはコクピット内にいた船長たちを、犯人と一緒に外へ運び出していた。船長たちはみんな意識を失っているようでぐったりしている。

 一体何が起きているんだ。
 反スチューデント連盟のリーダーオグリースは操縦室の前で呆然と突っ立っていた。
 スプレー銃を握る手が震える。

 さっきの衝撃は何なんだ。攻撃されたのか。豪華客船であるカシオペアが? 一体誰に?
 警護ロボも倒れている。ほかのスタッフロボも制御が切れてマネキン人形のように固まっている。

 船長たちは大丈夫か。死んでもらっては困る。
 操縦席には仲間の二人を見張りに当たらせていた。
 船長、操縦士、副操縦士の三人は静かに我々の指示に従っていた。その様子に油断した。

 カシオペアが攻撃され、船内が揺れた。
 その一瞬の隙をついて船長たちは工具を手に仲間に襲いかかってきたのだ。
 操縦士を殺してはならないと命じてあった。スプレー銃は脅しのはずだった。だが、本気で我々を殺そうと殴りかかってくる船長たちから身を守るためには、スプレー銃を使うしか術が無かった。

 シナリオがみるみる崩れていく。
 いくつもの事態に合わせて想定を作った。だが、この状況に対応できるシナリオはどこにもない。

「ミスターR」
 警備室を呼ぶ。仲間の声が通信機から聞こえた。
「ミスターRがどこにもいません」

 運び出された船長たちはリクライニングシートの特等座席に寝かされていた。ティリーは様子を見ようと酸素マスクとシートベルトをはずして近づいた。

 キョウコが持ってきた解毒剤をレイターが手慣れた様子で船長に注射していた。不思議だ。ほかのスタッフロボは固まっているのに給仕ロボのキョウコだけはなぜか動いている。

n130キョウコ逆

 医師だという年配の男性客が手伝っていた。
 わたしはレイターに声をかけた。
「大丈夫? 手伝うことある?」
「ティリーさんあんまし近づくな。俺の服に毒素が染みちゃってっから」
     (14)へ続く



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48ノ月(ヨハノツキ) ティリー「サポートしていただけたらうれしいです」 レイター「船を維持するにゃ、カネがかかるんだよな」 ティリー「フェニックス号のためじゃないです。この世界を維持するためです」 レイター「なんか、すげぇな……」