「ナースコールが押せない」あなたへ。痛み止めを我慢することが、リハビリを台無しにする本当の理由。
「看護師さんは忙しそうだし、
これくらいなら我慢しなきゃ…」
暗い病室で、ナースコールを握りしめたまま痛みに耐えていませんか。
「わがままって思われないかな」
「さっきも呼んだしな」
その遠慮が、回復を遅らせているかもしれません。
大学病院で17年以上働いている看護師として、はっきり伝えさせてください。
痛みを我慢することは、美徳ではありません。回復の敵です。
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1.なぜ「我慢」が回復を遅らせるのか
🟨🟨痛みは体力を奪う🟨🟨
激しい痛みに耐えているだけで、体は想像以上のエネルギーを消耗します。
手術後の体はただでさえ回復に全力を使っています。そこに「痛みと戦うエネルギー」まで使ってしまうと、リハビリに使えるエネルギーが残りません。
「なんとなくだるくて、リハビリに気持ちが向かない」という方の多くが、痛みを我慢しすぎているケースです。
🟨🟨筋肉が固まる🟨🟨
痛いと、人は無意識に体に力を入れます。
肩をすくめる、体を丸める、息を止める。
これが続くと筋肉が緊張したまま固まり、関節の動きが悪くなります。
せっかく手術で関節を修復しても、筋肉の緊張で可動域が広がらない。これが「痛みを我慢しながらリハビリをしても進まない」の正体です。
🟨痛み止めを「早めに飲む」方が薬の総量が減る
「痛くなってから飲めばいい」と思っていませんか。
実は逆です。
痛みが「激痛」になってからでは、鎮痛剤が効くまでに時間がかかり、結果的に多くの量が必要になります。痛みが軽いうちに飲む方が、少ない量で効果が出ます。
「我慢してから飲む」より「早めに飲む」方が、トータルの薬の量を減らせます。
2.よくある誤解に正直に答えます
🟨🟨「依存症になりませんか?」🟨🟨
術後の短期間の使用で依存症になることは、まずありません。
依存性が問題になるのは、医療用麻薬(オピオイド)を長期間・大量に使用した場合です。
整形外科の術後に処方される一般的な痛み止め(NSAIDs・アセトアミノフェンなど)では、適切な量・期間であれば依存性の心配はほとんどありません。
不安な場合は「この薬に依存性はありますか?」と遠慮なく看護師か薬剤師に確認してください。
🟨🟨「効かなくなりませんか?」🟨🟨
上で説明した通り、痛みが軽いうちに飲む方が効果が出やすい。「我慢してから飲む」を繰り返す方が、薬が効きにくくなるリスクがあります。
🟨🟨「胃が心配です」🟨🟨
NSAIDs(ロキソプロフェンなど)は胃への負担があります。そのため多くの場合、胃薬が一緒に処方されています。
食後に服用すること、胃薬と一緒に飲むことで負担を減らせます。空腹時の服用は避けてください。
3.賢い「ナースへの頼り方」3つのコツ
🟨コツ① 「リハビリのため」という魔法の言葉
「痛いからください」と言いにくければ、こう言ってみてください。
「次のリハビリを頑張りたいので、今飲んでおきたいです」
この言葉を聞いた時、看護師は「よし、全力でサポートしよう」と思います。本当です。
🟨コツ② 「痛みの波」の登り坂で呼ぶ🟨
痛みには波があります。
痛みの波:
軽い → 中程度 → 激痛
「激痛」になってから呼ぶと
薬が効くまでに時間がかかる。
「中程度」になってきたタイミングが
ナースコールを押すベストタイミング。
「あ、痛みが強くなってきたな」という
登り坂で呼ぶ。
🟨コツ③ 「忙しそうだから」は気にしなくていい理由
ナースが走り回っているのを見て、「こんなことで呼んでいいのか」と思う方がいます。
でも、こう考えてみてください。
痛みを我慢して症状が悪化する
↓
後で緊急対応が必要になる
↓
ナースの手間が増える
早めに呼んでくれる方が
お互いにとってハッピーなのです。
あなたの苦痛を取り除くことが、私たちの仕事です。
遠慮して「後で大変なこと」になる方が、ナースは困ります。早めに呼んでください。
4.あなたはわがままではありません
手術という大きな試練を乗り越えたあなたは、すでに十分頑張っています。
これ以上、一人で痛みと戦わないでください。
ナースコールは「わがままを言うボタン」ではありません。あなたと私たちが繋がるための「助け合いボタン」です。
次は、遠慮なくそのボタンを押してください。
私たちは、あなたの「リハビリを頑張りたい」という気持ちを全力で受け止めます。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の医療相談の代替となるものではありません。痛みの管理については担当医・看護師にご相談ください。
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