「生きていてよかった」と思った話
「ねぇ、ベースやんない?」
夫の椎名ピザは、noterのNOCKさんyuhiさんとThe notersというバンドを結成した。
notersラインが動くと嬉しそうなピザを見て、「青春してんなぁ」と思っていたが、まさか「ベースやんない?」と自分にボールが飛んでくるとは。
「うーん、楽しそうだからやる!」
※実際は何度か誘われ、悩みながらもピザが懲りずに誘ってくれたおかげで出演することができた。
そんなこんなで、私は十年近く触っていないベースを弾くことにした。
去る9月14日(日)、福島県白河市の某所でライブが行われた。観客の方も遠路はるばる足を運んでくださり、とても素敵で楽しい時間となった。
皆様への感想・メッセージを以下に記したいと思う。
◼️冬グレープフルーツさん
yuhiさん、椎名ピザの漫才コンビ。natsu-mikanの対義語とは言われるまで気づかなかった。途中ピザがyuhiさんの名前を呼び間違えるも、「むしろ最初からその予定だった?」というくらいそれを笑いに変えていたのは、さすがだなぁ〜と思いながら笑ってしまった。
yuhiさんの穏やかなツッコミと、ピザの加速していくボケ。ほぼアドリブに近いからこその温度感。
会場を温めてくださりありがとうございました!
◼️mikakoさん
mikakoさんに誘っていただき、夢のような話シリーズより『静かな奈落』『本当の楽園』の朗読劇を行った。
mikakoさんのお芝居は圧倒的で、恐ろしいほど美しかった。「そうそうこれなんだよこれ、私の作品に出したい気配・雰囲気はこれなんだよ!」と脳内で叫びながら隣で聞いていた。
本番前まで色々と考えてくださり、頼りっきりでしたがmikakoさんのおかげで形になりました。natsu-mikan、ご一緒させていただきありがとうございました!
◼️椎名ピザ
しっかりアーティストだった。ギターを始めた頃から見ていたが、そのギターへののめり込み具合、弾き語りの上達度(私できないのに上からの言い方ですいません)、楽しいと思えること自体きっと才能あるんだろうなぁ。
『折り紙』を初めて家で聴かせてもらったとき私は素晴らしくて涙が出たが、会場で私と同じように感動している人がいたかと思うと胸が熱かった。
『空には星が綺麗』はぜひ歌い続けてほしいし、『折り紙』はまたどこかで歌って欲しい。ぜひ多くの人に届いてほしい。
スカッとする清々しい歌い方が素晴らしかった!ベース誘ってくれてありがとう!
◼️はちななさん
ステージを観るのは二度目だが、三人が出てくるとその場の空気をほわ〜っと穏やかに優しく変えてしまうのが不思議。(会場は優しい空気に包まれていたが更に)
リハーサルでは少しだけ泣いていたゆうくんも、本番はお父さんお母さんの歌を子守唄にすやぁ〜と寝られていたのがとても微笑ましかった。
yuhiさんの慣れたギター捌き、mikakoさんのあたたかな歌声、ゆうくんから醸し出される天使の癒しの空気。
なんといっても、くまさんの詩『まあるいまあるい』に載せた曲は圧巻だった。その場にくまさんの娘さんがいらっしゃり、「娘さんとの思い出を書かれたそうです」というMCでもう涙が出た。はちななは、じわじわと体の芯から温めてくれるような不思議な力を持っていると思う。
また、はちななを観て心のデトックスがしたいです!ありがとうございました!
◼️特別ゲスト:椎名ピザ・納豆ご飯の愛娘(通称エルサ)
natsu-mikanのお芝居から、「私も前に出たい!いつ出れる?」と出番を与えられてないことに憤っていた娘。NOCKさんの粋な計らいで、はちななさん〜NOCKさんの出番の間にアナ雪の『Let It Go〜ありのままで〜』を歌わせていただいた。
エルサのワンピース、エルサのサンダル、エルサと同じ三つ編みと衣装はばっちり。毎朝ママチャリの後ろで練習している甲斐があり、完璧に歌い上げ、その場の空気を自分のものにしていた娘。とっても上手だったよ。
初ステージおめでとう!
◼️NOCKさん
NOCKさんの力強くも綺麗な歌声はライブ配信で何度か聴いたことあったが、生で聴くとまた一段と素晴らしさを感じれた。
Ryu Matsuyama『hands』は、あの会場をしんと静まらせ、どこかでピチャンと落ちた綺麗な水の音を聴いている感覚に陥った。
椎名ピザ作詞の『わたしはティラノサウス』は可愛さとどこかちょっぴり切なさがあり、それがまたNOCKさんの美声を引き立たせていた。
NOCKさん、今回のライブでは本当に何から何まで色々とありがとうございました!
◼️the noters
そして最後はnoters。リードギターyuhiさん、リズムギター(&ボーカル)椎名ピザ、ドラム(&ボーカル)NOCKさん、そして私納豆ご飯はベースで参加。
スピッツ『冷たい頬』は不参加で、フジファブリック『赤黄色の金木犀』から参加させてもらった。NOCKさんの慣れたカウントから曲入りし、リハーサルで初合わせにも関わらずいい感じに曲が進んでいく。
yuhiさん、ギター上手いなぁ
NOCKさん、ドラム力強くてかっこいいなぁ
ピザさん、気持ちよく歌ってていいなぁ
と赤ちゃんみたいな感想を浮かべながらベースを乗せていく。ただただ楽しかった。本当に最高だった。
くるり『薔薇の花』のイントロ、すべての楽器が合わさっていく瞬間は幸せ以外のなんの言葉も出ない。本当に綺麗な時間だった。NOCKさんが用意してくださった歌詞カードが会場に配られ、皆で合唱。美しい時間だったなぁ。
notersの皆様、ベースやらせてもらってありがとうございました!心の底から楽しかったです!また絶対演奏したいです!
◼️応援してくださった皆様
くまさん・とどさんファミリー、Blue Jamさん、こーたさん。このたびは遠路はるばるお越しいただきありがとうございました!
皆様のあたたかいご声援で、無事ライブは終えられました!ペンライトを持参して曲に乗ってくださったり、娘にたくさん構ってくださったり、ピザと私が二人でステージに出る際に面倒を見ていただいたり、本当にお世話になりました!
また、会場に来れずとも応援してくださった方々ありがとうございました!「応援してるよ!」の一言で元気になれました!
皆様ありがとうございましたー!
◼️ライブレポート一覧 ※順不同
「ねぇ、ベースやってる?」
朝の教室、十六歳。
汗だくのセーラー服。
話したことないクラスメイト。
椎名林檎風のショートカット。
高校生のとき、少し早く朝の教室に到着し友人を待っていたところ、ほぼ話したことのないクラスメイトが私に話しかけてきてくれた。
「え、なんで?」
「◯◯、ベースやってそうじゃん」
話しかけられる少し前、ギター好きな私の兄が「ベースも弾いてみたい」という理由で私にベースを買わせ、ほんの少しだけベースを触っていた。
教室の外はどんな天気だったか覚えてないけど、「もしかしてバンド結成の瞬間?」とロック少女の私の胸はきらきらと透明な粒が舞っていた。
この会話のあと、あれよあれよとその子とバンドメンバーを募り、「ライブやりたいね」と言いながらたま〜にスタジオで曲を合わせていた。でも、バンドメンバーが付き合ったり別れたりなんやらで、ライブは一度もやらずバンド生命は終わった。バンド名なんだったっけ。
「ライブやりたい人生だったな〜」とぼんやり思いながらも自分から組むほどの積極性もなく、大学では映画部に入り、社会人になり、結婚し、出産し、そんなぼんやりとした夢なんて忘れていた。
十数年後、来世を待たずとしてライブに出ることができた。
三十代に入ると人生の伏線回収が始まると何かで読んだことがあるけど、「これかぁ〜!」と感動しながらベンベンベンベンとベースを弾かせてもらった。
あぁ、あのときお兄ちゃんのいうこと聞いてベース買っといてよかった。
あぁ、あのときクラスメイトとバンド組んどいてよかった。
あぁ、お兄ちゃんからフジファブリック教わっといてよかった。
あぁ、ピザとフェスでくるり観といてよかった。
あぁ、note始めてよかった。
あぁ、notersが結成されてよかった。
あぁ、生きていてよかった。
そういえば、バンドに誘ってくれたあの子はカラオケで『深夜高速』ばかり歌ってたっけ。
バンドで音を合わせた瞬間、あの教室で感じたきらめきをライブで感じることができた。
今世を終えるまで、そのきらめきをたくさん味わえたらいい。
