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前後が気になる詩note | 鷸のひとくち(11月3週目)

ようこそ、抜き取られた詩集へ。

「前後が気になる詩集」では、私が書いた詩の一節だけを掲載していく。

全文は、どの詩集にも載せていない。
いずれ詩集に載せるつもりの詩から、一節だけ抜き取って、複数で1記事にする。

ただし、複数ある一節のうち最後の1つは、既に全文を公開したものから抜き出す。


今週の作品

「仕事場の愁い」より

まばゆく、能天気に黄色く、
ひらがなの「る」のように光っている


「夕空」より

息絶え絶えの鮭の腹が
色をあるがままに染みつけ


「くせ毛で歩く」より

くせ毛は菊のように
あるいは蔓のように揺れた


「記憶」より

砂粒程度の思い出を
ざっくばらんにバケツへ詰めて



詩を丁寧に、標本箱へ。

大きな急流に、一生懸命に捕まえた蝶を流すとする。その世界に一匹の蝶は一体、誰の記憶に留まるだろう。

私は愚かしくも、蝶をずっとその川に流していた。スクロールという急流に。

詩には詩の、清潔な標本箱が必要だ。
流れに呑まれてもみくちゃだなんて勿体ない。

おしらせ

今週の「近代詩から学ぶ」マガジン

11月15日に、萩原朔太郎氏と室生犀星氏の比較記事を投稿。
前回の萩原朔太郎氏と大手拓次氏との比較記事に引き続き、“白秋の三羽烏” とされた三人の詩人たちを総当たりで読み比べる。

次回(11月23日夜に投稿予定)は室生犀星氏と大手拓次氏を読み比べる。

このシリーズでは近代の詩をヒントに「詩のどこを味わえば良いのか」「詩を書くときに何を考えたら良いのか」を探っている。


「鷸のひとくち」次回はこちら


今週掲載の詩「記憶」の全文を読めるページ(無料)


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