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ぼくと かあちゃんの カツカレー


かあちゃんは、ほかほかのごはんみたいにぴかぴかの匂いがする。
大好きだ。
「なんでかあちゃんは、ごはんのにおいがするの?」って父ちゃんに聞いたら、父ちゃんおっきな口あけて、ワハハって笑ってた。

「いいか、勝也かつや。じつはな、母ちゃんはお米の神さまなんだ。だから名前にも米がついてるんだぞ」
父ちゃんは、ぼくにこっそりヒミツをおしえてくれた。

すっげえ!かあちゃん神さまだったんだ。
かあちゃんはいつも ぴかぴかだし、きっと父ちゃんの言うことは本当だ。
かあちゃんの匂いを胸いっぱいにほおばるから、ぼく、ぴかぴかなんだあ。



麻衣子まいこ、兄ちゃんだよ」
去年、ぼくは「にいちゃん」になった。
初めて見たマイコの手はとってもちっちゃい。おそるおそるさわったら、ごはんみたいにあったかくて、すごくびっくりした。かあちゃんが、ぼくたちをうれしそうに見てたから、ぼく、ぴかぴかのにいちゃん になろうって決めた。

かあちゃんのおっぱいはもう、マイコのもんだし、
かあちゃんのりょうても、抱っこするからマイコのもんだ。
ぼくの手は、かあちゃんのシャツのはしっこに、つないでもらった。
ぼくは、ぴかぴかのにいちゃんだからな。

「カッちゃん、いつもありがとうね」
そんなとき、かあちゃんはすこし困ったような顔になる。
かあちゃんは困っているのかな。
ぼくはお腹が空いたような気持ちになった。
かあちゃんのごはんみたいな匂いで、おなかいっぱいになりたいなあ。
心の中で、ちいちゃな石ころをちょんと蹴飛ばしてみた。

「ぼく、にいちゃんだもん」
ぼくは父ちゃんみたいに、わははって笑ってやった。
かあちゃんも、ふふふって笑ってくれて、ぼくはまた、ぴかぴかになった。



「みんなー!おうちの人にかっこいいところをたくさん見せようね!」
ユウコ先生の元気な声に、ぼくたちは、力いっぱいうなづく。
今日は運動会だ。

かけっこも、玉入れも、ぼくはすごいがんばった。
かあちゃんにいっぱい見てほしくて、おっきく手をふる。
かあちゃんが気づくと、にこにこ手をふりかえしてくれた。
でもかあちゃんたちはマイコを追いかけて、運動会みたいに走ってる。
今日がマイコの運動会だったらよかったのに……。


「さあて、『親子リレー』は父ちゃんの出番だな」
父ちゃんがはりきって、おんぶのかっこうをする。
父ちゃんのほうが力持ちだし、足も早い。
だけど…

「…ぼく、かあちゃんとやりたい…」
みんなの音がおっきくて、ぼくの声は神さましか聞こえないくらい、ちっちゃくなった。

それでも、
「よし、最後だし、かあちゃんと行こうね」
かあちゃんには聞こえたんだ!
ぼくは、ジャンプして、かあちゃんの背中にとびついた。


「カッちゃん、重たくなったねぇ」
かあちゃんの声が、ぼくをなでなでしてくれる。
「うん、ぼくもう6さいだもん」
「カッちゃんおんぶして、かあちゃん走れるかなあ」
「あるいても、いーんだよ」
「びりっけつになっちゃうよ」
「いんだ。かあちゃんとなら、びりっけつでも」

ぼくは恥ずかしくなって、かあちゃんの肩に顔をこすりつけた。
「カッちゃんがいいなら、いっか」

ぼくとかあちゃんは、歩いてるみたいに走った。
かあちゃんの匂いを胸いっぱいにほおばったら、ぴっかぴか。
父ちゃんもマイコもちっちゃく見えた。

ゴールしても、まだかあちゃんの背中にぶらさがってた。そしたら、
「カツカレー食いたくなっちまったなあ」
父ちゃんは、かあちゃんを指さして「米」
ぼくを指さして「カツ」
ぼくたちの黄色いタスキを指さして「カレー」だって、たのしそうに言った。

ぼくとかあちゃんで、大好きなカツカレー!
「すげー!!とうちゃん、てんさいだあ!」
ガハハハ!とげんこつが入りそうなくらいの口で、父ちゃんが笑った。


カツカレーをおなかいっぱい食べて、ぼくはぴっかぴっかになった。


〈約1555文字〉

お疲れカツカレーさんの企画。
本日までが締め切りなので、スライディングカツカレーしました。
幼稚園児の一人称…すっごく難しかったです。
私が幼稚園の運動会で、母におんぶされたときの気持ちや、子どもの運動会の思い出をほんのり混ぜて書きました。
明日はその息子の運動会。母は仕事です。
がんばれよ〜!


#お疲れカツカレー
#運動会の思い出
#にいちゃんありがとう


2025.11.2追記

お疲れカツカレーさんの企画
#お疲れカツカレー杯で 、「お疲れカツカレー賞」をいただきました!うれしい!
カッちゃんだけじゃなくて、わたしまでぴーっかぴっかにしてもらいました。
お疲れカツカレーさん、ありがとうございます。

そして、書評を楽しみにしてたら…
もう、書評を投稿してくれました。びっくり!

うれしい!
お疲れカツカレーさんはいつも、ちょっとしたコツをご自身の記事や、いろんな人のコメントで教えてくれている。今回の書評では、駄菓子屋の域を超えて、ほっぺたがおちそうになるくらいおいしいお菓子をもらった気持ちになりました。
がんばってみてよかったなあ。
お疲れカツカレーさん、ありがとうございました。
後日ふり返りを書きたいと思います。

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くいたろう 読んでくれてありがとう!うれしいです。