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ルート66を行く11 ニューメキシコ州東部

テキサス州を過ぎニューメキシコ州に入ります。真っ平だったグレートプレーンズは終わり、地面が隆起してきます。車はどんどんと高度を上げていくのがわかります。いよいよロッキー山脈に差し掛かってきました。ルート66はここから標高2000メートルくらいまで登っていくのです。

Tucumcari
トゥクムカリという小さな町が見えてきます。ここは何度か通ったことがあるのですが、いつも昼でした。この町には古き良きアメリカの雰囲気を残すモーテルやレストランが当時のまま運営されています。モーテルやレストランのネオンは現在もネオン管が使われていて、夜とても美しい景色になることを知りました。
今回の旅では、どうしても夜の街を自分の目で見たく、トゥクムカリに宿を取りました。

雰囲気のあるモーテル

私は色々と調べた挙句、宿泊は街のダウンタウンの歴史あるモーテルではなくインターステートの出入口の脇にあるマリオット系のホテルを予約しました。古いモーテルにも興味があったのですが、設備が古く、おそらくエアコンやベッドなども古いです。宿泊の快適さを求めると、近代的なホテルをチョイスした方がいいという判断です。

どのモーテルも満室でした

近代的なホテルにチェックインして、夜、ダウンタウンを歩きましたが、町はネオンで埋まりとても美しかったです。まるで1960年代にタイムトリップしたかのようなノスタルジックな雰囲気に圧倒されました。歩いているとネオン管からジジジという電気が流れる音が聞こえます、ネオン管はゆらゆらと光が揺れていました。このように細かな雰囲気がとても素晴らしく、心がおちつきました。
そして、どこのモーテルもレストランも満室でした。ルート66を旅する人の多くは、私と同じようにトゥクムカリのネオンを見たいのだそうです。そしてこのモーテルに泊まりたいのだそうです。
私のように古いホテルが苦手な人もいるようで、近くの近代的なモーテルに宿泊し、このメインストリートを散策している観光客もいました。

有名なブルースワロー・モーテル

有名なブルースワロー・モーテルの経営者の方とお話しすることができました。彼はシカゴ出身だそうで、ここを数年前に買収したそうです。そしてそれほどリニューアルせずに当時の面影を残したまま経営しているのだそう。基本的に毎日満室になると言ってました。確かに全ての部屋が埋まっています。そこに旅行客が泊まっていました。他の有名モーテルも満室のところが多かったです。しかしクリント・イーストウッドが宿泊したモーテルは廃業していました。ネオンが美しいモーテルは残り、その他のモーテルは生き残れなかったようです。

満室のモーテル

いくつかのレストランに寄りましたが、この町には美味しいレストランはないです。ルート66を何度も走りましたが、この町の食事が一番つまらなかったです。その代わり夜の景色は絶対に見る価値があります。旅を終えた今でもあの美しいネオンは脳裏に焼き付いています。
LEDに変えずネオンを維持する経営者の努力、ダウンタウンには新しい建物を作らせない行政の努力が感じられるトゥクムカリでした。

美しい時間が過ぎる町

トゥクムカリには駅が残っています。残念ながら旅客サービスは終了していますが、駅舎内に鉄道博物館があります。ここは見応えがありました。駅前の商店街も残っており、こちらはとても素晴らしいです。駅前の映画館は今でも営業が続けられており、数年前にこの映画館を買収したオーナーは、映写機をデジタルに変え毎日営業しています。結構お客さんも入っていて驚きました。こういう「ニューシネマパラダイス」みたいな映画館が現役で、お客さんも来ている光景に感動しました。

残念なのは、この美しい街ですら徐々に衰退の気配が漂っていることです。なんとかこれ以上さびれないように頑張ってほしいです。

Santa Rosa
トゥクムカリの隣町にもノスタルジックなモーテルやレストランが存在していました。以前訪れた時は、ここも人気の宿場町でした。
しかし今回訪れてみると、そこには何もありませんでした。ルート66で有名だったモーテルは建物も看板も無くなって更地になっています。レストランも無くなっていました。
あのルート66らしい面影はどこに行ってしまったのでしょう。もはやサンタ・ロサには、観光資源がなくなり町自体が廃墟化に向かっていました。
トゥクムカリとの違いは行政や住人の考え方が大きく影響しているのだと思います。いつも見ている光景の大切さを理解できない住人が、自ら滅びていく様を見せつけられました。

ルート66は、ここから2つに分かれます。古いルートは道を北に向け大きな山脈を避けるルートです。新しいルートはこの山脈を峠道で越えていきます。
古いルートは途中からサンタフェ・トレイルと合流しサンタ・フェの街を目指します。サンタ・フェから道を南に取りアルバカーキに向かいます。
新しいルートは、峠道を越えて直接アルバカーキに向かいます。

今回は古いルートを通ることにしました。

旧ルート66を北へ向かいます

Las Vegas
ルート66を少し外れてニューメキシコ州のラスベガスに寄り道します。ここは15年前に一度訪れた街です。あのカジノの街ラスベガスではありません。ここはあのネバダ州のギャンブルの街よりも歴史が古いのです。西部開拓時代に鉄道の駅が作られ発展したそうです。当時はビリー・ザ・キッドなど犯罪者が集まる街としても有名だったそうです。街で話かけてきたおばさまが街の歴史を詳しく話してくれました。今でもダウンタウンの下には犯罪者が逃げる地下通路が残っているそうです。開拓時代の面影は今も感じられます。

ラスベガスのダウンタウン

ラスベガスはアムトラックのサウスウエスト・チーフ号が1日1往復停車します。駅に着く旅客車はこの2本のみです。それでも駅はきれいに整備されています。
駅前にはハーヴィー・ハウスがあります。Castaneda Hotelというかつての豪華ホテルです。15年前に訪れた時は廃墟でしたが、数年前に地元のお金持ちがここを購入しリニューアルし営業を再開していました。なんと当時の設計図を手に入れて出来るだけ開業当時のデザインに近づけたそうです。ただ部屋数は半減させ、一部屋一部屋を大きくしました。水回りとエレベーターを新たに設置したので、快適に宿泊できます。

ルーズベルト大統領も宿泊したCastaneda Hotel

このホテル、2025年に新たなオーナーへと受け継がれました。新たなオーナーは、この街でレストランを経営する人で26年からはスタッフも増強され、高級リゾートのような感じになります。
歴史あるホテルが廃墟からここまで立ち直るドラマが素晴らしいです。Disney+の旅番組「Summer Vacation」でもこのストーリーが取り上げられています。
ルート66から少し外れますが、この街とホテルは是非立ち寄ってもらいたい場所です。

私が知っている廃墟から高級ホテルになったことで、人の流れも変わりました。駅前は寂れていたのですが、現在は活気が戻ってきています。ニューメキシコ州の田舎町ですが、アムトラックでこの町を訪れるなら車は必要ありません。Castaneda Hotelに宿泊すれば、ホテルの隣はラスベガスの駅です。駅前やダウンタウンには、レストランやお土産物店、アンティークを扱う店、カフェなどがあるのです。
今後、Castaneda Hotelを中心にこの街は再生していくのだと思います。
またこの町を訪れるのが楽しみです。

ラスベガスをあとに、次の街サンタ・フェへ向かいます。ここはルート66とサンタフェ・トレイルが重なる場所。かつての主要道です。
ラスベガスから西に向かうと、鉄道が並行して走っていました。ここは線形が悪く使われなくなるはずでした。アムトラックのサウスウエスト・チーフ号も別の線路を使って、シカゴとロサンゼルスを結ぶ予定でした。しかし住人の反対運動が起こり、現在でもこの線路は廃線とならず生き残っています。私はサウスウエスト・チーフ号に乗りここを何回かとおたことがありますが、線路が曲がりくねり、アップダウンがたくさんあるので、アムトラックはかなり低速で走行していました。それでもアルバカーキ、サンタ・フェ、ラスベガスの駅はきちんと整備され、地元の人が大切にこの路線を守っていることが実感できました。

次回は、観光地サンタ・フェから大都市アルバカーキを通り、ニューメキシコ州の西端まで走ります。







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