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東大&京大卒の双子が最近読んで面白かった本5選 ~ver.2~

こんにちは。双子のトコトコ(姉、京大卒)とノソノソ(妹、東大卒)です。

私たちは、どんなに忙しくても読書だけは手放しません。試験前でも締切前でもずっと本を読んでいます。現実はだいたい後回しです。

今回は、そんな読書癖のある双子が、最近読んで特に面白かった本をピックアップしました。

以前勉強方法のnoteにも書きましたが、読解力が上がると全教科の成績が上がります。
勉強に励む学生さんにぜひ読書をおすすめします。もちろん社会人の方も!


トコトコが最近読んだ本3選

《わたしの美しい戦場》 寿木けい

表紙に惹かれて手に取った一冊。
ぶどう畑に囲まれた築130年の古民家を改修し、宿を開いた著者。

訪れる人を季節の味わいでもてなす様子や、手放すものを手放し、新しいものを迎えた生活が書かれたエッセイです。

著者のことは存じ上げなかったのですが、静かなで美しい文体に惹かれ、季節の手料理の描写に射抜かれました。

(干し柿の)水分が抜けてずいぶん小さくなり、そのぶんスペースができた。今度はそこに柚餅子(ゆべし)を吊るす。柚子の実をくり抜いたなかに、味噌と薄力粉と砂糖とくるみを練ったものを詰めて蒸し、半紙に包んで軒下にぶら下げる。まっさらな紙が棕櫚の葉で堅く結ばれるさまは、清潔で、厳かな気さえする。

わたしの美しい戦場より引用

私は胡桃が入ったお餅の柚餅子しか知りませんでした。柿を干したり、栗やむかごご飯を作ったり、それなりの季節の手仕事をしてきたつもりでしたが、まだまだ知らない季節の味が広がっていました。

ふきのとうバター、たけのこのポタージュ、タコと実山椒のゼッポリーニ…
作りたい、食べたい、そんな気持ちが自然と湧いてきます。

さて、手に取るきっかけとなった素敵な表紙。
装画・挿画を手がけた三星玲子さんのInstagramを拝見したら、ため息が出るほど素敵でした…。個展あったら行きたいなぁ。

三星玲子さんのInstagram▼
https://www.instagram.com/mitsuboart/

私は「妹にも読んでもらいたい!」と思った本を勝手に送りつけるAnezon(独断と偏見による強制配送)を展開しているのですが、この本もぜひ送りたいなと思ってます。

《DEAN&DELUCA プリペアードフードクックブック》 

料理本コーナーに入り浸る人なら誰もが目にし、値段の高さ(4,620円)に打ちのめされる一冊。
私は買いましたよ。中古本を。

世界のおいしいものを集めたセレクトショップ「DEAN & DELUCA」。ショーケースを彩る惣菜のレシピや、根底にある食材への想いがしたためられた本です。

とにかく、写真が、美しいのです。
これはただのレシピ本ではなく、DEAN & DELUCAの表現の集大成であり、世界観そのものと言えましょう。

気になる惣菜のレシピですが、「こんなのどこに売ってるんだ」という調味料を使う絶望的なものから、「なんとかできそうだな」と希望の光を感じるものまで、作り手のギリギリのラインを攻めたレシピが掲載されています。

気になるけど作れなさそうな惣菜があったので、DEAN&DELUCAに赴いて買ってきました。まんまと戦略に乗せられている気がします。
なるほどこんな味になるのか、と答え合わせができるのが面白いですね。

料理本以上の料理本、味見してみたい方はぜひ。

《求めない練習: 絶望の哲学者ショーペンハウアーの幸福論》 カン・ヨンス

Youtubeフェルミ漫画大学で紹介されており、なるほどと頷くことが多かったため購入。
哲学者ショーペンハウアーの哲学を分かりやすく説明してくれる、韓国でベストセラーになった本です。

(↑脳が疲れた時に、漫画を読む感覚でフェルミ漫画大学を聴いてます)

ショーペンハウアーは、不幸の2つの原因として「苦痛」と「退屈」を挙げています。
例えば、お金がないと貧しさに苦しみますが、お金がありすぎても倦怠感を覚えてしまうというのです。
そして、その2つは振り子のように行き来するものだ、と。

すべての悩みや苦しみを地獄に送ってしまったら、天国には退屈しか残らない。

これは私にも身に覚えがあります。
大学時代、スケジュールを埋めることに充足感を覚えてしまい、毎日何かしらの予定を入れていました。

とにかく時間がほしい。そう思ってやることも決めずに休学し、いざ時間を手に入れると…

暇でした。
1週間でイヤになりました。
暇すぎて精神を病むかと思いました(実際に病みました)。

振り子に振り回されないために、彼は「苦痛は取り除きながらも、退屈を楽しめるだけの精神力を持ち合わせること」が大事だと説きます。

ショーペンハウアーに言わせれば、私には暇を楽しむ精神力がなかったことになりますね。

精神力を養うためには、いわゆる知識を身につけるだけでなく(知識を溜め過ぎると不幸に敏感になる)、美しい作品を見たり、いい音楽を聴いたりすることが大事だそうです。

ここに関しては、ありきたりな論というか、親から遺産を相続してお金に不自由がなく、学問に没頭できたショーペンハウアーの象牙の塔からの自己肯定も感じました。

ただ、この本の元となったショーペンハウアー『幸福について』を読んでいると、退屈にまみれた富裕層への批判的な眼差しがあります。
まだ途中までしか読めていないので、これからどう話が展開するのか楽しみです。

定額で本が読み放題になる「kindle unlimited」で読めます▼

『求めない練習』には、そのほかにも健康や恋愛についての論が展開し、"いけいけどんどん"が終焉した今の時代にぴったりの内容でした。
求めることに疲れた方はぜひ。

ノソノソが最近読んだ本2選

《人生のレールを外れる衝動のみつけかた》谷川嘉浩 ちくまプリマー新書

✓「やりたいことをやりなさい」と周囲に言われて育ったけど、別にやりたいことなんてない
✓これといった趣味はなくて、休日は寝てるかインスタかYouTubeを徘徊して、ジムに行って、家事をして終わりですね

このような状況は、若者あるあるなのではないでしょうか。

親の職業を継がなくていい、学校に行かなくたっていい、多分なんとかなるからやりたいことをやりなさい。

生まれたときから身分が決まっていた昔とは考えられないくらい自由な時代。

数千種類の商品を前に立ちすくむ消費者のように、選択肢が無限にあるように思え、しかも膨大な情報が飛び交う現代で途方に暮れる人も多いはず。もう何でもいいから、だれか私の進路を決めてくれ!

そんな人には、この本が羅針盤のように機能するかもしれません。

著者は、大学で哲学を教えている谷川先生。最近話題の「スマホ時代の哲学」も書かれています。

Youtubeの対談動画で谷川先生を知り、上記のスマ哲とこの本を読みました。

私はお気に入りの著者を見つけたら芋づる式に本を読みます。数カ月で本屋から消えるビジネス書より、時代の選抜を受けても残りそうな本を読みたいと思っています。

この本はちくまプリマー新書から出ていて、つまり若者向けです。

たしかに若者が読むにはとても良い本ですが、私のような若者を卒業しつつある人間にも刺さりました。

著者は、将来のことなどどうでもよくなるような「衝動」、それが具体的な形となった「偏愛」を育てるように説きます。

自分がどういうときに心を動かされるのかを観察し、良いと思うものをやってみる。

この本に正解は書かれていませんが、ヒントをくれるはずです。

個人的にはキャリアデザイン批判が面白かったです。

「自分はもうやりたいことが見つかってるからこの本を読む必要はない」

と思ったそこのあなたにもおすすめです。例えば私は、すでに研究や農業が偏愛対象ですが、論文を書く行為が創作活動の一つなんだな、と気がつくきっかけになりました。あとは進路に迷っている後輩にはこの本を紹介しようと思います。

加えて思ったのが、この本には具体例がありません。つまり、やりたいことがない状況から衝動を見つけるに至った人の紹介がありません。もしかして、私たちのこのnote(特に姉)がまさに具体例なのかもしれないな、と思いました。

この本を読んだ上でこのnoteを読み返すと、休学して何回か転職し、海外放浪までした姉が「人生のレールを外れる衝動のみつけかた」を実践的に模索した具体例でした。こんなに身近にいたとは!

《消費社会の神話と構造 新装版》 ジャン・ボードリヤール

すべては消費される「記号」にすぎない。
我々消費者が買っているのは商品そのものの機能ではなく、差異化の装置としての機能である――。

例えば、人々がブランド品を買うのは作りが精巧だからとか機能性が高いとかという理由ではなく、それがブランドだからである。

今聞くと当たり前のような言説ですが、その当たり前を作り上げたのが本書です。

1970年にフランスで出版されたジャン・ボードリヤールの古典的名著の新装版です。

「この本は名著だから買うべき」というと、あたかも"消費社会の神話”に加担しているようで嫌ですが、大量生産・大量消費にうんざりしているならおすすめです。1970年当時と今でそんなに変わっていないんだな、という絶望が味わえます。

この本を読んだきっかけは定かではないですが、谷川先生の著書で引用されていたから芋づる式に読んだのかもしれません。いずれにしろよく話題にされる本なので読んでおこうと思いました。

それと、消費社会に日々疑問を感じているからかもしれません。

  • ものが壊れたらわざわざ直さなくても百均で買えばいい

  • 昔の生活の知恵が軽んじられている

  • 東京に出かけると無料で座れる場所がなく、お金を使わなければ居場所がない

東京に向いていないのに、なんで私は東京に住んでいるんでしょう。

難解で読むのが大変ですが、ハッとする刺激的な文章が印象的です。

ドラッグストアは……ここでは労働と金銭ばかりでなく、四季さえもが廃絶されようとしているーー調和のとれた生活リズムの遠い名残すらついに均一化されてしまったのだ!

交通事故、それは消費社会で最も美しい巨大なハプニングであり、消費社会は交通事故によって、モノと生命の儀式的破壊のうちにあり余る豊かさの存在を立証してみせるのだ

人口密度の高さはそれ自体としては魅惑的だが、都市の言説とはまさしく競争そのものである。

動機、欲望、出会い、刺激、絶えず耳に入ってくる他人の意見、いつも興奮させられている性欲、情報、宣伝の誘惑、これらはすべて……集団的参加という一種の抽象的運命となる

消費者として自由に選択しているようでいて、実は強制されている。

SNSで情報を消費するだけでなく何かを生産しよう、という谷川先生のメッセージと重なる部分もあるなと思いました。

まとめ

二人とも哲学の本を挙げていたのが、個人的に印象に残りました。
しかもどれも「競争」や「消費」から降りるものばかり。どうやら二人そろって戦う気はないようです。

効率や成果が重視されがちな時代ですが、あえてブレーキを踏む言葉に惹かれるのも、今っぽいのかもしれませんね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
おすすめの本があったら教えてください📚
今後とも双子をよろしくお願いいたします🐼

前回の5選はこちら↓

(この記事はトコトコとノソノソの共著でお送りしました)


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ノソノソとトコトコ|東大&京大卒の双子 最後までお読みいただきありがとうございました😊 チップをいただけると、オスカー・ワイルドの「幸福な王子」に出てくる美しいサファイアが届けられた若い劇作家のように執筆がはかどります。 「これは誰か、熱烈なファンからのものだ。 これでnoteが完成できる!」

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