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書けない原因を調べてみた②|先延ばし



はじめに


「今日は疲れたから、明日書こう」
そう思って1ミリも進捗を産めぬままパソコンを閉じます。
次の日。
「今日はなんだか集中できないから、明日」
その次の日。
「休日にまとめて書けば大丈夫、まだ焦る時じゃない」
……気が付けば締切まであと数日。
慌ててキーボードを叩きながら、「なんで私はいつもこうなんだろう」と落ち込む。

なんとなく違う気がしてプロットばかり練り直して本文に入れない。
だから進まない。
もっといい参考があるのでは、と資料集めに没頭してしまい、結局進まない。

そんな経験、ありませんか?

私はあります。何度もあります。

私はずっと、先延ばしをするのは「意志が弱いから」だと思っていました。でも心理学の研究を読んでみると、どうやら先延ばしは、そんな単純な話ではないようでした。
ほうほう。じゃあ、なんでなんだろう??


ということで今回は、創作者目線で
「先延ばし」
について調べてみたいと思います。


先延ばしは「怠け」ではない?


私はずっと、先延ばしをしている人は
「楽をしている人」
なんだと思っていました。
やるべきことを後回しにして、のんびり過ごしている。
だから書けないのは、私が怠けているせいなんだ、と。

ところが、日本の心理学の研究を読んで驚きました。

先延ばしをしている最中、人は決して気楽に過ごしているわけではないそうです。
むしろ、不安や焦り、罪悪感などの感情が強くなり、それがさらに課題に取りかかることを難しくしてしまうことが報告されています。

つまり、
「やらないから楽」
ではなく、

「やれないから苦しい」

状態になっているのかもしれません。

参考:小浜駿(2010)『先延ばし過程で自覚される認知および感情の変化の検討』



「また今日も書けなかった」


この研究を読んで、「ああ、私のことだ」と思いました。

「明日やろう」と決めた瞬間だけは少し気持ちが軽くなるんです。
でも翌日になると、
「昨日やらなかった」
「残っているものだけがそこにある現実」
という事実だけが残る。

そしてまた、
「私は本当にダメだな」
「また同じことを繰り返してる」
そんな言葉を、自分に向けてしまいます。

実際、先延ばしをした人ほど、自分を責めるような考えが強くなりやすいことも報告されています。
自分を責めれば責めるほど、ますます最初の一文字が重くなる。

この悪循環を知って、「根性が足りないから」ではなかったのかもしれない、と少しだけ肩の力が抜けました。

参考:林潤一郎(2009)『先延ばし後の思考内容と感情の関連』



「先延ばし」にも種類がある


調べていて面白かったのは、「先延ばし」と一言で言っても、いろいろな形があるということです。

例えば、

・書き始めることを先延ばしにする。

・「この設定でいいのかな」と決められず、ずっと悩んでしまう。

・書き終わっているのに、投稿ボタンが押せない。

全部「先延ばし」ですが、少しずつ意味が違います。
あなたはどのタイプでしょう?

心理学でも、こうした複数の側面を測る尺度が作られているそうです。
思い返してみると、私は「書き始めるまで」が一番長いタイプ。
最初の100文字がなかなか書けない。
これは人によって苦手な場面が違うのかもしれませんね。

参考:Pure Procrastination Scale日本語版(2022)



私が先延ばししていたのは、「執筆」ではなかった


今回、いろいろな研究を読んでいて、一番印象に残ったことがあります。
それは、
「先延ばしは時間管理の問題というより、
感情との付き合い方の問題かもしれない」
という考え方です。

私は「書く」という行為を先延ばしにしていたのではなく、
「思うように書けなかったらどうしよう」
「面白くなかったらどうしよう」
そんな気持ちを感じたくなくて、少しだけ距離を置こうとしていたのかもしれません。
そう考えると、前回調べた「完璧主義」とも、どこかつながっているような気がしました。


また、小浜(2010)の研究では、計画を立てていた人の方が、先延ばしをしても比較的よい結果につながる傾向も報告されています。

「今日は30分だけ」
「1000字だけ」
そんな小さな見通しを立てるだけでも、最初の一歩は踏み出しやすくなるのかもしれません。
まあ私は、その1000字が本当に書けないんですけどねっ!😂

さらに海外では、先延ばしは「怠け」ではなく、
「嫌な感情から一時的に距離を置こうとする行動」
として説明されることもあります。
そう思うと、「意志が弱い」と決めつけるより、
「私は今、何がこんなに嫌なんだろう。
 100字書くことが、どうしてこんなに重たいんだろう」

と考えた方が、自分に優しくなれる気がしました。

参考:
小浜駿(2010)
Timothy A. Pychyl, Fuschia Sirois らによる先延ばし研究


おわりに

今回、心理学を調べてみて一番印象に残ったのは、
先延ばしは、怠けではなく「苦しさ」の結果なのかもしれない。
ということでした。

私は今でも、「明日やろう」と思う日があります。
きっとこれからもあります。
むしろ一生「明日でいっか~」って日が訪れるでしょう。
でも以前より、
「私は意志が弱い。」
ではなく、
「今日は何がこんなに重たいんだろう。」
と考えられるようになりました。
その違いは、思っていたより大きい気がしています。

もしこの記事を読んでくださったあなたも、
「また今日も書けなかった……」
と落ち込んでいるなら。
それは怠けているからではなく、
何か嫌な感情を抱えているサインなのかもしれません。

だからどうか、自分を責めすぎず。
「何がこんなに書き始めることを重くしているんだろう」
そんなふうに、自分に問いかけてみてもいいのかもしれません。

私だったら
「夕飯が思いつかない」
「このまま書いても書きたいところまでは辿り着かない」
「仕事のことが頭にちらつく」
そんなことが、書き始めるのを重くしているのかなあ、と分析しています。
もちろん、ただただ疲れてな~んもやりたくね~!
こんなん書いてても誰も読まねーよ!
みたいな自暴自棄になったり。
って日もたくさんありますけど、ね。ふふ。
そう考えると、「書けない」にはちゃんと理由があるのでしょうね。きっとそういう日も含めて、創作なのだろうと思います。

あなたが今日書けなかったのは、意志が弱かったからではなく、
「嫌な気持ち」を避けようとしていただけなのかもしれません。



書けない理由は、先延ばしだけではありません。
創作者目線で「書けない」の正体を、
またひとつずつ調べていけたらと思います。
また一緒に考えていただけたら嬉しいです。

書けない私がもがきながら頑張った記録があります。
書けない時間が出来たあなたに、
少し寄り添えていたら嬉しいです。


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