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第3章:noteに出してみた

(前回)第2章:AIで初めて記事ができて嬉しかった

■ 世界へ放たれた、私の「自信作」

フォルダの中に溜まったAI生成の記事たち。それを眺めているだけでは、一円にもならない。私はついに、一番出来が良いと感じた「AIで人生を変える方法」という記事を携えて、noteの投稿画面を開いた。

「公開ボタン」を押す指が、少しだけ震える。 でも、怖さはなかった。だって、この文章はAIが作った完璧なものだから。誰に読まれても恥ずかしくない、論理的で、淀みのない、プロのような記事。私は大きく深呼吸をして、一気にボタンを押し込んだ。世界に、私の(正確にはAIの)言葉が放たれた瞬間だった。

■ 鳴り止まない通知を夢見て

投稿した直後、私は何度もスマホをチェックした。 SNSで「noteを更新しました!」とシェアし、誰かが「スキ」をしてくれるのを待つ。憧れのクリエイターたちのように、投稿してすぐに通知が止まらなくなり、コメント欄が感謝の言葉で溢れ、あわよくば「有料記事」への導線が爆発的に売れる……。

そんな妄想が止まらない。私はすでに、自由な生活を手に入れた自分を想像していた。「明日、会社に辞表を出してもいいかもしれない」なんて、本気で考えていた。AIという魔法を使えば、成功への階段はエスカレーターのように自動で上がれるものだと信じて疑わなかった。

■ 完璧なはずの「借り物」の正論

私が投稿した記事には、非の打ち所がない情報が並んでいた。 「副業を始めるべき3つの理由」「AIを活用するメリット」「最短で収益化するステップ」。どれも正論で、どれも正しい。AIはネット上の膨大な知識を整理し、最大公約数的な「答え」を提示してくれていた。

「これだけ役に立つ情報を出しているんだから、価値がないはずがない」 画面の向こう側にいる読者の顔は、まだ見えていなかった。ただ、「正しい情報=価値がある」という方程式が頭の中に居座っていた。私は、自分が選んだ美しいフォントと、AIが整えた見出しの並びに酔いしれていた。

■ 静寂という名の、最初の壁

投稿から1時間、3時間、そして半日が過ぎた。 期待していた「通知の嵐」は、どこにもなかった。スマホの画面は静かなままだ。時折つく「スキ」は、営業目的の自動ツールのようなアカウントばかり。

「……おかしいな。まだみんな、私の記事に気づいていないだけだよね?」 自分に言い聞かせるように、私は何度もブラウザを更新した。ビュー数は少しずつ増えているのに、読者の熱量は全く伝わってこない。まるで、暗い海の中に石を投げ込んだような、手応えのない感覚。これが、魔法の杖を振った後に訪れた、最初の「違和感」だった。

■次回
第4章:思ったほど読まれなかった


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