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西村賢太作品を読む。 「小銭をかぞえる」 「けがれなき酒のへど」

ふと西村賢太作品が読みたくなったので、「小銭をかぞえる」 「けがれなき酒のへど」を読んでみた。

西村賢太氏は私小説「苦役列車」で144回(2010年下半期)芥川龍之介賞を受賞。
この作品は映画化もされました。


芥川賞受賞会見も話題になりましたね。

さて今回読んだ作品も西村賢太氏の分身、北町 貫多が大活躍!?

本当に北町 貫多のような人間が近くにいたら嫌になっちゃいますね。
本当に幼稚で汚くて情けなくて、ダサい人間。

そういう人間を描いているのにどんどん読ませちゃうのがやはり文章を書く力とセンスがあるのでしょう。不快なのに愉快になっちゃう。

個人的には人間はやはりその年に見合った経験を子供の頃からある程度の大人になるまでしっかりとした方が人間形成には良いと思います。
その点北町 貫多は中卒で家を飛び出し日雇労働のその日暮らし。
色々すっ飛ばして歪んだ大人になっています。
だから自分以外の他人に対してもすごく幼稚な接し方しか出来ないんですよね。すごく甘えちゃう。暴言も吐くし、暴力も振るう。人との距離感もバグってる。
それなのに小説の中では凄く面白く魅力的なキャラクターなのです。
もちろんそういう生き方は避けられるなら避けた方良いのですが、
そういう生き方しかできない人もいるんですよね。

そうそう、苦役列車で登場した専門学生の日下部が「小銭をかぞえる」では
山志名として社会人になって再登場しています!
このやりとりも面白い。というかハラハラする(笑)

「小銭をかぞえる」より
読んでいてよせば良いのに。。と思う自分(笑)
大人になってから疎遠だった人から連絡が来るって基本ロクな事がありませんよね(苦笑)
山志名(日下部)は基本割と良いやつで少しだけ世間知らずな印象です。
貧窶の沼(ひんるのぬま)より
色々酷い(笑)
作品の中ではとても真摯に自分を曝け出し向き合っていた作家だったと思います。

西村賢太作品は結構重複して収録されている事も多いので
買う方は少し収録作を確認してから買うと良いかも知れません。
また読んでいくと同棲していた彼女「秋恵」が気になってくる人が多いと思います(笑)俗にいう秋恵シリーズ。結構どういう時系列だったのか気になる人も多いと思います。割と時系列はバラバラで収録されている感じなので。そこで調べてみたら北町貫多や秋恵の物語を時系列でまとめられている方がいました。素晴らしい。

気になる方はこちらを読まれて時系列を追って西村賢太作品を読んでいくのも楽しいかと思います。

それにしても西村賢太氏の作品のタイトルの付け方も秀逸なんですよね。
「二度はゆけぬ町の地図」なんてなんてファンタジー感あるんだ!と思うんですけどそこは西村賢太。不義理で二度と顔見せできない人達ばかりだったという。。こちらに収録されている「春は青いバスに乗って」というタイトルだってスピッツの曲名みたいで可愛い!と思ってみてもそこは西村賢太作品。警官を殴った疑いで留置所に。あー青いバス。。



本当に強烈な個性で不器用な生き方しかできず、ずるくて馬鹿で、嘘をついたり色んなことを偽り子供っぽく暴力的な西村賢太と北町貫太。
しかし作品では全てを曝け出してこの世に真っ直ぐに足跡を残して逝ってしまいました。

西村賢太作品を読んでいると鶯谷の信濃路で赤ウインナー揚げを食べながら一杯飲みたくなりますね!
そういう文学作品はやっぱり良作なのでしょう。
彼は亡くなりましたが作品はいつまでも生き続けるのでしょうね。
まだまだ読んでない作品があるので自分もこれからどんどん読んでいこうと思います!

信濃路 鶯谷店


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