「お金がないから放置」が420万円請求の悲劇を生んだ理由
今日はとても大切なお話をしたいと思います。
先日「経済的理由で放置していた空き家が行政代執行で強制解体され、420万円の請求が来た」というニュースを見かけました。
ぼく自身、このような状況に陥ってしまう所有者さんの気持ちを考えると、胸が痛くなります。
実はぼくの事務所の隣の建物もここ数か月で急激に劣化が進んで、倒壊しそうなものがあるんです。
そこは駐車場として貸しているスペースもあり、倒壊するとぼくの会社の倉庫だけでなく駐車場の車にも被害が出る可能性が大きいんです。
今日、現状の写真を撮ったので近日中に所有者さんにお知らせしようと思います。
今日は、こういった問題について一緒に考えてみましょう。
「お金がないから放置」という選択の落とし穴
よく「解体費用がないから、とりあえず放置しておこう」という話を聞きます。
確かに、解体工事には最低でも100万円から200万円程度の費用がかかりますからね。すぐに用意できる金額ではありません。
「いつかお金が貯まったら対処しよう」と考える気持ち、すごくよく分かります。
でも、ここに大きな落とし穴があるんです。
放置期間が長くなればなるほど、実は解決にかかる費用は膨らんでいくんですね。
建物はどんどん劣化しますし、周囲への影響も大きくなっていきます。
行政代執行になるとなぜ費用が跳ね上がるのか
行政代執行での解体費用が通常より高くなる理由は、いくつかあります。
まず、行政が業者を選定する際の手続きコストです。
役所が正式な手続きを踏んで業者を決めるための事務作業費用ですね。
それから、緊急性への対応費用もあります。
近隣に迷惑をかけている状況では、通常の工期より短期間で完了させる必要があったりするんです。
急いで作業するとなると、どうしても費用は高くなってしまいます。
さらに、法的手続きにかかる諸費用も所有者負担になります。
つまり、420万円という金額は決して高すぎるわけではなく、むしろ現実的な数字なんです。怖いですよね。
行政代執行には2つの種類がある
実は、代執行には「行政代執行」と「略式代執行」の2つの種類があります。
行政代執行は、所有者に事前に通知や勧告を行った上で実施されるものです。
一方、略式代執行は、所有者が不明だったり連絡が取れない場合に行われるもので、ざっくりいうと「所有者抜きで進められる強制解体」ですね。
どちらの場合も、解体費用は所有者負担になります。
怖いのは、略式代執行の場合、所有者が知らないうちに解体が進んでしまう可能性があることです。
つまり、ある日突然数百万円の請求書が届く、なんてことも起こりうるんです。
これまではこういった費用の徴収が課題でしたが、法改正で税金同様強制的に徴収するシステムになったと思います。
「経済的理由」への寄り添いと現実的な対処法
とはいえ、ぼくは「お金がないなら早く対処すべきだった」なんて無責任なことは言いません。
相続で突然空き家を持つことになったり、収入が減って維持費を捻出するのが難しくなったり。みなさんそれぞれに事情があるんですよね。
でも、放置することで問題が解決するわけではないのも事実です。
じゃあどうすればいいのか?
まず、「完璧な解決策を一人で見つけなければならない」という思い込みを手放してみませんか?
市町村の空き家相談窓口や、ぼくたちのような空き家管理の専門家に早めに相談することで、意外な選択肢が見つかることがあります。
例えば、解体ではなく適正管理を選ぶという方法もあります。
月数千円から1万円程度で定期的な見回りや簡単な管理を行えば、近隣への迷惑を最小限に抑えることができるんです。
これなら解体費用の何十分の一で済みますからね。
そして管理しながら、現状での活用を模索するという方法もあります。
住居としては使えないような空き家でも住宅以外の活用方法もいろいろあるんです。
最終的に解体を考えているなら「解体ローン」という選択肢
ただし、最終的に解体を決断している場合は、少し違う視点で考える必要があります。
実は、解体費用は年々高騰しているんです。
人件費の上昇、廃棄物処理費の増加など、様々な要因で解体工事の単価は右肩上がりなんですね。
例えば、今100万円の解体工事が、3年後には120万円、5年後には140万円になっている可能性があります。
これは決して大げさな話ではありません。
ぼくの事務所の隣のおうちも古い土壁がたくさんあるので年々処分費用が高騰しています。
そう考えると、金融機関の「解体ローン」を利用してでも早めに解体した方が、長期的には負担が軽くなる場合があるんです。
月々の支払いは発生しますが、解体費用の高騰を考慮すると、実質的な負担は軽くなる可能性があります。
もちろん、ローンを組むのは簡単な決断ではありませんけどね。
空き家は負の遺産ではない
ぼくがいつもお伝えしているのは、空き家そのものは問題ではないということです。
問題なのは、放置されて誰からも関心を持たれなくなった空き家なんですね。適正に管理されていれば、空き家は地域の貴重な資源になりえます。
でも、経済的な事情で管理が難しい場合もありますよね。
そんな時は、「完璧な管理ができないなら何もしない」ではなく、「今できる最低限のことから始める」という発想に切り替えてみてください。
というわけで
経済的な理由で空き家を放置してしまう気持ち、ぼくにはよく分かります。
でも、放置することで問題が大きくなり、最終的により高額な費用を請求される可能性があるのも現実なんです。
大切なのは、一人で抱え込まずに早めに相談すること。
そして、「完璧な解決策」ではなく「今できる現実的な対処法」を見つけることです。
420万円の請求という現実は重いですが、これを他人事として終わらせるのではなく、ぼくたち全員が学ぶべき教訓として受け止めたいと思います。
もし今、同じような状況でお悩みの方がいらっしゃったら、まずは地域の相談窓口に足を運んでみてください。
きっと、一人では思いつかない解決の糸口が見つかるはずです。
▼最後までお読みいただきありがとうございました。
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