辞めたかったのは会社ではなく、自分を後回しにする生き方でした。
朝、目が覚める。
まだ眠いというより、「今日も仕事か。」
そんな気持ちが先に浮かぶようになったのは、いつ頃からだったでしょう。
特別嫌な出来事があったわけではありません。
職場に大きな問題があったわけでもありません。
でも、「このままでいいのかな。」という思いだけが、少しずつ積み重なっていきました。
振り返ると、最初の就職からそんな感じでした。
私は、「なんとなく辞める」ということはしませんでした。
次にやりたいことが見えてから転職する。
そうやって動いてきて、今の会社は4社目です。
「辞めたい」という気持ちは、いつもただの逃げではなく、次へ進むためのサインでもありました。
でも今回は、その「次」がなかなか見えなかったのです。
会社が嫌だったわけではありませんでした。
不思議なことに、仕事そのものが嫌いだったわけではありません。
お客様と話すことも好きでした。
誰かの役に立てる瞬間もありました。
だからこそ、「辞めたい」と思う自分に戸惑っていたのです。
仕事内容だろうか。
人間関係だろうか。
給料だろうか。
何度も考えました。
でも、どれもしっくりきません。
理由が分からないまま、「辞めたい」という気持ちだけが残っていました。
だから余計に苦しかったのです。
そんな頃から、ぼんやりと考え始めていたことがあります。
いつか、自分で仕事をしてみたい。
まだ輪郭のない、小さな憧れでした。
でも、その気持ちだけは、消えることがありませんでした。
7年ぶりの長期休暇で、気づいたこと。
そんな私が、7年ぶりに長期休暇を取りました。
朝、目覚ましをかけない。
好きな時間にコーヒーを淹れる。
旅先をひとりで歩く。
大学生の頃の自分を、ふと思い出す。
何にも追われていない。
朝から気が重くない。
今日をどう過ごそうか。
ただ、それだけを考えている。
その感覚が、とても心地よかったのです。
その休暇では海外へ行きました。
自分で旅を組み立て、
行きたい場所へ行き、
身振り手振りで会話をして、
笑って、
写真を撮る。
旅先では、知らない人同士でも自然と笑顔になれる瞬間があります。
こちらが笑顔で話しかけると、相手も笑顔で返してくれる。
その何気ないやり取りが、とても嬉しかったのです。
日本で笑っていなかったわけではありません。
でも、好きな場所で、好きなように過ごし、自分が心から喜んでいる。
あの感覚だけが、ずっと足りていなかった。
そのとき、ようやく分かりました。
「これだったんだ。」
辞めたかったのは、会社ではありませんでした。
それは、自分を後回しにする生き方でした。
真面目だから。
責任感があるから。
期待に応えたいから。
そんな理由で、いつの間にか自分の気持ちは、一番最後になっていました。
今の職場は、40代ということもあり、かなり吟味して選びました。
人間関係も、給料も、有給の取りやすさも、以前よりずっと良くなりました。
仕事で頼られることも多く、不満はほとんどありません。
それでも、何かが足りない。
その焦燥感だけが、ずっと心の中にありました。
30代は、仕事が人生の中心でした。
前職ではリーダー職だったこともあり、数字と人間関係に追われる毎日。
休みの日も、毎日のように連絡が来ました。
スマホを見たくない。
そう思っていても、
「今日の売り上げはどうだっただろう。」
「何かトラブルがあったのかな。」
気がつけば、画面を開いていました。
休みが、
休みではありませんでした。
それが当たり前になっていたのです。
自分の時間と呼べるものが、ほとんどありませんでした。
今振り返ると、そのことに気づいていなかった自分が少し怖くなります。
本当に欲しかったもの。
私は、自由になりたかったのです。
でも、それは仕事を辞めることではありませんでした。
朝、コーヒーを飲みながら記事を書く。
旅に出る日を、自分で決める。
好きな部屋で植物を眺める。
誰かと、ゆっくり食事をする。
そんな何気ない毎日でした。
自由という言葉に憧れすぎていたのかもしれません。
でも同時に、
「そんな暮らしは無理だよね。」
そうやって、自分で諦めてもいました。
今でも私は会社員です。
以前と変わらず、仕事の日は朝決まった時間に起きて出社しています。
だから、劇的に人生が変わったわけではありません。
でも、「辞めたい」と思った自分を否定しなくなりました。
あの気持ちは、逃げたかったからではありませんでした。
もっと自分らしく生きたいという、心からのサインだったのです。
だから今、その自由を少しずつ形にしようとしています。
副業を始め、noteを書き、自分のやりたいことを大切に育てています。
これまでの転職も、やりたいことが見えてから動いてきました。
今回も、きっと同じです。
自分の気持ちを認められたことで、ようやく次へ向かう力が湧いてきた気がしています。
おわりに
最近、こんなふうに思います。
「会社を辞めたい。」
そう思う時は、会社が嫌なのではなく、
今の生き方が少し苦しいだけなのかもしれません。
本来の自分を思い出すというのは、
会社を辞めることではなく
自分の心が何を伝えようとしているのか、
ちゃんと耳を傾けてあげること。
私は今も、その声を聞き逃さないように、
少しずつ、自分に正直に生きようとしています。
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今回の記事で書いた「長期休暇」のことを、もう少し詳しく綴っています。
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