新未来世界からこんにちは第12話ロボット大革命
【あらすじ】20世紀の日本に住む大学生の茶倉と竹馬は、子孫の未来人ゼモン達とともに円盤に乗って50世紀にやってきた。ゼモンは自分の家で二人に対して、未来の世界のことを話し始める。
第12話 ロボット大革命
「我々の世界は基本的にロボットによって支えられているのだよ。ほとんどの家庭にロボットはいるし、ロボットが働くことで我々は収入を得ているんだよ」
ゼモンがそう言っていると、バックスが飲み物を人数分持ってきた。
「このバックスのおかげで、我々は生活できるのさ」
ゼモンの言葉を聞いて、バックスが軽く胸を張った。
「それでゼモンは、普段何やってるのさ」
茶倉が尋ねた。
「我々人間は社会活動を行っているのだよ。その前にロボット産業革命のことを話す必要があるね」
「ロボット産業革命?」
竹馬がやや首を傾げた。
「21世紀から世界中でロボットの開発が盛んになり、22世紀頃になると世界中に人間と同レベルの知能を持つロボットが普及するようになったのさ。ロボットが家電になったんだ。社会全体でロボット達が働ける仕組みを構築することに成功したことで、人類は労働から解放されることになったのだよ」
「うらやましいなあ」
竹馬が溜息を吐いた。
茶倉も竹馬も就職活動で苦労したからだ。
「仕事をしないで生活できるなんてほんと天国じゃないか」
茶倉が信じられない気持ちで呟いた。
「我々は普段社会活動を行っているのだよ。社会活動と言うとなんか抽象的でわかりにくいけれど、自分の好きなことをして毎日過ごしているわけなのよ」
「自分達の住む世界では、いくら科学技術が進歩しても生活は良くならないよな。みんな毎日の生活でいっぱいいっぱいだもんな。科学技術が進歩してみんなが好きなことだけをして暮らせる時代はいつになったら来るのかな」
竹馬が溜息交じりに理想を語った。
壁の画面に、働いているロボット達の姿が映し出された。
場所は、ショップ、工場、工事現場など、人間が働いていた場所であった。
「これを見てもわかるように、社会における労働はほとんどロボット達がやっているので、君達の世界のように生きるためだけにあくせく働く必要はなくなったんだ。でもね我々が何もしていないわけではないのだよ。ロボット達を監督したり指導する人間が必要なんだな。それらの人々は、それぞれの専門分野で高い能力を持っており、尊敬もされている。医者や医療技術者、科学者などの高度な能力を持つ専門家も働いているよ」
「でもさあ、ロボット達に職を奪われた人達は、どうなったのさ」
竹馬が納得できないといった感じで呟いた。
「その点は大丈夫。我々の世界では、人間に必要な衣食住といった最低限度の文化的な生活は保障されているのだよ。生活に必要な最低限度のお金が定期的に支給されているのよ。ロボット達の労働による収入もある。それでも働きたい人は働けばいいのさ」
「だからロボット達の社会進出で人の仕事が奪われたわけでしょう」
茶倉がちょっとイラっとなって言った。
「大丈夫なのさ。経済的に生活が保障されているから、生活の心配をする必要がない。心に余裕があるから、みんな自分の趣味や楽しいことに人生の時間を使える。専門分野で能力の高い人は、そのまま仕事を続けられる。その方が社会にとってもプラスになるからね。それにロボットが社会進出したことで新しいビジネスチャンスも生まれてくるからね。自分の趣味や楽しいことをすることで、報酬を得ている人達も多いよね。それに人間にしかできない仕事も存在するからね」
「なるほどね」
茶倉もだいたい納得できた。
「さあ、あなた達、未来の飲み物でも飲んで気分を変えなさいな」
エレナが未来の飲み物を指差して言った。
【続く】
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