新未来世界からこんにちは第13話地球の大掃除
【あらすじ】20世紀の日本に住む大学生の茶倉と竹馬は、子孫の未来人ゼモン達とともに円盤に乗って50世紀にやってきた。ゼモンの家でゼモンは二人に未来世界の話をするのであった。
第13話 地球の大掃除
エレナにすすめられたギンガという飲み物はオレンジジュースのような味がしておいしいと茶倉は思った。
脳天が痺れるような爽やかな味を茶倉は感じた。
「どう?おいしいでしょう。私はこのギンガが大好きなのよ」
エレナが微笑んだ。
微笑むエレナを見て、ゼモンがギンガをぐっと飲んだ。
「君達に質問してもらおうかな」
「ところでゼモンはどうしてわざわざ20世紀にやってきて、僕達を50世紀に連れてきたのさ」
茶倉が素朴な疑問をぶつけた。
「タイムトラベルを楽しみながら、君達を未来へ招待して帰ってもらうことにより地球の大掃除をするためだよ」
「大掃除?」
二人が首を傾げた。
「君達の意識のレベルを上げることにより地球の浄化をやっているのだよ」
「具体的にどうやっているの?」
茶倉が聞いた。
「君達の世界の人間を選んで未来へ招待して意識のレベルを上げてもらって帰ってもらうんだよ。帰った人々の意識のレベルが上がることにより、それが広がっていって人間達の意識のレベルが上がり地球の浄化につながるのだよ。君達もそのメンバーなのだよ」
「なるほどね。それは重大な役目だな」
竹馬がやや心配そうな表情をした。
「そんなに簡単にいくものなの」
茶倉が信じられないという顔をした。
「多数の人々の意識レベルが上がっていけば、それが次々と広がっていき短期間で世界に広がるはずだよ」
「へえ~、未来人てやることが凄いんだな」
竹馬が素直に感心した。
「それで僕達は、具体的に何をすればいいのかな?」
茶倉がゼモンを見つめた。
「別に、君達が特に何かしなくちゃいけないというわけではないから堅苦しく考える必要はないよ。君達はただ人間らしく生きればいいのさ。それじゃあ、私の話はこれくらいにしておこうかな」
「ねえ、せっかく未来に来たんだから、私達の息子と娘に会ってみない?」
エレナの提案にゼモンも賛成すると、
「どうだい?」と二人に向かって尋ねた。
「ええ、喜んで」
茶倉が即答した。
自分達の子孫に一人でも多く会ってみたいと、茶倉は思ったからだ。
「それじゃあ、出掛けましょうか」
エレナが、そう言って腰を上げると、皆もそれに続く。
車庫に行くと、セレナ三世が、嬉しそうにピューンピューンと音を発した。
「奥様、お出掛けですか?」
セレナ三世は、そう言いながらドアを開ける。
「セレナちゃんの出番よ」
セレナ三世は、喜びを表現するかのように、スピーカーから自分の好きな音楽を流し始めた。
躍動感あふれるクラシック調の音楽だった。
美青年に変身した魔法猫のカキブチは、胸のポケットから銀色の小さな笛を取り出して軽く吹くと、そのまま超高層ビルから外へ飛び出して空中を歩き出した。
「ゲエッ、落ちるよ!」
竹馬が悲鳴を上げた。
「空中浮遊の術だよ」
ゼモンがそう言い終わらないうちに、空から矢のような速さで金色の箒が飛んできた。
カキブチは、それに跨ると翼を取り戻した鳥のように悠々と大空を舞い始めた。
【続く】
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