新未来世界からこんにちは第7話50世紀にこんにちは
【あらすじ】西暦1998年11月のある日、茶倉と竹馬の所に未来人ゼモンが現れて二人を円盤に乗せて未来へ旅立とうとしていた。バックスが、操縦を始めると光の巨大な渦が現れた。
第7話 50世紀にこんにちは
その瞬間、円盤が微かに揺れた。
「ああー!」
茶倉と竹馬が、悲鳴を上げた。
光の巨大な渦の中から軍艦が飛び出して円盤の方へやってきたからだ。
「駄目だ。ゼモン、ぶつかるよオ~」
二人同時に、ゼモンを見た。
「心配しなくても大丈夫」
ゼモンは平然としている。
軍艦の後から次々と色々なものが飛び出してきた。
巨大なピラミッドや恐竜、万里の長城、多数の侍達等、しばらくして巨大な猫が現れた。
それは、あのカキブチだった。
しかし、そのどれもが円盤にぶつかることなく通り過ぎていった。
「あれは、時の海に浮遊するイメージなのだよ。単なる幻だから気にすることはないよ。カキブチのあれは悪戯だから」
数秒後に揺れは収まり、また黒一色の宇宙空間が目の前に果てしなく広がった。
「タイムワープ完了」
バックスが事務的に言うと、ゼモンが二人に振り向き両手を広げて言った。
「ようこそ!50世紀へ!」
「ええっ!もう着いたの?」
竹馬が拍子抜けして叫んだ。
大型画面上に、また地球が現れた。
それは、二人が初めて目にする、もうひとつの地球であった。
「これから、君達が訪れる地球は正確に言えば、西暦4989年の11月8日になります」
ゼモンがバックスに目で合図した。
バックスは、コクッと頷くと、操縦席のボタンを押した。
円盤は大気圏を過ぎると、ゆっくりと地上めがけて降下し始めた。
50世紀の大空には、多数の大小のスペースシップが、巨大な鳥のように飛び交っていた。
中には、直径が数十キロ近い大型円盤もいくつか見られた。
「スゲェ~、デケェ~!」
思わず、茶倉と竹馬はその迫力に息を呑んだ。
とにかく大きいのだ。
小さな島が、空を飛んでいると表現した方がいいだろう。
「この世界には、円盤に住んでいる人達もかなり多いんですよ」
ゼモンの言葉に二人とも納得した。
「それは、人口が増え過ぎて地上に住めなくなったってこと?」
茶倉の言葉に、うんうんと首を縦に振りながらゼモンが答えた。
「我々の世界の人口は約300億人。君達の世界より遥かに多いけれども、みんなが地上で生活しているわけではない。今言ったように円盤内で生活している人達もいれば、他の星へ移住した人達もいる。海上都市で生活している人達もいれば、海底で暮らしている人達もいる。つまり自分の気に入った場所でみんな生活しているのだよ」
「ところで、ゼモンは何の仕事をしているの?」
竹馬の質問に、ゼモンは、やや考え込んだ。
「ウ~ン、何と言えばいいのだろう。我々の世界では、労働のほとんどをロボットが行っているんだよ」
茶倉と竹馬は、思わず顔を見合わせて叫んだ。
「うらやまし~い!」
「ゼモンは生まれてから今まで働いたことはないわけ?」
竹馬が聞いた。
「社会活動だね。我々の世界の人間が行っているのは」
「でも、お金はあるんでしょう?」
茶倉がそう言うと、
「それに関しては、後でじっくり説明するよ。もうすぐ着陸するからね」
【続く】
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