新未来世界からこんにちは第6話バイバイ20世紀
【あらすじ】西暦1998年11月のある日、茶倉と竹馬の所に未来人ゼモンが現れて二人を円盤に乗せて未来へ旅立とうとしていた。そこに魔法猫のカキブチが現れて美青年に変身してみせた。
第6話 バイバイ20世紀
「変身ぐらいで、そんなに驚いてもらっても困るんだけどな。それに猫って言うけどな、正確に言うと猫型エイリアンだぜ。わかったか」
絵に描いたような美青年に姿を変えたカキブチが言った。
さすがに目は猫目だった。
「どうだい。男前だろう。また会おうぜ」
次の瞬間、カキブチは消えていた。
「ゼモン、消えちゃったよ」
茶倉がゼモンを見ると、ゼモンが苦笑した。
「まあ、そのうち出てくるから気にしない」
「それでは行きましょうか」
バックスが、ゼモンをちらっと見ると歩き出した。
「さあ、バックスに続こう」
ゼモンが二人についてくるように合図した。
「どこへ行くの?」
茶倉が尋ねた。
「操縦席だよ」
ゼモンは当たり前のように言った。
初めて見る円盤の内部は、思っていたよりもシンプルな造りであった。
直径約50メートルの円盤内は、ブルーの曲線状のボードで仕切られており、カプセル型のベッドが五つ置かれていた。
円盤の端に来ると、五人ほど座れるU字型の椅子の近くに見たことのない機器類が設置されていた。
バックスが、ギシギシ体を鳴らしながら、椅子の中央に座ると、その右側にゼモンが座り、茶倉と竹馬は左側に座った。
バックスが、装置に設置されている複数のボタンを凄いスピードでカシャカシャ打ち始めると、数秒後には円盤が動き出した。
やがて宇宙空間に出ると、操縦席前の巨大画面に青く燃える地球の姿が映った。
藍色の七つの大洋とその中に浮かぶ五大陸。
日本列島は、曲がりくねった板チョコのように見えた。
「なんてちっぽけなんだ。あんなに小さな所に住みながら、俺達は、日本を中心に世界が回っているような気分になっていたんだな。なんか滑稽だよな」
竹馬の言う通りだと、茶倉も感じた。
こうやって見ると、地球の存在すらも大したことのないように思われてくる。
小さな事でごちゃごちゃ言っている自分を含めた地球人の意識が、ひどく幼く思えてもくる。
ある宇宙飛行士は、地球の姿を見て感動し、神の存在を確信し、宗教の道に入ったらしい。
茶倉は、その気持ちに共感することができた。
何かの神を信じているわけではないが、すべてのものを生かしている大いなる存在を今感じていた。
それは、宇宙の意思そのものだと、心の奥底で感じとった。
地球を軽く一周すると、円盤は宇宙空間のある一点に向かって速度を上げた。
「タイムワープします」
バックスの言葉にゼモンがフムと頷いた。
宇宙空間が見えていた大画面に、光の巨大な渦が突如出現した。
【続く】
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