「また朝から不良…」の正体|再現性ある原因はこの2つ
朝一の不良はパターンがある
「また朝から不良か…」
現場でこう思ったこと、ありませんか?
粉末成型の現場では、朝一の立ち上がりに不良が集中しやすい。
実は朝一の不良は偶然ではありません
。
ある2つのパターンで、ほぼ決まります。
20年間、現場で見てきて分かった“再現性のある原因”があります。
今回はそのパターンと、現場での見極め方を解説します。
結果として対応時間は半分以下になる。
設備を疑う前に確認すべきことが、はっきり見えてくるからだ。
|パターン① 製品切り替え直後の1発目
なぜばらつくのか?
製品切り替えのあとは、ガイド・プレス・フィーダーなど多くの部品を交換する。
手順書はある。
チェックリストもある。
でもどうしても数値化できない箇所が残る。
たとえばフィーダーの取り付け角度、部品のわずかな締め付け感、噛み合わせのテンション。これらは「感覚で合わせる」しかない部分だ。
熟練者なら問題ない。でも経験が浅い担当者が切り替えをやると、そのわずかなズレが成型に直結する。
数値化できない箇所が一番危ない。
私がいつもやってる手法として(手法とは大げさかも)、切り替えるパーツで数値化できない箇所は、近くの絶対に触らない(動かさない)場所のモノを1つ目印として決めておいて、そこからこのくらいの幅、高さ、角度、あるいは六角ボルト・ネジの角を何個分回すとかやってます。
手順書が整備されていると、現場は「手順通りにやった」という安心感を持つ。
でも数値化できていない箇所は、手順通りにやっても再現性が担保されない。
ここを保全として認識しておくことが重要だ。
切り替え後の1発目に不良が出たとき、まず疑うのは
「数値化できていない箇所がちゃんと合っているか」だ。

|パターン② 同じ製品なのに朝一の調子が悪い
原因は前日の清掃が原因のことが多い。
製品は変わっていない。前日も問題なく動いていた。なのに朝一から調子が悪い。
このパターンで私が最初に疑うのは、前日の清掃作業だ。
粉末を扱う現場では、清掃は非常に重要な作業だ。残粉が翌日の成型に影響する。だから毎日しっかり清掃する。
清掃するのは、その日に担当していたライン作業者だ。
ところがその清掃の過程で、意図せず設備に影響を与えてしまうことがある。
よくあるのはこの2つだ。
掃除機の柄がエアノズルに当たり、角度がわずかにズレる
清掃のために外した部品が、正しい位置に戻っていない
作業者は悪意がない。重要性を知らないだけだ
これも責める話じゃない。
作業者は清掃をきちんとやっている。
でも「そのノズルの角度が1°ズレたら翌朝の成型にどう影響するか」を知らない。
知らないから、当たってしまっても気にしない。
重要性が伝わっていないこと自体が、管理側の課題だ。

|保全の動き方 ──「あそこだな」が言えるようになるまで
朝一不良の連絡を受けたとき、私の頭の中ではすでに「おそらくここだ」という仮説が立っている。
巡回で気づくこともある。
でも経験を積むと、「昨日製品切り替えがあったなら①、同製品で続きなら②の清掃ミスを疑う」という判断が自動的に動くようになる。
この勘は、失敗と確認の繰り返しで育つものだ。
ただ、これを自分の中だけに留めておくのはもったいない。
「朝一不良が出たらまずここを確認する」というリストを作っておくと、若手への引き継ぎにもなるし、自分が不在のときの対応精度も上がる。
経験の言語化は、保全の仕事の質を底上げする。
|まとめ
朝一不良には2つのパターンがある。
製品切り替え直後は、数値化できない部分の組み付けズレを疑う
同製品で続きなのに不調なら、前日清掃の影響を疑う
どちらも設備の故障ではない。前日・前工程の人の作業が起点になっている。
朝一だけ起きる時点で、原因はかなり絞れます。
設備を疑う前に「昨日何があったか」を確認する習慣を持つだけで、朝一対応のスピードと精度は大きく変わる。
✓朝一不良 初動判断フロー
1.昨日製品切り替えがあったか?→yes→パターン①
→no→パターン②へ
2.清掃が入ってるか?→yes→パターン②
→no→設備以上を疑う

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